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スカパー!生中継 Ch183 12:50〜(解説:鈴木淳、実況:篠田和之 、リポーター:萬代裕子)
顔写真クイズ | 皆の投稿で作るスタジアム情報
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ホーム開幕戦で強豪・柏レイソルをゼロに封じ込め勝点1を奪った栃木SCと、アビスパ福岡を迎えたホーム開幕戦で0−3と完敗したコンサドーレ札幌が、今季初勝利を懸けて栃木県グリーンスタジアムで激突する。昨季は対札幌戦で3連敗を喫しただけに、古巣を相手に岡田佑樹は「今度こそ勝たなければいけない」と意気込む。
「あの試合があったからこそ今度の試合が取れた、と言えるようにしたい」(松田浩監督)
あの試合とは、水曜日に行われたFC東京とのトレーニングマッチを指す。「酷かった」と岡田が振り返るように、栃木は柏戦のスタメンがほぼピッチに並んだものの、開始5分で立て続けに2点を失った(最終スコアは1−3)。問題点は火を見るよりも明らかで、試合の入り方にあった。前線からのプレスと揺さぶりに苦しんだとはいえ、局地戦で柏を圧倒した激しさと集中力に欠けた。つまり、「コミットメント(懸ける気持ち)」が発揮できなかった。「(柏戦から)中2日で同じメンタルが出せなかった」と松田監督が厳しい口調で話したように、主力組に恐れていた慢心が出てしまった。
3点を取られ、実りのないトレーニングマッチとなってしまったが、「いい薬」になったのも事実だ。F東京戦を挟まずに札幌戦に臨んでいたら、厳しい結果を突き付けられた可能性が高かったことを考えれば、ガツンと目が覚めるきつい一発をもらえたことを、むしろポジティブに捉えたい。開幕戦から安定したパフォーマンスを披露し、チームに安心感を与えているGK武田博行は、「引き締めてかからないと、立ち上がりの5分で失点する。声を出して盛り上げたい」と、試合の入り口で痛い目に合わないように最後尾から注意を促すつもりだ。
組織的な守備が機能し、無失点に抑えた上で求められるのが得点だ。木曜日の紅白戦では岡田が、金曜日の戦術トレーニングではリカルド・ロボが、カウンターからゴールを決めている。数こそそれほど多くはないが、カウンターが繰り出された時には、以前よりも切れ味がシャープになりつつあるのが見て取れるし、確実にゴールまで辿り着けるようになっている。また、「チーム全体として前でプレーできるようになっている」とロボが言うように、高い位置でのボール奪取の頻度も増している。指揮官は言う。「柏戦よりも高い位置でボールを奪い、勝つためにチャンスを増やす」。よりアグレッシブな守備から一撃必殺のカウンターで、オウンゴールを除いた今季初得点を狙う。
大敗後に奮い立つのか、それともずるずると引きずるのか。J1昇格へ向けて札幌はスタートダッシュの遅れを、そろそろ取り戻さなくてはならないだろう。これ以上の出遅れは、試合数の減少を考えれば致命傷になりかねない。キリノ、近藤祐介、内村圭宏と有能なアタッカー陣を揃えながら、F東京戦での栃木がそうだったように、福岡に開始3分で先制を許したことが札幌の歯車を狂わせた。藤田征也を筆頭に中盤の4枚は年若く、メリットとデメリットを併せ持つ。前節は若さが災いした。ビハインドの状況に焦りが生じ、リズムを取り戻せなかった。だが、勢いに乗れば恐れ知らずのプレーで躍動するポテンシャルは持っている。若さを殺さないように、守備の安定を図るために、ベテランを起用するなど、石崎信弘監督はテコ入れを行うかもしれない。勝利を得るために、どのようなメンバーを組んでくるのか注目だ。
金曜日のトレーニング終了後、報道陣の囲み取材に応じた松田監督は、「好きな言葉」として以下の言葉を挙げた。「ハードワークをシェアすることで、最後に喜びをシェアする」。ファン・サポーター、現場、フロントが三位一体となることで、ハードワークを共有することで最後に喜びを分かち合いたいと、いつも試合前に思っているそうだ。最早チームのフィロソフィーとなっている「一枚岩」に通じる考え方だ。昨季を上回るハイペースで勝点1を得られた。次に欲しいのは、勝点3。それだけだ。栃木に関わる全ての人の力を結集し、本気で勝ち星を取りに行く。
以上
2010.03.20 Reported by 大塚秀毅