3月13日（土） 2010 J2リーグ戦 第2節
草津 0 - 1 愛媛　（13:05／正田スタ／4,812人）
得点者：24' 福田健二（愛媛）
スカパー！再放送 Ch183 3/15（月）20:00〜（解説：川本治、実況：梨子田友和、リポーター：木村雅子、プレーヤー解説：佐藤正美）
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ゴールが遠く感じたのは気のせいだろうか。草津は開幕戦に続いて得点を奪うことができず、愛媛相手に０−１で惜敗。試練の開幕２連敗スタートとなった。対する愛媛はPKで挙げた虎の子の１点を守り抜き今季初勝利。福田健二のJ復帰戦を白星で飾った。

開幕戦を落としたチーム同士の対戦だった。４−４−２のシステムを敷く草津は先発、控えともに前節と同じメンバーでホーム開幕戦へ臨んだ。対する愛媛は、移籍証明書の未発行で開幕戦を欠場した福田の出場が認められたことでシステムを本来の４−３−３へと戻し今ゲームを迎えた。
前半を支配したのは愛媛だった。３トップの中央でクサビ役として君臨した福田が草津の守備陣をいなしてボールをさばいていく。草津は熊林親吾が積極的にボールをもらい変化をつけたが、愛媛のゾーンを崩すまでは至らない。愛媛は３トップの下で赤井秀一、越智亮介の２枚が流動的に動き、「３＋２」で草津のラインに揺さぶりをかけていく。

愛媛は24分にPKを獲得するのだが、その伏線は10分の愛媛の攻撃にあった。３トップの右・石井謙伍がDFを引き連れて内へ入りスペースを作ると、そこへ右サイドバック関根永悟が走り込みサイドチェンジのボールを受けた。「謙伍が下がれば、そのスペースが空くのはわかっていた」（関根）。これが愛媛の狙いだった。
24分、愛媛は左サイドでこの作戦を実行する。右でゲームを作り草津の守備陣を右へ寄せるとアンカー田森大己が左サイドへ大きく展開。広く空いたスペースへ駆け上がった左サイドバック松下幸平が一気にペナルティエリアまで進み、ファウルを誘った。「がっぽりとスペースがあったので１対１で仕掛けてシュートまで持っていこうとした」（松下）。このPKを福田がきっちりと決めて愛媛が先制に成功する。

前半をシュート３本で終えた草津は後半開始からラフィーニャと山田晃平を同時投入。傾きかけた流れを戻しにかかる。ラフィーニャは47分にDFをかわしてシュートを放ち、山田は自慢のドリブルで切り込む。だが、バイタルエリアで微妙な意志の疎通が図れずに決定機を作り出すことができない。後半の草津はポゼッションこそは支配したものの「縦」へボールを入れることができずに時間が経過。渡邊一仁を入れて守備を固めた愛媛に逃げ切りを許す結果となった。

愛媛は福田が出場したことでチームが大きく変わった。福田はFWとしての仕事だけではなく、ピッチ全体に的確な指示を送り主将としての役割も遂行した。バルバリッチ監督が「福田の価値は大きなものだった」と話したように、チームに絶対的な支柱が確立された。福田の左腕に巻かれたオレンジ色のキャプテンマークはまばゆいまでに光っていた。福田のデビューによって愛媛の２０１０シーズンがスタートした。

草津は２戦連続ノーゴールで２連敗となった。連敗という結果よりも草津のサッカーができていないことが気掛かりだ。副島博志監督のもと、新たにチームを作っている段階のため時間を要するのは十分に理解できる。だが、結果が伴わないことで自信が失われていくことだけは避けなければいけない。今やるべきことは、選手たちがゴールのイメージを共有すること。「下を向かずにチームとしての基盤をしっかりと築き上げるしかない」（松下裕樹）。この試練から逃げずに立ち向かうことがゴール、そして勝利への近道となる。

以上


2010.03.14 Reported by 伊藤寿学