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スカパー!生中継 Ch184 15:50〜(解説:小野信義、実況:石田一洋 、リポーター:麻倉ももこ)
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勝点が何より欲しいチーム同士、そして目下チーム作りの真っ直中にあるチーム同士が激突する。北九州は前節、1点差に追いすがりながらもロスタイムに追加点を入れられ敗戦。第1節に試合がなく事実上の“開幕戦”となった前節の東京Vも、先制しながら熊本の反撃を許して逆転負けを喫した。勝点を得るチャンスがありながら逃してしまった両チーム。今節は勝点をめぐる熱い戦いが見られそうだ。
北九州は与那城ジョージ監督が「チャンスを作れていない」と振り返るとおり、2戦を終えてなお決定的な得点シーンを作れていない。高いライン、中盤での速いボール回し、効果的な縦へのパスといった与那城監督が指導してきたサッカーも少しずつ出始めているが、勝利は遠い。
ラインを高くすることで裏を取られる場面が目立つ。長野聡を中心にDFが声を掛け合ってラインを保ったり、下がるべきタイミングの見分けを図っているが、まだ不安は残る。それでも川鍋良祐は「ラインを高くしないと良い攻撃には繋がらない」と話し、リスクを負ってでも前のめりな姿勢が大事だとしている。冨士祐樹は「オフサイドのアピールで足が止まった。アピールしながらも下がっていかないと」と話す。JFLでは通用していたことが、Jリーグでは通用しないという現実がある。ラインディフェンスに固執せず、確実にボールを奪いに行くことも失点を抑制するポイントになるだろう。
攻撃面では中盤のボール回しから先が繋がらない。右サイドのウェリントンやトップ下の佐野裕哉が下がらざるを得ない場面が多く、FWが孤立気味。前節唯一の得点シーンは佐野の大きめの縦パスに中嶋雄大が反応したものだが、相手ディフェンスを完全に崩しての得点とは言えなかった。与那城監督は「攻撃に入るときに人数をかけたい」と話しており、攻撃に厚みを持たせたい。サッカーが中央に偏っているのも課題で、サイドを起点にした攻撃も必要。両サイドバックの攻撃参加も不可欠だ。
北九州は先発メンバーの入れ替えはしない模様だが、試合展開によっては布陣を大きく組み替える可能性がある。前節でも後半はFWの池元友樹、長谷川太郎、宮川大輔を相次いで投入し攻撃的な布陣とした。また、右サイドバックの重光貴葵、ボランチや右サイドを得意とする日高智樹も上り調子。重光は冨士と並んでオーバーラップが魅力。攻撃的な布陣には必要な選手だと言える。重光、日高ともに「準備できている」と話しており、起用法も楽しみ。
一方の東京Vも高いラインを保って前がかりに攻撃したい。前節では1−0とリードしながら、相次いで失点。硬さがあったとはいえ、自分たちのペースに引き込むことができなかった。中盤ではボールを回せていても決定機までは作れていないのは、北九州にも似る。それでも前節立ち上がりは川勝良一監督が「少し裏を意識した」と言うように、井上平の飛び出しが相手ゴールを脅かしていた。今節もラインの高い北九州DFの裏を取っていくことで十分に得点チャンスはある。
パスの精度を高めたり、河野広貴のスピードも活かして、早い段階でリズムを掴むことができれば、自分たちに流れを引き寄せられよう。今節もメンバーの入れ替えは行わず、自分たちのサッカーを徹底していくだろう。
ところで、北九州の監督やコーチは全員が、東京Vの前身・読売クラブに籍を置いていた。「特に意識はしていないです」と話す与那城監督は長年、読売クラブでプレー。千疋美徳ヘッドコーチも同クラブ出身だ。今季就任の藤吉信次コーチも同クラブに入り、ヴェルディ川崎の選手として「Jリーガー」デビュー。選手にも東京V出身は多く、GK水原大樹やDF重光貴葵も東京Vに在籍経験がある。北九州にとっては東京Vは縁の深い相手といえよう。
奇しくも勝点0というチーム状況や、高いライン取りとパスサッカーというプレースタイルが似る両チーム。北九州の首脳や主力選手が東京V出身とあっては否が応でも気合いが入るというもの。「監督に勝利をプレゼントしたい」(冨士)と話す北九州イレブンが勝利できるのか、東京Vが意地を見せるのか。まさに『因縁』の対決に目が離せない。
以上
2010.03.20 Reported by 上田真之介