3月20日(土) 2010 J1リーグ戦 第3節
清水 1 - 0 神戸 (13:04/アウスタ/15,367人)
得点者:82' ボスナー(清水)
スカパー!再放送 Ch185 3/22(月)05:00〜(解説:澤登正朗、実況:田中雄介、リポーター:真鍋摩緒)
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試合内容という意味では、意図したサッカーができたのはどちらかと問われれば、明らかに神戸のほうだった。
この試合で神戸が意図したことは、バランス良く守備組織を整えたうえで、前から積極的にプレッシャーをかけ、ボールを奪ったら素早いショートカウンターでゴールを奪うという、今季目指している通りの戦い方。また、清水がヨンセンにロングボールを蹴ってきた場合には、そこで粘り強く競り合い、こぼれ球を拾うということだった。
それに対して清水は、相手の前からのプレスにひるむことなく、カウンターを恐れることなく、きっちりパスをつないで攻撃をビルドアップしていくことを目指していた。だが、それが思うようにできなかった。立ち上がりは、ある程度セーフティー志向でロングボールが多くなるのはよくあることだが、時間が経ってもその状況が変わらない。ヨンセンに当てたセカンドボールもあまり拾えないため、攻撃が継続する時間が短く、攻めのリズムが上がってこなかった。
逆に神戸は、コンパクトな守備のブロックを作り、前線への縦パスを封じると同時に、清水のアンカー・本田拓也のところにも厳しくプレスをかけていく。そのため清水は、なかなかボールを前に運ぶことができず、中盤にボールをつけてもまた後ろに戻すしかないという状況が多くなる。そして最終的には、縦に長いボールを蹴って神戸にボールを渡してしまうというパターンを繰り返した。
ボールを触る回数・時間が少ないため、前線や中盤の選手もボールタッチの調子が上がらず、ミスが多くなる。ミスが増えれば、余計にカウンターが恐くなって、後ろの選手は思いきりの良いパスを入れられなくなってしまう。エースの岡崎慎司をケガで欠いた清水は、まさに悪循環に陥り、神戸のDFラインを下げさせることも、守備ブロックに隙間を空けることもできなかった。
神戸の攻撃では、予想以上に早く先発復帰した大久保嘉人はまだ本調子とは言えず、90分間フル出場はしたがシュートは0本。代わりに相棒の茂木弘人が、前半41分にサイド攻撃から、後半9分には高い位置でのボール奪取から決定的なシュートを放ったが、どちらも清水の土壇場での好守に阻まれ、チャンスを生かしきれない。
一方、清水のほうは、後半は右サイドを中心に多少攻撃が改善され、押しこむ時間も少しずつ増えてきたが、神戸ほどの惜しい形を作ることができず、苦しい展開のまま残り時間が少なくなっていった。
そんな中で救世主となったのが、岩下敬輔の負傷により後半3分から出場したエディ・ボスナーだった。後半37分に得た距離のあるFK、小野伸二や藤本淳吾が直接狙うには遠すぎるが、ボスナーのパワーがあれば狙えるということで、自ら志願してこのボールをキック。低い弾道で壁の隙間をすり抜けた強烈なシュートは、ゴール前で大きくブレてGK榎本達也の手を弾き、見事にゴールネットを揺らした。
そして、この貴重な1点を最後まで守りきった清水が、1-0で神戸を退けホーム2連勝。気づいてみれば、得失点差で広島、鹿島を抑え、現時点での首位に立っていた。
「試合内容からすれば、負けてもおかしくなかったゲーム。神戸にとっては非常にアンラッキーだったと思うが、エスパルスにとっては本当にラッキーなゲームだった」という長谷川監督のコメントも、謙遜ではなく心からの言葉だった。だが、優勝争いを勝ち抜いていくには、このような勝ち方も必要になる。その意味でも、本当に大きな価値のある1勝だった。
また、交代で入った選手がよく点を取っていることも、昨年までの清水には見られなかった部分。たしかに今の清水には、運気の良さが感じられる。ただ、そのツキを生かしながらサッカーの質を高めていけるかどうかは、運ではなく自分たちの力にかかっている。
以上
2010.03.21 Reported by 前島芳雄
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