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スカパー!生中継 Ch182 12:50〜(解説:遠藤雅大、実況:関根信宏、リポーター:大竹七未)
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第1節、J1・J2全クラブ中、唯一試合のなかった東京Vにとっては、この試合が事実上のオープニングゲームとなる。組み合わせが発表された当初、「周りが開幕で盛り上がっている時に・・・」と、監督・選手・クラブスタッフからは残念がる声は多かった。しかし、キャンプから主力にケガ人が相次いだ。その選手たちが徐々に復帰し、今週になってようやく戦力が整ったことを思えば、この1週間という時間は「ウチにとってはラッキー」だと、キャプテン・富澤清太郎はじめチーム全員がプラスに捉えている。
東京Vは、ほぼベストメンバーで開幕を迎える。
先々週、先週とトップチームは2試合の練習試合を行ったが、どちらも無得点に終わっている。得点力に課題を残していたが、「監督とも話して、選手みんなでも話して、もう1回見つめ直した」(土屋征夫)。その甲斐あり、11日に行った紅白戦では、“仮想熊本”としたBチームに対し、高いDFラインを保ち、攻撃も意図する崩しからの得点を連発。土屋がかねてから言う「点が入らないのは攻撃の選手だけのせいではないし、失点も守備だけが悪いんじゃない」の言葉通り、チーム全体が得点に対する意識を高めて修正できているようだ。
現段階での仕上がりを、川勝良一監督は「70%ぐらい」と分析する。残りは、今季東京Vがとことんこだわる『足元のパス』と同じぐらい、フィニッシュにもこだわりを持てるか。飯尾一慶を筆頭に、井上平、柴崎晃誠、菊岡拓朗、河野広貴、高木俊幸、さらにはユース所属の高木善朗、小林祐希なども含め、才能あるタレントは十分揃っている。まずシュートを打つこと。そして、BOX内でいかに崩すかが川勝ヴェルディの攻撃テーマだ。
守備面では、ダブルボランチのバランスが1つの鍵を握りそうだ。「(柴崎)晃誠くんも僕も攻撃が得意だから、どうしても前に意識がいきがち。バランスを気にしながら、センターバックの2人と声を掛け合って、攻守をコントロールしたい」と、菊岡も守備意識を高めている。ただ、特に今季は、両サイドバックが平本一樹、福田健介とそれぞれ個性が強いだけに、持ち味をフルに攻撃につなげるためにも、ボランチだけにとどまらず、全員のしっかりとしたカバーが必要不可欠になる。
例え相手がどのようなサッカーをしてきても、「まず自分たちがキャンプからやってきているサッカーがどれだけ出せるかが全て」だと、川勝監督はまるで動じない。ここまでの積み上げをぶらさずに、90分間走り、戦い抜くことができるか。最大の敵は自分たちと言えそうだ。
対する熊本は、ご存知の通り、昨季途中まで東京Vの指揮を執っていた高木琢也監督が新しく率いている。チームは前節、昨季J1の千葉に後半ロスタイムで追いつく善戦。J2昇格3年目にして初めて開幕戦で勝点を奪い、雰囲気よく東京に乗り込んでくることだろう。特に、チームの手応えをつかんだ松橋章太、井畑翔太郎らFW陣は、自らの得点に意欲を燃やしているに違いない。
戦い方としては、前節はプレッシャーが早い千葉に対して、井畑をターゲットに長いボールを入れることで、ラインを下げさせる狙いが見られた。一方で、藤田俊哉が入ってからは、ボールをつないで崩すサッカーに切り替わり、流れを変えて結果的に同点へと持ち込んでいる。徹底的にパスサッカーを貫く東京Vに対し、常々「相手の嫌がることをしたい」と語っている熊本の指揮は、はたしてどちらのサッカーを頭からぶつけるか。見どころの1つだろう。いずれにしても、本職のボランチに戻った原田拓のボール捌きが熊本の鍵となりそうだ。
高木監督にとっては、昨季率いていた東京Vに対して特別な思いがあるだろう。一方で、東京Vの選手たちもまた、意識は強い。飯尾は、「去年は僕たちのために一生懸命やってくれていた。お世話になって、本当に感謝している」と語っている。成長した姿を見せることで、謝意を表したい。
ところで、東京Vにとっては開幕戦だけに、チームの初ゴールを誰が決めるかも楽しみの1つだ。最も意欲を見せるのが、河野である。昨年に引き続き、2年連続のチームファーストゴールに「絶対に決めてみせます!」と、気合十分だ。ホワイト・デーだから、というわけではないが、なんでも、菊岡とゴールパフォーマンスも計画中だとか。
「サポーターが喜んでくれるような、面白い系をやります」
こちらにもぜひ、期待したい。
以上
2010.03.13 Reported by 上岡真里江