スカパー！生中継 Ch183 18:50〜（解説：水沼貴史、実況：倉敷保雄、リポーター：日々野真理）
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「第２３節」への挑戦だ。
城福浩監督は、今シーズンの所信表明で『第２３節』という数字を挙げた。Ｆ東京は昨シーズン、リーグ第２３節鹿島戦に１−３と敗れた。指揮官は「最も我々が何もできなかった試合」だと話した。Ｆ東京が、再びその王者へと挑む。
今節は互いに攻守の柱を欠く。Ｆ東京は、前節川崎Ｆ戦で守備の柱である今野泰幸が負傷し、今節の出場は微妙なところ。今野は、守備だけでなく、終盤のフィニッシャーとしてもここまでチームを牽引してきた。それだけに今野の負傷は大きな誤算だった。Ｆ東京は８日から２日間の練習を非公開にし、様々な確認を行ってきた。今節は新たな編成で、鹿島に挑むことになりそうだ。
鹿島は前節仙台戦で、今季公式戦初黒星を喫した。また、その試合で攻撃の柱であるFWマルキーニョスが退場し、今節も出場停止で欠く。マルキーニョスは得点源であり、前線からの献身的な守備でチームを支えてきた。エースの出場停止は痛いが、その代役として出場が濃厚なFW大迫勇也は昨季Ｆ東京戦、２試合２得点を奪っている。今シーズンもその相性の良さを見せたいところだ。
この一戦は、局面に応じた状況判断が試合に優劣をつけるはずだ。鹿島は、状況判断が特に優れたチーム。速攻なのか、遅攻なのかをチームとして判断でき、局面においてもパス、ドリブル、シュートの選択が正確だ。また、守備でも穴を開けない細かな配慮と、チーム全体の献身的な動きが光る。Ｆ東京は今シーズン、そうした状況に応じた判断力を身につけようとしてきた。ここまで積み上げてきた自分たちの力量が、どこまで王者に通じるかも今節の大きなみどころだ。視線を向ける選手の動き出しや、そこでのボールホルダーの選択。ボールがない場所での選手のポジショニングが差を生む。それぞれの攻撃から守備と、守備から攻撃への切り替えも注目だ。
鹿島には、大きな穴がない。ただ、４−４−２と並べたシステムの中で、中盤は中央にポジションをとってゲームを組み立てる機会が多い。ボールを奪って素早くサイドに繋ぐことができれば、意図的に１対１の局面を作り出せるはずだ。もちろんそこで、ボランチがカバーに入ってくるので、一度中央を経由して、食いつかせることができれば、さらに数的優位や同数の状況は生まれやすい。Ｆ東京には、石川直宏や、長友佑都ら、サイドからの突破に優れた選手が揃っている。チーム全体の帰陣が速く、隙を見せない鹿島だが、何とかしてその状況を作り出したいところだ。そのためにも、サイドのポジションに入る選手がピッチ全体の幅を生かしたポジショニングで鹿島を攻略したい。
Ｆ東京が王者・鹿島へと挑む試合は、明日１９時、味の素スタジアムでキックオフする。
以上
2010.04.09 Reported by 馬場康平
