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【J1:第2節 神戸 vs 広島】レポート:試合の入り方に問題を抱えた神戸。後半の反撃も実らず、広島に今季初勝利を許す。(10.03.15)

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3月14日(日) 2010 J1リーグ戦 第2節
神戸 1 - 2 広島 (16:04/ホームズ/9,133人)
得点者:21' 中島浩司(広島)、53' 高萩洋次郎(広島)、69' 大久保嘉人(神戸)
スカパー!再放送 Ch185 3/15(月)19:00〜(解説:山野孝義、実況:三宅きみひと、リポーター:林智美)
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試合後、会見場に現れた神戸・三浦俊也監督は、淡々とした言葉の中に静かな怒気を込めていた。
「開幕戦以上にアグレッシブな闘いを求めたのに、前半はそれが全くできていない。相手に合わせたサッカーになってしまい、まるでアウェイのようだった」。
三浦監督の言葉どおり、立ち上がりの神戸はどこかフワッと入ってしまった。その雰囲気のまま、自ら主導権を握ることなく悪い意味での「リアクション」になってしまっていた。それでも我慢し続ければ流れは変わるものだが、21分、三浦監督の怒りをさらに買うプレーが出てしまう。
神戸陣内右サイドからのFK。キッカーの森崎浩は「ゴール前ではなく、あえてやや後ろ気味にボールを入れた。(中島)浩司さんを狙ったというより、あのあたりに入れれば誰かがいる、という感覚だった」と言う。狙い通りのスペースに入った鋭く速いボールは、そこにいた中島浩司の頭にピタリ。だが、神戸にとってここで痛恨のミスが出る。槙野智章ら他の選手たちの動きに引っ張られてしまったのか、中島を完全にフリーにしてしまったのだ。余裕を持ってヘッドでゴールを狙ったボールは、ポストに当たってゴールの中に飛び込んだ。
「あれだけセットプレーの練習をしたのに、ああいうミスが起きたことは問題。相手が6枚、(ペナルティエリアの中に)入っていたのに、ウチは5枚しかマークしていなかった。こういうオーガナイズのミスは許されない」と三浦監督は嘆く。また守備のリーダー=北本久仁衛も「練習していたセットプレーで失点してしまったのは、非常に悔やまれる」とコメントした。総得点の30〜40%がセットプレーから生まれると言われているし、いいボールが危険な地域に入ってくれば失点を完璧に防ぐことも難しい。しかし、この失点は守備側の単純なミスから生まれたものだけに、指揮官にとってはなんとも許しがたい。

実際、この失点によって試合の流れは大きく決まってしまった。
攻撃的なサッカーを披露する広島だが、彼らの攻守の原則はシンプルに「人数をかける」こと。ストヤノフ・槙野智章・森脇良太らDF陣がゴール前に出没する一方で、守備になると全員が自陣に戻って身体を張る。したがって、少しでも攻撃が遅くなれば、広島陣内に自由なスペースはなくなってしまう。
今季の広島は負傷者続出、キャンプで主力がそろったプレーを続けることができないため、まだ本来の創造的な開放感のあるサッカーを見せることは難しい状況にある。しかし、それでも守備の原則は全員に浸透しており、ACLでも対清水でもセットプレーによる失点しか喫していない。広島から流れの中での遅攻でゴールするのは難しいことは明らかだ。
故に、対広島戦でのゲームプランは、しっかりと我慢してセットプレー等から先制点をあげ、彼らが攻撃に人数をかけてきたところをカウンターで追加点を狙うという「サッカーの原則」をやり続けること。それをわかりすぎるほど理解していただけに、自らのミスから先制点を許した指揮官の失望は大きい。

後半、大久保嘉人を投入し勝負を賭けた神戸だったが、ペースは広島のまま。53分、「試合の流れを変えられる選手」と北本が警戒していたストヤノフから、精度の高いボールが服部公太にピタリ。「(公太さんは)いつも見てくれているから、(それを信じて)あえて前に飛び込まないようにした」とペナルティエリア付近で待っていた高萩に対しピンポイントのクロスが供給された。そのボールをダイレクトで柔らかく合わせた難易度の非常に高い高萩のボレーシュートがゴールネットを揺らし、結果的にこのゴールが決勝点となった。

69分にPKで1点差に迫った後は、神戸のアグレッシブな姿勢が目立ち、広島を守勢に追い込んだ。しかし、ストヤノフと森崎和幸を中心に守る広島の堅陣を崩せず。終盤にはボッティが退場、さらに永井謙佑が鼻から出血したためピッチ外に出ざるをえなくなるなど、切り札として投入した二人にアクシデントが襲ったことも、神戸にとっては響いた。

公式戦4試合目で初勝利をつかんだ広島にも、失点を喫した後の試合運びなどを含め、もちろん課題は多い。しかし、「今日の試合で大切なのは3ポイントをとることだった」と森?和が言うように、1週間で3試合目・アウェイの連続という非常に厳しい状況で手にした勝利は、疲弊した心身への最高の治療薬だ。今後も厳しい日程は続き、高萩の怪我も気になるところだが、山崎雅人や桑田慎一朗が復帰間近と戦力的にも明るい兆しがある。試合後、「本当に疲れた」とため息をついた森崎和だが、その表情には満面の笑顔が浮かんでいた。

以上

2010.03.15 Reported by 中野和也
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