スカパー！生中継 Ch363 14:00〜（解説：小倉隆史、実況：土井敏之、リポーター：石川葉子）
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開幕戦の至福はどこへやら。あれからたった一ヶ月しかたたないのに、やきもきする日々が続いている。リーグ戦で３連敗したのち、ヤマザキナビスコカップで引き分け連敗を止めるも、前節新潟戦もスコアレスドロー。リーグ戦５戦を終えて未だ勝利のないチームがあることを考えればまあ上々か…、などとは言っていられない。目標の勝点５５まであと５１、リーグ戦の残りは２９試合。ざっと計算してみても、まだシーズンが始まったばかりだから、などとのんびりしてはいられないのだ。
さて、今節ホームに迎え撃つは、今季リーグ戦未勝利のＧ大阪。昨年はここホームで倒した相手で「地元だけどもう来たくない」と浦和出身の敵将西野朗監督に言わしめた。ＮＡＣＫ５スタジアム大宮では０８年、そして大宮公園サッカー場時代の０５年にもＧ大阪から勝利を挙げており、ゲンがよいカードと会場の組み合わせ。（０６年、０７年のホーム戦は敗れているが、当スタジアムは使用せず）大宮にとっては、上位進出へうってつけの試合でもあるのだ。
Ｇ大阪は、開幕戦前からのＡＦＣチャンピオンズリーグを含めた過密日程の影響もあるのだろうか勝点３の１７位。勝点３の全てを引き分けで拾っているところに、物足りなさを感じるむきもあるだろうが、底力を感じさせると見ることも出来る。張外龍監督は「Ｇ大阪の調子はよくないといわれているが、メンタルの問題。いつでも（本調子を）取り戻せるだろう。それが、いつになるのかという問題にすぎない」と厳しい表情。つまりＧ大阪の復調が今節でないとも限らない、と警戒心をあらわにしているのだ。『Ｇ大阪らしさ』のまぎれもない軸である遠藤保仁はここまで本来のプレーを見せていない。ただ、その分若手の躍進は著しく、ＡＣＬのシンガポール・アームド・フォーシズ戦でハットトリックをあげ、リーグ戦でもここまで３得点と好調の平井将生の存在に注目したい。「中盤にパスを出せる選手が遠藤選手だけでなく、二川（孝広）選手、明神（智和）選手と多くいる。彼らから、平井選手へパスを出させないようにしたい」とアン・ヨンハは狙いを話す。
迎え撃つ大宮も、多くの主力が負傷中で頭が痛い。開幕以来戦列を離れているラファエルだけでなく、主将・藤本主税もここ３試合は欠場しており、今節もベンチから外れることが濃厚。さらに、石原直樹も練習中の負傷から先発出場は危ぶまれている。そのため、２トップは藤田祥史、市川雅彦が組み、中盤のサイドには内田智也が入ることになるだろう。こんな今だからこそ張監督は強い口調で「総合力で戦いたい。コンセプトの共有が大事」と話している。前節惜しいシュートを放っており、そろそろ今季初ゴールがほしい市川は「なんでもいいからとにかく得点」と意気込んでいる。今の大宮の選手たちは取れそうで取れない１点を取ること、つかめそうでつかめない勝点３の重みを痛いほど知っている。そしてそれを掴み取る難しさに苦しんでいるというのが現状だ。
言い訳にすることはないだろうが、今の両チームからは今季のベストコンディションから程遠いことは確か。だが、いつかどこかで波に乗り上昇していかなくてはならない。そのきっかけに、この１試合はなり得るだろうか。
以上
