4月11日(日) 2010 J2リーグ戦 第6節
福岡 0 - 2 岐阜 (16:03/レベスタ/5,012人)
得点者:30' 永芳卓磨(岐阜)、55' 佐藤洸一(岐阜)
スカパー!再放送 Ch185 4/12(月)15:00〜(解説:乾 眞寛、実況:北本誠、リポーター:森田みき、プレーヤー解説:中払大介)
顔写真クイズ | 皆の投稿で作るスタジアム情報
----------
自分たちのサッカーを貫いたチームと、自分たちのサッカーを表現することができなかったチーム。この試合を振り返れば、その言葉に尽きる。もちろん、岐阜が福岡を徹底的にスカウティングして攻撃の起点を潰したことや、岐阜の攻撃のキーマンが佐藤洸一と嶋田正吾であることを知りながらも、福岡がそのマークに混乱したことなど、戦い方という点でも両チームの間には差があった。しかし、それ以上に、自分たちのサッカーを貫こうとする意志の強さの違いは大きく、それが勝敗を分けた最大の要因だ。
全ては立ち上がりの30分にあった。「ゲームは我々のペースで入ったと思う」。倉田安治監督の言葉通り、岐阜は前節の勝利の勢いをそのままレベルファイブスタジアムに持ち込んできた。ボールに対してアグレッシブにプレスをかけ、奪ったボールを佐藤に当てて、佐藤と嶋田のコンビネーションでタメを作ると、その時間を利用して両SHが駆け上がる。ボールを奪われれば素早く陣形を整えて相手のプレーエリアを消してしまう。そして、前節同様にシュートの意識も高い。自分たちのミスからチャンスの芽をつぶしてしまうことも多かったが、それでもリズムを崩すことなく、徹底して自分たちのサッカーを表現していく。
対して、迎え撃つ福岡は、これまでとは全く違う姿を見せた。立ち上がりの3分に作った、田中佑昌のクロスに高橋泰が飛び込んだシーンこそ、福岡の特長が出たシーンだったが、それ以降は全く運動量が上がらない。前節、負けに等しい試合を引き分けに持ち込んで迎えたホームゲーム。その大切さは誰もが理解するところだったが、その戦いぶりからは、この試合が重要な試合であることが窺えない。ボールに対する寄せは甘く、攻守の切り替えも遅い。前線と最終ラインが開いて互いの距離が遠くなった陣形では、セカンドボールを拾うことも、効果的なサポートもできず、そのスペースを相手に使われた。そして、それを修正できないままに、いたずらに時間だけが過ぎていく。
岐阜の1点目は、まさに両チームの戦いぶりの差を象徴するようなゴール。自陣右サイドのスローインからの岐阜の選択は前線で待つ佐藤に大きなボールを送ること。それは、ありふれたクリアのような弾道を描いたボールだったが、佐藤は簡単にボールをコントロールし、落としたボールを西川優大が拾って右サイドを駆け上がる。そして福岡は、佐藤の動きを制限できないばかりか、帰陣が遅れて中盤に大きなスペースを空けた。そのスペースでボール受けたのは永芳卓磨。ゴール正面からノープレッシャーの状態で左足を振り抜いた。
福岡がようやく動き出したのは、前半も残り10分になった辺りから。チームの背中を押すように、サポーターの声援が一段と大きくなった時間からだった。しかし、重要な試合と位置づけたホームゲームで、立ち上がりから、しかも30分もの間を無為に過ごしたチームを許してくれるほどサッカーの神様は甘くない。そして55分。前がかりになる福岡を突き放すように、岐阜がセットプレーから追加点をゲット。これで、事実上の勝負が決まった。
ここからは、岐阜にとっては、それほど難しくない時間だった。ハードワークをベースにして、ボールを中心にしたゾーンディフェンスを敷く岐阜にとって、ややリトリートした体制で相手が使うスペースを消すのは基本中の基本。そして、見事なまでにスペースを消し、大久保哲哉を徹底的にマークし、福岡の攻め手を封じた。その守備は最後まで崩れることはなかった。前節の札幌戦終了後、「連勝が始まるきっかけになると思う」と倉田監督が話していた通り、岐阜はこれで2連勝。「最後の15分間は試合をコントロール出来た。今日のゲームはアウェイでの勝ち方。こういう勝ち方ができるようになったのは大きい」と、倉田監督は満面の笑みを浮かべた。
そして、福岡にとっては厳しい結果になった。「結局は戦うところ。球際も、今日は全員が行けてなかったんじゃないかと思う。今までは、全員が自分の持ち場だけではなく、人の分までカバー出来ていたからチームとして連動していたと思う。それがなくなってしまうと、チームとして上手くいかない」と中町公祐は話す。引いた相手に対して攻め手に欠くことや、後半に迎えたいくつかの決定機にゴールを奪えなかったことなどの課題が見えたが、まずは自分たちのストロングポイントを表現できなければ何も始まらない。これまでの5試合とは全く違った姿を見せた福岡。どちらが本当の福岡なのか。次節の戦いぶりが注目される。
以上
2010.04.12 Reported by 中倉一志
J’s GOALニュース
一覧へ- natsuyasumi2024
- jwc2024
- 国立20240914
- pari olympic2024
- bluelock2024
- THE国立DAY
- 2024 明治安田Jリーグ フライデーナイトJリーグ
- 2024JリーグYBCルヴァンカップ
- Jリーグ×小野伸二 スマイルフットボールツアーfor a Sustainable Future supported by 明治安田
- AFCチャンピオンズリーグ 2023-24
- はじめてのJリーグ
- 2024天皇杯
- seasonreview2023 Jリーグ1年の振り返り(別ウィンドウで開く)
- シーズン移行の検討
- 明治安田Jリーグ 月間表彰
- 2023 移籍情報
- 大会概要まとめ
- 2024Jユースカップ
- シャレン Jリーグ社会連携
- Jリーグ気候アクション
- Jリーグ公式試合での写真・動画のSNS投稿ガイドライン
- J.LEAGUE CORPORATE SITE