3月13日(土) 2010 J2リーグ戦 第2節
札幌 0 - 3 福岡 (16:04/札幌ド/21,071人)
得点者:3' 丹羽大輝(福岡)、22' 大久保哲哉(福岡)、50' 永里源気(福岡)
スカパー!再放送 Ch183 3/15(月)22:30〜(解説:木島敦、実況:宮永真幸、リポーター:藤井孝太郎、プレーヤー解説:大森健作)
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開始3分、試合はいきなり動いた。末吉隼也が蹴った左コーナーキックを、ファーサイドに回り込んだ大久保哲哉が折り返すと、中央にいた丹羽大輝が頭で押し込んだ。アウェイの福岡があっさりと先制点を奪ってみせたのだ。
「あの失点が痛かった」とは札幌のGK高原寿康。今季の札幌は開幕前の練習試合、プレシーズンマッチでもセットプレーでの失点が多かったし、開幕戦でも相手の素早いリスタートから失点している。昨季もリスタートからの失点は目についたが、ホーム開幕戦の開始早々に課題であるセットプレーからゴールを割られてしまったとなると、どうしてもリズムは悪くなってしまう。
そして、リズムを悪くした札幌は、開始早々のビハインドをいち早く埋めたいという気持ちが先走ってしまったのか、失点後はやみくもにボールサイドに人が偏ってしまったり、ボールを持っても縦、縦と急いでしまい、完全に福岡の思うツボとなっていた。福岡は前がかりになった札幌をうまくいなし、逆に素早いカウンターで強襲。22分には左サイドバックの中島崇典のクロスを大久保が頭で合わせて追加点。前半の中頃にして、ほぼ試合の大勢を決めてしまった。
最終的には3点目も奪って完勝した福岡だったが、注視すべきは攻撃よりも守備だろう。4バックの前で末吉、中町公佑という2人の守備的MFがスクリーンを張り、バイタルエリアを開けることなく、最終ラインと一定の距離を保ち続ける。スクリーンに相手ボール保持者が近づいてくると、周囲の選手と連動してそれをサンドしボール奪取。攻撃に転じる際には余計な色気を出すことなく、至ってシンプルに敵陣のスペースへと蹴り込む。そうやってスピードのある左右MFの機動力を活かしていたのだ。「やはりいい攻撃というのは、いい守備から生まれる」とは丹羽の弁。前節の甲府戦に続いての3得点快勝となったわけだが、そのベースとなっているのは最終ラインと守備的MFとで築いた強固な守備網だったのだ。
一方で、敗れた札幌だが、こちらは福岡と対照的に守備面での課題が見て取れた。中盤には藤田征也、宮澤裕樹、上里一将、古田寛幸という才能あふれる若きアタッカーが並び、彼らのパスワークやポジションチェンジ、それからドリブル突破やスルーパスというのは大きな魅力、爆発力を秘めていることは間違いない。だが、リズム良く攻めようとするあまり前がかりになってしまったり、狭いエリアにパスを通そうとしてミスをしてしまうことも少なくない。そうして相手のカウンターを食らってしまうのだ。
福岡の守備は、まず中盤のスクリーンが相手の攻撃を覆い、それが破れた際には最終ラインがカバーに入る。だが、札幌の守備はいきなりセンターバックが相手の攻撃に晒されてしまうため、たったひとつの小さなミスでも失点に直結してしまうのだ。
では、その課題はどのように解消すべきなのだろうか。
一番手っ取り早いのは、中盤の4人のなかに、例えば芳賀博信のような守備の強い選手を入れることである。だが、守備のできる選手を入れて攻守のバランスが取れるのは当たり前のこと。個人的には4人の若いアタッカーたちが連係を深めて、彼らだけで攻守のバランスを取りながらアグレッシブな攻撃を繰り出す光景を見てみたい。だが、それにはどれだけに時間を要するのかはわからない。ここがサッカーにおけるチーム作りの難しさであり、おもしろさなのだろう。
いずれにせよ、まだ2節が終わったばかりである。札幌としては課題が露呈したわけだが、2試合続けて完勝した福岡にしても、課題が露呈していないことがひとつの不安材料にならないとも限らない。
ポジティブになったり、ときにはネガティブになりすぎてしまったり。それもまた、サッカーのひとつの楽しみ方か。次節、福岡は柏(3/21@柏)と、札幌は栃木(3/21@栃木グ)と対戦する。
以上
2010.03.14 Reported by 斉藤宏則
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