３月下旬、練習を終えた高田保則がスーツを抱えてロッカールームから出てきた。何事かと思って聞いてみると、午前中に長男が通う幼稚園の卒園式があり、それに出席してからグラウンドに駆け付けたという。

卒園式に出席した高田は、入園当初を思い出し、感動のあまり目が潤んでしまったそうだ。「最初は幼稚園に行くのを嫌がって大変だったんです。でも最後は幼稚園に行くのが楽しくて、朝早くに『もう連れてって！』って言うくらいでした（笑）」

幼稚園が楽しくなった理由の一つが「サッカー」だった。高田ジュニアは朝早くから幼稚園に行って友だちと一緒にボールを蹴っていたという。「サッカーの面白さが分かってきたみたいですね」

ただ、息子がサッカーを理解してきたことで高田には新たな“悩み”が生まれたらしい。「最近は『パパはなんでゴールを決めないの？』って聞いてくるんですよ。そう言われると去年の２ゴールは両方ともアウェイだったし…ホームでは決めていないかも（苦笑）」

高田のホーム戦ゴールは２００８年８月３日の対愛媛戦。その直後に網膜剥離で戦線離脱し、それ以来、正田スタでのゴールから遠ざかっている。昨季のゴールも５月28日（アウェイ東京Ｖ戦）が最後だった。「４月は小学校の入学式があるし、早いうちに家族にゴールをプレゼントしたいですね」。パパのゴールが、長男にとって最高の「入学祝い」になるはずだ。

以上

★【J2日記】のバックナンバーはこちら

2010.03.26 Reported by 伊藤寿学