3月21日(日) 2010 J2リーグ戦 第3節
柏 1 - 0 福岡 (13:04/柏/7,115人)
得点者:81' 工藤壮人(柏)
スカパー!再放送 Ch185 3/23(火)08:00〜(解説:野々村芳和、実況:野村明弘、リポーター:小野寺志保)
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開幕前評判の高い柏と、開幕から2試合連続3ゴールを挙げた福岡の対戦であったにもかかわらず、シュート数は柏が7本、福岡が9本と一桁に終わり、90分を通じて決定的な場面は双方ともほとんど生み出せず。ただし拙攻を繰り返したというよりは、守備力の高い両者ゆえ、対戦相手の攻撃を見事に封じ込んだと言うべきだろう。
柏は従来の4−4−2からシステムを4−2−3−1へ変え、レアンドロ・ドミンゲスをトップ下に置き、フランサ欠場による攻撃力低下を補う策に出た。レアンドロ・ドミンゲスは福岡の最終ラインとボランチとの間のわずかなスペースに顔を出しては味方からボールを引き出し、巧みなターン、ボールコントロールの妙技で攻撃の起点を作った。
しかし、開幕戦と2戦目でも見せた、中盤と最終ラインで形成する福岡のバランスの崩れない守備ブロックはこの日も健在だった。DF丹羽大輝を中心とした守備組織はペナルティエリア付近ではしっかりと中央に絞り、ボールをキープされても柏攻撃陣に危険地帯でのプレーを許さない。前半の柏のチャンスといえば、19分と27分に訪れたレアンドロ・ドミンゲスの2本のシュートのみ。
むしろ、もっともゴールに近づいた場面を作り出したのは福岡である。パスをつないでポゼッションを高めようとする柏に対し、福岡はボールを奪った後、素早く前線に送りカウンターを仕掛ける。10分、右サイドのスペースでボールを受けたMF永里源気が、見事なワンタッチコントロールでマーカーを振り切ると、手薄な柏ゴール前へ低い弾道のピンポイントクロス。柏DFの間へMF田中佑昌が猛然と飛び込んでダイレクトで合わせたが、GK菅野孝憲がファインセーブで辛くも食い止めた。
後半に入り、柏はMF菅沼実に代えてFW林陵平をピッチに送り、レアンドロ・ドミンゲスを中盤に下げて4−4−2に戻した。「中盤でもっとボールを回し、相手のボランチの裏のスペースを有効に使いたい」(ネルシーニョ監督)という意図があったが、それでも福岡の守備は綻びを見せなかった。
一方、ここ2戦は縦に入るクサビのパスで攻撃のスイッチがオンになり、連動した展開から2戦連続3ゴールの福岡も、柏のパク・ドンヒョク、近藤直也の両センターバックにクサビのボールを跳ね返され、サイド攻撃に関しても出場停止の明けた小林祐三が最終ラインに入ったことで、カウンターとセットプレーを除き、攻め切れないといった展開が続いた。
0−0の緊迫感が続く試合の行方を決定づけたのはひとつのミスだった。81分、中盤でのこぼれ球を田中がGK六反勇治へバックパス。だがこのパスを読み、ボールが出る瞬間にアクションを起こしていたのが76分に北嶋に代わって出場したFW工藤壮人である。「なかなか公式戦、練習試合と結果が出ていなくてFWとして情けない試合をしていた」と悔しさを募らせ、貪欲な姿勢でゴールを欲していたこの若きストライカーは、狙い通りこのパスを奪い、GKとの1対1の場面でも慌てることなく右足でゴールへと流し込んで値千金の先制弾を挙げた。
福岡もその3分後の84分にはビッグチャンスを掴む。強風に煽られたボールの落下地点の目測を近藤が誤り、その処理が軽率になったところを吉原正人が身を投げ出して奪い取ると、GKとの1対1でシュートまで持ち込んだ。柏にとってはヒヤリとした場面、福岡にとってはまたとない同点のチャンスだった。だが、ここは菅野のシュートブロックが上回りゴールを割らせず、1−0のスコアは動かなかった。
「守備の部分ではほとんど崩れたところはなかったので、続けてやっていくだけです。決定的なチャンスを決めていればうちのゲームだと思うので」。そう話す丹羽の表情には、敗れたとはいえ自信すら感じさせた。たしかに福岡は連勝が止まったが、守備に関する手応えは十分に掴んだはず。今後も上位争いを賑わせてくれそうな気配である。
そして柏は、開幕戦から度々見られるカウンターを招くミスさえ無くせば、2戦連続3ゴールの福岡を完封した守備陣には計算が立つ。「良い課題も見つかりました。まだまだ内容も改善しないといけません」(大谷秀和)の「課題」とは、やはり決定力になるだろうか。フランサを欠く今、レアンドロ・ドミンゲスのチームへのさらなるフィット、大津祐樹の次節以降の復帰が待たれる。
以上
2010.03.22 Reported by 鈴木潤
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