スカパー！生中継 Ch184 15:50〜（解説：安井孝志、実況：牧内直哉、リポーター：豊田麻衣）
顔写真クイズ | 皆の投稿で作るスタジアム情報
----------
Jリーグ２年目と１年目が今季２勝目をかけてぶつかる。富山には先輩の意地があり、北九州には追う者の強みがある。ともにモチベーションは高く、好勝負の予感が漂う。
北九州は昨季の富山が５戦かかったJ初勝利を３戦目で達成し、順位は１つ上の16位につける。富山のMF上園和明は「北九州は去年の僕たちのように必死にプレーしてくるはず。むしろ怖い相手だと思う」。自分たちの昨季の頑張りには誇りがあり、だからこそ同じ気持ちで挑むであろう相手への警戒心は強い。富山の楚輪博監督は「北九州はうちと似たタイプ」と分析。パスサッカーを指向し、守備意識が高く、ハードワークを厭わない。中盤での攻防は激しくなるだろう。
両者とも試合を重ねながら調子を上げていることも熱戦を期待させる要因だ。富山は前節、横浜FCの猛攻に耐え抜いて今季初勝利を収めた。MF姜鉉守は「『やれる』という自信がついた。そして、あれだけ頑張らないと勝てないことも実感した。その気持ちを忘れずに今節は戦うことができる」。DF堤健吾は「ここからスタートのつもりで戦いたい」と話した。練習中も選手が盛んに声を掛け合って活気に満ちている。
一方の北九州も前節は昨季J１の千葉に真っ向勝負を挑んで経験値を上げた。ミスから失点して敗れ、与那城ジョージ監督は「J２のチームは少ないチャンスで得点できる。JFLと違ってほとんどミスがない。われわれがミスした時にそれを見逃さない」と話した。教訓を得た半面で、後半にはFW池元友樹らが躍動感のあるプレーをみせて攻め込む時間帯もつくった。リーグレベルへの適応は徐々に進んでいるとみてよい。
ニューウェーブ北九州時代の08年のJFLで１勝１分と勝ち越した経験も生きてくるだろう。攻守の要であるMFの佐野裕哉と桑原裕義をはじめ、GK水原大樹、DF日高智樹、FW中嶋雄大らは当時からのメンバーで、富山の主力選手も変わっていない。その時は地域リーグから昇格したばかりの開幕戦で富山と２−２で引き分けた。クラブが発足して初めての公式戦だったカターレ富山にとっては、終了間際に堤が劇的な同点ゴールを挙げたものの少しほろ苦さも残る思い出だ。
１年目の富山の選手たちも、第１クールではJFLや練習試合で過去に対戦したチームには、やり易さを感じていたようで伸び伸びとプレーしていた。今回は逆の立場で、富山は立ち上がりから油断のない対応が求められる。楚輪監督は「北九州はツートップがよく機能している。キック精度の高い佐野からのリスタートにも注意が必要」と話した。
ホームで連勝を狙う富山は課題だった守りに前節で改善がみられた。楚輪監督は「つなぐところと、蹴って逃げるところのメリハリがしっかりついていた」とチームの修正力を評価している。今度は攻めで進歩した姿をみせる番だ。
今季のテーマは得点力アップ。キャンプから取り組んでいるDFラインからビルドアップする厚みのある攻撃で揺さぶりたい。上園は「勝点を取ったことで、できるプレーも変わってくると思う」。FW苔口卓也も「連係もよくなってきたと感じる。今回はもっとよくなる」と話す。昨季の積み重ねのうえにある２年目の力をゴールというかたちで示したい。
以上
2010.04.10 Reported by 赤壁逸朗
