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【J1:第6節 F東京 vs 鹿島】レポート:城福トーキョー、王者鹿島を苦しめる。今季のプランニングは順調か!?(10.04.11)

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4月10日(土) 2010 J1リーグ戦 第6節
F東京 1 - 1 鹿島 (19:04/味スタ/30,672人)
得点者:4' 平山相太(F東京)、39' 興梠慎三(鹿島)
スカパー!再放送 Ch183 4/12(月)11:00〜(解説:水沼貴史、実況:倉敷保雄、リポーター:日々野真理)
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これもまた城福トーキョーか!?F東京が“柔軟な”対応で王者を苦しめた。
F東京は、味の素スタジアムで鹿島と対戦し、1−1で引き分けた。開始4分、FW平山相太がPKを決めてF東京が先制点を奪った。鹿島は39分、MF小笠原満男のミドルシュートのこぼれ球を、FW興梠慎三が詰めて同点で前半を折り返す。後半は、互いに選手を投入して2点目を奪いに出たが、スコアは動かず。1−1のまま、ゲームを終えた。

「非公開は小手先の話だから。非公開にした2日間は普段と同じ2日間だった。それは選手に聞いてもらえばわかる」(城福浩監督)
 
F東京は、前々日から非公開練習を行ってきた。城福監督の言葉にうそぶく素振りはない。ただ、今野泰幸の超回復に驚き、試合開始の笛で目を丸くすることになる。
試合開始のホイッスルと同時に、平山相太と、この日初先発の重松健太郎が猛然とボールに向かって走り出す。前線からボール狩りを仕掛けたのだ。それに合わせるようにチーム全体を押し上げて高いポジションを取った。最終ラインの体勢を平山、重松が崩し、さらにパスコースを限定することで狙いどころを定めた。
F東京の守備は、最終ラインと中盤が2枚の守備ラインを敷いてブロックを作ってきた。どちらかと言えば、受けの守備。ボールを奪う位置は当然、低い位置になる。そして、そこから奪ったボールを丁寧に繋ぐ。一枚、一枚相手DFを剥がしていき、時間を掛けて敵陣に攻め入る。Jリーグでは、広島やG大阪も守り方は違うが、コンセプトや趣は近い。
ただ、今シーズンはそれまでの丁寧な遅攻の上に、カウンター攻撃を積み重ねようとしている。そうなれば、試合のどこかで、ボール狩りを仕掛けなければいけない。ゲームのある時間帯の中では、前線から守備を仕掛ける時間もあれば、しっかりブロックを敷いて守る時間帯もある。戦況の中での柔軟性は守備にも求められている。

「人間は、何かを追求すれば、何かが疎かになってしまう。僕は『12時ちょうどの針』という話を、よく選手にします。今日もどちらかに針が振れている。なぜか?前節や、その前の試合で10時に振れていたからです。そこで我々は、12時ちょうどを目指してはいけない。1時や、2時の場所を目指さなければいけない。損なわれてしまったことを意識しながら、他の部分が失われないようにもしなければいけない。その努力を毎回しています」
今節は、城福監督の『12時ちょうどの針』の話を引用すると、ボール狩りに比重を傾けたと言える。鹿島のビルドアップの中心は小笠原満男と、中田浩二のボランチコンビ。攻撃は、その2人を経由して生まれる。F東京はそこに狙いを定めた。特にゲーム序盤は、羽生直剛がパスを読んで、何度も中盤でインターセプトを仕掛けてボールを奪っていた。鹿島は、そこで奪われると思うと、一つポジションを飛ばしてサイドハーフを攻撃の起点にしようとする。そうすると、今度はサイドバックがインターセプトを狙った。F東京では、これまで見ることのなかった“前からはめる”守備だ。これまでとは違うスタイルだったが、選手たちは見事に実践した。その理由の一つが、先発メンバーにも隠れている。この守備は、FC東京U−18の専売特許。この日、初先発の重松健太郎は3年間、そのサッカーの中で慣れ親しんできた。今節の戦いには、まさに適任の存在だった。

試合はF東京の守備に苦しんだ、鹿島がビルドアップを諦めて最終ラインからロングボールを前線に放り込むサッカーへと切り替える。F東京も、前への意識が高くなって普段よりもボールを繋ぐ意識が低く、ゲームは燃料が落ちてくる終盤まで蹴りあう展開が続いた。

「繋ぐ中で再度、勝負するのか。相手を広げてから勝負するのか。今回の優先順位はご覧の通り。目指すべき順番が変わるわけではないが、その順番をどうすれば、勝点3に近づくのかを意識した。今日の勝点1は悔しいですが、選手たちには『今日のスピリッツを持って、クオリティを上げていけば、Jリーグでは勝点を積み上げていける。今日のゲームをスタンダードにしなければいけない』と伝えました」
城福監督は試合後、そう話した。この日の姿は、成長過程の一つの姿だといえる。ただ、忘れてならないのは、先制しながらも同点に追いつかれたということだ。鹿島は、やはり一瞬の隙を見逃さなかった。F東京の前線からの守備がはまっていた前半、小笠原はマークが空くと、ゴールを目指した。枠を捉えた正確なシュートと、それを押し込むために走りこんだ興梠。鹿島が王者たる所以はまさにそこにある。王者の背中に迫ったが、越えることはできなかった。次のステップは、奪ったボールをいかにゴールへと運ぶか。一つひとつ積み上げていくという今シーズンのプランニングは順調に進んでいる。

以上

2010.04.11 Reported by 馬場康平
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