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【J2:第3節 北九州 vs 東京V】レポート:逆境をプラスに変えた北九州がJ初勝利!東京Vは数的優位ながら最後まで決定力を欠いた。(10.03.22)

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3月21日(日) 2010 J2リーグ戦 第3節
北九州 1 - 0 東京V (16:01/本城/3,205人)
得点者:10' 関光博(北九州)
スカパー!再放送 Ch183 3/22(月)20:00〜(解説:小野信義、実況:石田一洋、リポーター:麻倉ももこ)
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主審が掲げようとしていたカードは黄色ではなかった。その手に真っ赤なカードが見えた時、浮ついていたスタジアムも、先制点に上気していた筆者の心も一気に冷めた。前戦からの効果的なプレスで北九州の時間を作っていた大島康明が一発退場。ただ、この赤色のカードを見た選手たちは、むしろ“醒めた”ようだった。「大島の分も頑張らなくては」という思いが選手たちを一つにした。

北九州はこの試合、フォーメーションを大幅に入れ替えた。前節が終わった段階では組み替えをしないとしていた与那城ジョージ監督だったが、中盤でのゲーム運びを盤石にするため布陣を変更。前節まではトップ下にいた佐野裕哉を下げ、ダイヤモンド型だったMFをフラットに並べた。調子が上向いていた村松潤を先発起用して左SHに充て、関光博を右SHに移動。また右SBの河端和哉を重光貴葵に替えた。今週の練習途中から試したいわば急造布陣で本当に戦えるのかと不安にもなったが、ふたを開けてみると佐野は違和感なくフィット。重光のプレーにも積極性があり、前節までの陣形よりもむしろ安定感があった。

先制点は10分。右からの佐野のコーナーキックを東京Vがクリアするものの、クリアが弱く関にボールが渡る。「選手がゴール前にたくさんいたが、空いているコースにうまく蹴ることができた」と話すとおり、関はわずかな隙を突いてゴール右隅に蹴り込む。北九州が3戦目にして初めてリードを奪った。

東京Vは前半、多くの時間帯で中盤を支配。ボールを回してチャンスメークを図ろうとするが、前節に引き続いて中盤から先がなかなか繋がらない。井上平が右サイドから低いクロスを上げて河野広貴の足元を狙ったのがチャンスらしいチャンスで、他はことごとく北九州DFにはじき返された。

流れが変わったのが39分。GKからのフィードを受けようとしてジャンプした大島康明と土屋征夫が接触。大島の腕が土屋の顔に覆い被さるようになったこのプレーで、大島にレッドカードが出される。
北九州は中嶋雄大をワントップとし、積極的に攻めるよりも、1点を守り抜く作戦に転換する。数的優位に立った東京Vは何度もゴールを脅かすようになり、前半終了間際にも菊岡拓朗と平本一樹が枠を捉えるシュートを放つ。いずれもGK水原大樹の好セーブに阻まれるが、東京Vが一気に流れに乗った。

後半も東京Vは攻め続け、柴崎晃誠や交替出場の高木善朗が何度もゴールに迫る。後半開始早々の柴崎晃のシュートはわずかに右外、その後の菊岡のシュートはクロスバーをかすめるなど、いつ得点が入ってもおかしくないほど一辺倒の攻め。しかし打てども打てども入らない。防戦一方の北九州だったが冨士祐樹や川鍋良祐が体を張ってシュートコースを阻んだため、東京Vはゴールに肉薄しながらゴールが見える位置でなかなか打てなかった。川勝良一監督が試合後「最後のボックスに入るときのアイデアやひらめき、落ち着きとかは今はちょっと我慢するしかない」と話したとおり、ボールを持った選手が左右に散らすことをしないまま真っ正直にゴールへ蹴るだけになってしまった。

北九州はワントップ以外全員が下がって守備に徹した。長野聡が「回されているというより回させているという感覚で守れた」と言うように、外から見ていても守りっぱなしの北九州がゲームを主導しているような錯覚さえ覚えた。東京Vは後半だけでも北九州の2本を大きく上回る12本のシュートを放ったが、一度もゴールネットを揺らせないままホイッスル。北九州が1点を守りきって、Jリーグ初勝利を挙げた。

ホームでの勝利に北九州の選手たちには喜びや安堵の表情が浮かんでいた。地元出身の重光貴葵は「夢の舞台に立てたことを誇りに思う。いいデビュー戦になり、みんなに感謝したい」と話した。与那城監督は「(退場の)大島のためにも、とにかくみんなでがんばる。(無失点で)守り切れたというのは、チームとしての成長も感じるし、選手同士の絆も感じる」と話し、不測の事態でもチームが一つになれたことが勝利に繋がったとした。

前節までの北九州は、ラインを高くして前のめりに攻めたときに裏を取られて失点してきた。先制点を許したために前のめりにならざるを得なかったのだが、今節は先制点を早い時間に奪えたことで、リスクを冒してラインを高く保持する必要がなくなった。引き気味のディフェンスがJ2でもある程度通用することも分かり、先制して守り抜くという戦い方も一つのオプションになっただろう。

東京Vは決定力を最後まで欠いた。前半は中盤のパス回しから先が繋がらず、後半は引き気味になっている相手を崩すことができなかった。ボールを回すだけでは簡単には相手DFラインは崩れない。速いパスやサイドチェンジをしながら、また時にはあっと驚くような展開をして、揺さぶりをかけていきたい。
人数をかけて攻めていながらセカンドボールを拾えなかったのも、攻撃にリズムが生まれなかった原因のひとつと言えよう。
菊岡拓朗は「情けない試合をしてしまった」と反省しきり。川勝監督は「チームとしては今日みたいなゲームを成長の糧にできるようにしていきたい」と前を向いていた。

以上

2010.03.22 Reported by 上田真之介
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