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【J2:第6節 鳥栖 vs 水戸】レポート:互いに決定機を外しながらも、鳥栖が先制点を守りきって3連勝を飾る。水戸は、好機に流れをつかめず勝率5割をきる。(10.04.11)

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4月10日(土) 2010 J2リーグ戦 第6節
鳥栖 1 - 0 水戸 (13:03/ベアスタ/4,822人)
得点者:63' 豊田陽平(鳥栖)
スカパー!再放送 Ch185 4/12(月)08:00〜(解説:乾眞寛、実況:北本誠、リポーター:ヨンヘ)
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90分の試合の中で、主導権を握ったり握られたり・・・。その都度、攻守が入れ替わり、得点すれば勝利に近づき、失点をすれば敗戦に近づく。
1回のゴールが1得点(1失点)しかないサッカーでは、1ゴールを奪うためにしのぎを削る。簡単にゴールは奪えない。だからこそ、ゴールを奪う機会を多く創設するために全員が必死にプレーをする。

その決定機を外したMF早坂良太(鳥栖)は、「あそこで決めないと試合に勝っても喜べない」と悔しさをにじませた。同じく、FW吉原宏太(水戸)は、「あそこを決めておかないと、示しがつかない」と他の選手への影響を語ってくれた。
どちらも、先制点となるチャンスを外したのだから、悔しさは計り知れないものである。
どちらかが決めていれば、自分たちは勝利に近づき、相手は敗者に近づいていたのだから責任も重大である。

そして、勝利を導いた先制点は63分に生まれた。
FW豊田陽平(鳥栖)が振りぬいた左足を経由したボールは、水戸ゴールのサイドネットを揺らした。
それまで、右サイドMFとして、ワイドな位置でプレーしていた早坂良太が、ボランチの衛藤裕と流れの中でポジションチェンジした。水戸の中盤もその流れにあわせてチェックが甘くなってしまったところで、早坂の前に1本のパスコースができた。「あとは出すだけだった」(早坂良太/鳥栖)と迷わずそのパスコースを選択し、アシストを記録した。
右サイドの流れた衛藤裕の動きにあわせて、水戸のDFも少しだけワイドになり、CB間に距離ができたことで、豊田陽平の走りこむスペースができた。
この主導権を握った動きで生まれた先制点だったし、「攻撃的なボランチ」(松本監督/鳥栖)の積極的な動き出しで得た先制点だったと思う。
この得点には、直前に交代で入ったFW萬代宏樹も絡んでいるので、中盤と前線の連係の中で生まれたものといえる。

見事だったのは、このあとの鳥栖のベンチワークである。
左サイドDFに磯崎敬太を入れて、金民友をMFにあげたことで、守備的ではなく攻撃的になり、さらに水戸を押し込むことができたことである。
主導権を握った中で、さらに有効な采配を見せて一気に水戸を突き放つ作戦は、その後の決定機と言う形で現れた。
しかし、松本監督は手綱を緩めたりはしていない。「もっとグランド幅をつかったサッカーをしないといけない」と手厳しいコメントで会見を締めくくった。
中盤の連動だけでなく、定石通りのワイドな攻撃も今季の鳥栖の掲げるサッカーだと今節の結果には満足していない。
「結果は勝点3だが、指導者として内容は決して満足できる内容ではない。課題を修正して次節に備える」(松本監督/鳥栖)と今季初の3連勝に浮かれた様子は微塵も魅せることはなかった。

水戸も全体のシュート数は、鳥栖の半分以下と苦戦を強いられた内容だったが、決定機は行く度となく迎えることはできた。前述した吉原宏太だけでなく、FW常盤聡も攻撃的な鳥栖のサイドDFの裏を狙って飛び込んでいたし、MF小池純輝も積極的にゴールを狙っていた。
ただ、交代で入った選手たちがシュートを打てなかったことと、後半に入ると運動量が落ちてきたことが心配である。
「水戸の目指すサッカーは、ロングボールで対応するのではなく、相手を広げたりしながらつないでいく」(木山隆之/水戸)ことに変わりはないので、今節の修正点は明確である。次節までには、対応できるだろう。

90分という試合時間の中で、どれくらいの時間を自分たちの意図のままで運ぶことができるのだろうか?
ボールは保持していても、相手のプレッシャーを感じるだけでミスを起こす可能性もある。
プレッシャーを受けていなくても、広いグランドの中では連係を欠くこともあるだろう。
ボールを足でコントロールするということに対して、どこまで精度を求められるものだろうか。
そこには、見ている側には感じることができない感覚が存在するのだろう。
目には見えない主導権を選手全体で共通認識し、引き寄せ、駆使して相手ゴールを狙うサッカーの難しさだけが極まった試合であった。

試合前に握手を交わすピッチがある。試合中に走り回るピッチもある。試合後に全てを出し尽くして倒れこむピッチも同じピッチである。ピッチで無数のドラマが生まれ、汗と涙を吸い込んでそのスタジアムの歴史となる。
スタジアムに足を運んで選手を応援してみよう。きっと、その声も一緒に吸い込まれて歴史の語り部となるに違いない。
応援する我々もサッカーの一部である。

以上

2010.04.11 Reported by サカクラゲン
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