4月10日(土) 2010 J2リーグ戦 第6節
愛媛 1 - 0 東京V (14:02/ニンスタ/3,052人)
得点者:8' 福田健二(愛媛)
スカパー!再放送 Ch183 4/12(月)20:00〜(解説:大西貴、実況:堀本直克、リポーター:重橋秀香)
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この一戦で、一番大きな歓声がスタジアムを包み込んだのが73分。ピッチを離れるFW福田健二に対して送られた盛大な拍手が、そのプレーの評価を表していた。中でも、結果的に決勝点となった8分のゴールは見事という他ない。GKの位置を瞬時に把握すると、福田の右足から放たれた放物線はゴールネットに吸い込まれるようにその軌道を描いた。一瞬、スタジアム全体の時が止まったような美しい放物線。今季、愛媛のホーム初ゴールはサポーターが待ち望んでいた福田のゴールで、それがホーム初勝利をも呼び込んだ。
しかし、バルバリッチ監督の代役を務めた青野慎也コーチしかり、愛媛の選手たちにしても試合後に発したのは反省の弁ばかり。確かに、先制した後は守備を気にするあまり、3トップの両脇を固める石井謙伍と大木勉が自陣のゴールラインまで引いて守備をする場面も少なくない状況で、90分を通じてシュートは7本。チームとして攻撃の迫力には物足りなさも残り、これまでの課題が持ち越された面はあった。
それでも、「ファーストディフェンスが決まったときは、しっかり追い込んで奪えていた」とMF越智亮介が言うように、連動した守備から攻撃につなげる場面も見られた。まさに、先制点の場面もそのひとつ。東京Vのスローインでスタートしたボールを、タッチライン際でMF赤井秀一とアンカーの渡邊一仁が挟み込んでボールを奪うと、前線の福田へ。高い位置で奪い、手数をかけずフィニッシュまで持ち込んだ。
そして、今日の愛媛が粘り強く勝利を引き寄せたもうひとつの要因は、この日、スタジアムが2番目に大きな拍手に包まれた68分の場面にあった。DFアライールのなんでもないクリアを、GK土肥洋一のところまであきらめずに追いかけた石井。土肥がDF菅原智にパスを返した後も、さらに石井はそのチェイスを止めることなく走り続け、最後はファールに終わったものの東京Vの反撃を未然に食い止めたプレーだ。疲労で足が止まり始める苦しい時間帯で体を張った石井の頑張りに、スタジアムの観客は惜しみない拍手を送った。それはピッチに立つ愛媛の選手を奮い立たせるファイティングポーズでもあった。
対する東京Vは、90分でシュート2本という数字がこの日のパフォーマンスを物語っている。中盤で愛媛の激しいチェックにさらされると、前に向かう姿勢も失ってしまった。22分には愛媛の渡邊が食いついてできたスペースにMF柴崎晃誠が入り込み、素早く左サイドへ展開。クロスはFW高木俊幸のスルーでシュートまで結びつかなかったが、愛媛の守備をかいくぐりゴール前までボールを運んだ。さらに58分には右サイドで4本ダイレクトパスをつなぎ、愛媛のプレスを外すとFW飯尾一慶にスルーパス。これもわずかにオフサイドでシュートまで持ち込めなかったが、愛媛の守備を攻略するヒントはつかんでいた。そうしたプレーが単発で後に続かなかったのは悔やまれる点。前節の福岡戦で得た自身を膨らますことはできなかった。
逆に、愛媛にとっては石井のプレーに限らず、泥臭くも守り抜き、勝点3という大きな収穫を得たことは、何物にも変えがたい成果。成績も2勝1分2敗と5割に戻し、再びスタートラインに立った。そして、迎える次節のカードは四国ダービー。青野コーチは「これで勢いに乗って、ダービーで去年徳島にやられた分もやり返せるよう、この1週間トレーニングを頑張れると思います」と決意を語ってくれた。そして「僕にとっては初の経験だけど、色々なところでダービーのことは聞くし、特別な試合。でも、気負い過ぎないようにというところもある。勝ち点3がベストだが、負けないことが大事」と語るのは福田。それぞれにとって来るべき決戦に向かう気持ちは様々かもしれないが、これからは今日の課題を克服すべく、愛媛にとっては勝負の1週間が訪れる。
以上
2010.04.11 Reported by 近藤義博
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