3月27日(土) 2010 J1リーグ戦 第4節
磐田 2 - 3 京都 (16:03/ヤマハ/7,258人)
得点者:20' イグノ(磐田)、47' ディエゴ(京都)、58' 前田遼一(磐田)、66' 柳沢敦(京都)、90'+2 中山博貴(京都)
スカパー!再放送 Ch185 3/29(月)05:00〜(解説:桑原隆、実況:岡村久則、リポーター:荒木麻里子)
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アディショナルタイムでの逆転ゴールは、磐田が勝点3を目指して勝負を賭けたことが裏目に出たもの。ただ、それ以前に、磐田はホームで自分たちが目指すサッカーをすることができていなかった。
試合序盤は、磐田のボールに対する寄せの早さが京都を上回り、どちらかと言えば磐田のペース。前田遼一とイ・グノの2トップも、良いタイミングで動き出して後方からのパスを引き出し、攻撃の基点となる場面を何度か見せた。そんな中、多少無理めでも強引にシュートを狙う意識を立ち上がりから見せていたイ・グノが、大きな一仕事。20分にチエゴのバックパスをカットすると、即座にミドルシュートを放ち、ゴール右上ぎりぎりに強烈なシュートを決めた。これが自身の今季初ゴールで、チームにとっても今季初めての先制点。なかなか点が取れなかった磐田にとっては、大きなきっかけになる1点のはずだった。
しかし、これで目が覚めて攻めの姿勢が出てきた京都に対し、磐田のほうは逆にリスクを避ける意識が強くなっていく。とくに京都がロングボールを多めに蹴ってきたことに対して、「相手の長いボールに対してバタバタしてしまったことで、組み立てのほうでも同じようにバタバタしてしまった」(柳下監督)という状況に陥ってしまう。
それによりDFラインが下がり、セカンドボールも拾いにくくなって中盤も下がり、2トップとの距離が開いてしまった磐田。それでも、ボールを奪った後でラインを押し上げる時間を作れれば良かったが、実際には前に急ぎすぎる攻撃が目立ち、2トップにボールが入っても、サポートが遅れて京都の厳しいマークにつぶされてしまう場面が多くなっていく。そうして早くボールを奪い返されてしまうと、ラインも押し上げられない。前半は1-0のまま終えたものの、そうした悪循環によって徐々に京都ペースの試合展開になっていった。
そして後半2分、それまであまり仕事をさせずに抑えていたディエゴだったが、ゴールまで30m以上ある距離で、ついシュートへの対応が遅れてしまう。それを見逃さずにディエゴが左足で放った強烈なシュートは、コースは正面だったが、鋭く変化してGK八田直樹の手をかすめてゴールネットを揺らした。
これで同点に追いつかれた磐田だが、再び攻めの姿勢を強めて、13分にはイ・グノのドリブルから中央でパスを受けた松浦拓弥が、持ち味のドリブルでPKを獲得。これをエースの前田が決めて、2トップの揃い踏みで再びリードを奪った。
しかし、その後は運動量でも京都が上回り、流れは再び京都に。磐田のほうは前線とDFラインの距離がさらに開いて、カウンターの応酬になる展開も目立ち始めた。その中で、21分の京都のカウンターから、右サイドでボールを受けた中山博貴が大きなサイドチェンジのパス。これで逆サイドから柳沢敦が裏に抜け出して、左足のアウトにかけたワンタッチシュートを左ポストぎりぎりに突き刺した。これで再び同点。
最後は、柳下監督が43分にセンターバックのイ・ガンジンに代えて、FWの荒田智之を投入し、勝点3を目指した賭けに出る。だが、結果的にはそれが裏目に出てしまった。47分に前線のミスからボールを奪われ、そのまま前に送られたボールで中山が完全にフリーになっていた。ここで中山が落ち着いてループシュートを決め、最後の最後でついに京都が逆転。劇的な幕切れで、今季のアウェー初勝利と同時に、ヤマハスタジアムでの初勝利を手にした。
2度先行されながらも我慢強く戦い、最後は体力的な優位も生かして逆転に結びつけたこと。また、柳沢や中山らが非常に良い仕事をしたことも、京都にとっては大きな収穫となる1勝だった。
一方、またもホームで敗れた磐田のほうは、いかにリスクをかけて勝負に出たとはいえ、リスクマネージメントが不足しすぎたことが悔やまれる。内容的にも「今日のゲームは(今季の中で)我々がやろうとしているサッカーがいちばんできなかった」(柳下監督)というゲーム。攻め急ぐだけでなく自分たちがリズムを取り戻す時間を作ることも含めて、試合の流れを読み、自力で立て直す力を身につけていくことが、大きな課題として見えた敗戦だった。
以上
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