北九州のDF冨士祐樹選手がStats Stadiumの３月度月間ベスト11に選出された。月間ベスト11選出はもちろん北九州初。しかも開幕月の受賞で、“本来ならば”冨士選手も大喜びのはずだった。

ところが冨士選手は３月30日の練習中に右膝前十字を痛め、戦列を離れることに。とはいうものの練習には毎日顔を出しているので、４月６日の本城運動場での練習でベスト11選出を報告してみた。

第一声は「えっ？　ほかにもっと…」。
3月の冨士選手は、ピンチをしのいで前線に送り込み、機を見て上がるというサイドバックらしいプレーに徹していた。当たり前のことを当たり前にこなしていただけに、「実感がないですね…」。

チームメイトは「靱帯部門で受賞っしょ？」とからかっていたが、その問題の靱帯は全治６カ月の重傷。今季初めて外から見ることになった前節千葉戦について、感想を問われた冨士選手は「チームのプレーをそういう（客観的な）目では見れなかったです。『あ、蹴った』『あ、入った』ってそんな感じ。『俺出られないんだ』って思って悔しかった」と話していた。

悔しさで胸はいっぱいだと思うが、終始笑顔を浮かべていた冨士選手。「復帰したら、実感が伴って（ベスト11に）選ばれるように頑張ります！」。足を引きずりながらも、にこやかにピッチを後にした。

この日の練習では２月の北九州市長杯で太ももを負傷していたタチコ選手が通常メニューに合流した。出遅れていた伊藤琢矢選手や片野寛理選手も復調。冨士選手が抜けた穴をチーム全体で補い合いながら、まだ始まったばかりの２０１０年シーズンを全力で戦い抜きたい。

以上

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2010.04.07 Reported by 上田真之介