本文へ移動

今日の試合速報

国立競技場に10,000名様無料ご招待 9/14 19:00KO 国立競技場 FC東京vs名古屋
国立競技場に10,000名様無料ご招待 9/14 19:00KO 国立競技場 FC東京vs名古屋

J’s GOALニュース

一覧へ

【J2:第6節 熊本 vs 甲府】レポート:熊本の無敗記録は5でストップ——。少ないチャンスを逃さずに1点を守りきった甲府が、今季2勝目を挙げる。(10.04.12)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
4月11日(日) 2010 J2リーグ戦 第6節
熊本 0 - 1 甲府 (13:03/熊本/6,350人)
得点者:29' 養父雄仁(甲府)
スカパー!再放送 Ch185 4/13(火)22:00〜(解説:池ノ上俊一、実況:山崎雄樹、リポーター:風戸直子)
顔写真クイズ | 皆の投稿で作るスタジアム情報
----------
 組織ではまさったが個の力にやられたという印象だろうか。失点場面以外は殆どチャンスらしいチャンスを与えなかったからこそ、悔しさは募る。しかしそれもまた1つの教訓。開幕から3勝2敗と好調なスタートを切っていた熊本は今節、昇格を狙う甲府を迎え、前半に1点を失って今季初黒星を喫した。

 だがゲーム全体を通して見れば、どちらかと言えば敗れた熊本の流れだったと言っていい。もっとも立ち上りは甲府のペース。5分、9分と藤田健がミドルシュートを狙い、10分にはダニエルがドリブルで持ち込んで養父雄仁とのパス交換から抜け出す場面を作る。しかし熊本は甲府の中盤に自由を与えず、最終局面ではきっちりと凌いで、逆に素早い切り替えからうまく間で受け、13分には西森正明から松橋章太とつなぎ、最後は西弘則が飛び込むなど、徐々に流れを引き戻していった。
「勝ちたいという気持ちが先走って、空回りしたところがあった」(内田一夫監督)甲府は、20分を過ぎた辺りからミスも目立ち始め、中盤の3人が前を向ける場面が減り、後方からのロングボールが増える展開に。厳しいマークにあってパウリーニョとマラニョンになかなかボールが収まらない中、藤田や大西容平、右サイドバックの吉田豊などが絡んでサイドで起点を作ろうとするが、肝心なところでうまくつながらずにチャンスを潰すシーンも多く、前が競った後でもセカンドボールをなかなか拾えない状況だった。しかし前節初先発を果たして展開力を発揮し、機を見ては高い位置まで顔を出していた養父が、試合を決める仕事をする。

 29分、中央から右の大西へ出たボールに対し、熊本のアプローチが遅れる。「あそこでペナルティエリアまで入っていけた事が成長した点」と振り返った通り、熊本のDFラインの前に養父がフリーで侵入。それを見逃さなかった大西が正確で球足の速いクロスを送ると、養父が美しいボレーで合わせてネットを揺らした。高木監督が「フリーでクロスを入れさせて、入ったところへのマークの甘さもあった」と話した通り、前半をゼロで抑えて後半に勝負をかけたかった熊本は、一瞬の隙を突かれた恰好で先制を許してしまう。

 だが後半、前半から激しいチェイスを見せて消耗し始めた井畑翔太郎に替えて藤田俊哉をピッチへ送ると、前線の流動性が増して攻撃が活性化。選手間の距離、パスのテンポなどが前半に増して良くなり、甲府のアンカー秋本倫孝の左右のスペースを狙って両サイドのMFやボランチの原田拓らが入り込んでは受けるなど、3人目が絡む形を作る。だが68分の西森のシュート、71分の松橋のシュートもGK荻晃太に阻まれ、ゴール前に人数をかけた甲府の守備を崩せない。一方の甲府も前線に金信泳や松橋優を送って追加点を狙うが、全体的に引いていた事で厚みのある攻撃ができず。ここまでの数試合で残り15分に得点を挙げていた熊本の攻撃にスタンドの期待も高まったが、結局お互いに得点を奪えないまま試合終了。1点を守りきった甲府が今季2勝目を挙げる結果となった。

 きっちりと勝ちきって勝点3を手にした甲府。「我々にとって大切な事は、勝つ事で自信を取り戻す事」という内田監督の言葉通り、久々の勝利は次につながる収穫。だがゲームを通して見ればまだミスも多く、ポテンシャルを十分に生かしきれているとは言いがたい。わずか1ポイント差で昇格を逃した昨シーズンの轍を踏まない為にも、また終盤に大きく関わる得失点差を稼ぐ意味でも、追加点を取れなかった事は今後の課題となろう。先制点となった養父のゴールはもちろん素晴らしかったが、シュート6本ではやはり物足りない。より組織的な展開からチャンスを数多く作ることが求められる。

 一方の熊本は、先制された後でも崩れなかったことや、後半に流れを引き戻し、最後まで攻め続けることができた点は収穫。ただ、試合後に市村篤司が話していたように、チャンスを作っても点が取れないと上位に食らいついていくのは難しい。オフサイドが1つもなかった事からも分かる通り、相手DFが深いラインを引いていれば背後に飛び出せるスペースは必然的に減る。前線にあまり高さがない以上、サイドから単純にクロスを入れるだけでは得点につながる可能性は低く、フィニッシュの精度を上げるのと合わせ、後半に見せたような複数が絡む形でDFをズラす工夫が必要となるだろう。
 3連勝を逃して無敗記録も5で止まったが、気持ちを切り替えて次節の横浜FC戦に臨みたい。初黒星を境にズルズルと後退するのか、あるいは踏み止まれるか。試されるのはむしろこれからだ。


2010.04.12 Reported by 井芹貴志
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2024/08/04(日) 00:00 ハイライト:横浜FCvs千葉【明治安田J2 第25節】