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【J2:第2節 甲府 vs 水戸】レポート:良くも悪くも昨年並みの甲府が半分復活。水戸は大卒新人が大きな収穫を手にした(10.03.14)

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3月13日(土) 2010 J2リーグ戦 第2節
甲府 1 - 1 水戸 (16:04/小瀬/12,381人)
得点者:67' 小池純輝(水戸)、70' マラニョン(甲府)
スカパー!再放送 Ch185 3/15(月)15:00〜(解説:外池大亮、実況:前田真宏、リポーター:横内洋樹)
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J1昇格を今シーズンの目標に掲げる水戸。そう聞いて「無理、無理」と言う人は多いだろう。しかし、大切なことはチャレンジする気持ち。吉原は「口にしたい言葉だった」と昇格について話す。
「水戸のほとんどの選手にとってJ1昇格は未知の世界。多くの人に『難しい』と思われるだろうけれど、チャレンジをしないと成長できない(吉原)」
その水戸にとって1−1の引き分けは悪い試合ではなかった。試合後に整列したときに負けたかのような雰囲気で並ぶ甲府の選手に対して、水戸の選手は笑顔さえ見せて右手でチームメイトとタッチしていた。吉原は「第2節で甲府とアウェイで戦えたことは大きい。ウチは大卒新人が多いから、甲府の個人能力の高さに触れることが出来たことは財産になったはず。その試合で引き分けることも出来た」と言った。今年のJ2リーグでトップクラスの個がそろっていると称される甲府の選手との凌ぎ合いを一度経験していれば、その後の戦いで大きく戸惑うことはないだろうし、そのイメージを失わずに取り組めば成長の方向性も間違わないということだ。

吉原からそう見られている甲府はキャンプを通じて壮大な実験を繰り返して4−4−2でスタートすることを断念した。開幕の1週間前に昨年までの4−3−3に戻している。第1節の福岡戦から4人を入れ替えてほぼ昨年の選手という先発で水戸戦に臨んだ。4−3−3に慣れ親しんだ選手が中心になったことで前半は一方的に試合を支配することが出来た。ただ、相手ゴール前では勝負できないことが多かったし、コンビネーションもいまひとつふたつ。スルーをすれば後ろの選手は反応できないし、ヒールパスは自己満足のワンマンショーだし、ワンタッチのパスはタイミングも精度も不足。ASローマのフランチェスコ・トッティがヒールで落としたり、フリックで流したりするパスがつながるのはトッティがそれをやることをチームメイトも練習を通じて知っているからだし、トッティもチームメイトが知っていることを知っているから。相手DFよりトッティを知っているからコンビネーションによる突破が成立することがある。甲府はもっとコンビネーションを高めなければ流れの中でゴール前を崩すことは難しい。いくつかのパターンを約束事として密かに決めておくもの。マラニョンがシュートをなかなか打たないことを知っていても、パウリーニョがどんなプレーをするのかは十分に知らないだろうし、パウリーニョもチームメイトの特徴を十分に把握していないだろう。

前半の甲府のシュートが10本なのに対して水戸は0本。16分に白谷建人に入ったクロスを競り合った内山俊彦がクリアした場面以外では水戸にゴールの匂いはなかった。あったのはこのままゴールが決まらなければ水戸に流れが来るかもしれないという不安の匂いだけ。そして、0−0で迎えた後半になると風向きは変わった。去年までの甲府ならもう少し主導権を握っていられたが、水戸はボールへの食いつき方を変えて甲府の良さを消してきた。ファーストディフェンダーと後ろのカバーのバランスが整えば、食いつかせてかわすコンビネーションがない甲府は足元パスが増えてノッキングする。そして、67分に吉原のシュートがバーで跳ね返り、途中出場の小池純輝がそれを左足で蹴り込んで水戸が先制。水戸が先制すれば甲府は焦ってもっと崩れるかと思った。しかし、昨年の経験を生かした選手がいた。キャプテンの山本英臣がその人で、1分後にロングパスをパウリーニョに通してPKを奪い取った。それをマラニョンが決めたのは3分後だが、失点の1分後にPKを奪うパスを出した山本と反応したパウリーニョは素晴らしい。

ただ、素晴らしかったのはそこまでで、12,381人の観客が入ったホーム小瀬が大きく沸いたにもかかわらず甲府は追加点を奪うことが出来なかった。金信泳のシュートがバーに当たった場面もあったが、ロスタイムには吉原といいコンビネーションを作っていた小池が入れたクロスを片山真人がシュートし、バーに当たってそのままゴールインしそうな場面を作られた。GKの荻晃太がよく反応して抑えたが、入っていれば多くの観客が席を立ったであろう雰囲気のシュートだった。吉原の口から「前半は甲府にもそういう場面があったから、お互い様」と聞いた時は少し安心したが、やはり後半の印象のほうが強く残る。

甲府の収穫は保坂一成のアンカーが機能したことと、途中出場の金信泳と松橋優に前に向かうパワーがあったこと。チームが停滞しているときに積極性を発揮することが出来るのは良かったが、後半の途中からパウリーニョが消えてしまい前線からの守備が崩壊したことは大きな課題。先発も途中出場の選手も出場時間を通じてやるべきことが出来なければチームとして苦しい。甲府駅北口の郵便局の上にあるクレムリンにつながる導火線に点いた火は引き分けでは消えない。前半45分間の良かった部分とゴール前の課題と後半の課題を次節のアウェイ岐阜戦(3/20@長良川)にどう繫げるのか。まずは昨年並みの甲府を取り戻し、新加入選手やサブの選手をどう伸ばして活かすのかが今の甲府の生きる道。次節・岐阜戦は最初のターニングポイントになりそうだ。

以上


2010.03.14 Reported by 松尾潤
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