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スカパー!生中継 Ch183 12:50〜(解説:川本治、実況:梨子田友和、リポーター:木村雅子、プレーヤー解説:佐藤正美)
勝敗予想ゲーム | 皆の投稿で作るスタジアム情報
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草津は開幕戦で徳島に0−1で敗れた。途中出場したルーキーMF山田晃平は、悔しさのあまり涙を流した。サポーターからは「泣くな、山田! 次で勝とう!」と声が飛んだ。
副島体制1年目、チームとしての完成度はまだ100%ではなく、内容的な課題も確かにあった。だが、選手は最後まで戦い抜き、サポーターは声を送り続けた。チームとサポーターが一体となって戦ったオープニングゲームは、結果を補って余りある感動を与えてくれた。ホーム開幕愛媛戦を迎える草津は、選手とサポーターがスクラムを組んで今季初勝利を目指す。
新チームの船出となった開幕戦だったが、草津のサッカーができた時間帯は少なかった。雨と風の影響があったことは否定しないがそれだけが理由ではない。相手の圧力に屈して受身に回ってしまっていた。これはテストマッチからの課題だ。「ロングボールとショートパスの使い分けができずリズムが崩れてしまった」(後藤涼)。開幕戦の独特の雰囲気に飲み込まれてロングボールは精度を欠き、松下裕樹、熊林親吾、櫻田和樹を中心としたパスサッカーはゲーム終盤まで影を潜めた。
今節のポイントは、草津が中盤を活用できるかどうかだ。昨季と比べると中盤のボールタッチが明らかに少なくなっている。クサビ役だったエース都倉賢(神戸へ移籍)の不在、DFラインのリニューアル…要因はいくつか考えられるが、中盤の復活なくして草津の躍進はありえない。副島博志監督のもと新戦術を採用し、まだ全体の歯車が噛み合わない部分があるのは止むを得ないが、本来の姿を見失っては意味がない。草津の根幹は、松下、熊林、櫻田の3選手が織り成す軽快なパスワーク。彼らが自信を持ってボールをつなげば、チームは必ず目覚める。
一方の愛媛だが開幕戦で岡山に敗れて、草津同様に黒星発進となった。昨季18点を挙げた内村圭宏という絶対的なエースが札幌へ移籍、チームの柱を失った点も草津と似ている。さらに愛媛にとっては開幕戦で残念なニュースがあった。主将でありエースストライカーである福田健二が国際移籍証明書の未発行により出場できなかったのだ。11日までは今節の出場も危ぶまれたが急きょ、選手登録が可能となり草津戦ではピッチに立つ予定だ。
草津・廣山望と習志野高時代のチームメイトだった福田は「彼は僕の良き理解者であり、良き相談役であり、最高の友人。ともに海外を渡り歩き、すべてを理解できるからこそ最高のプレーを魅せ合いたい」と対戦を待ち望んでいた。福田にとっては、愛媛のデビュー戦で親友・廣山と戦うだけに特別な思いでゲームへ挑んでくることだろう。福田の開幕欠場を聞いた廣山は「選手にとってプレー期間を奪われるのは一番の損失。1試合だけどプレー機会を失っているのでこれを小さな問題にしてはいけない。一日でも早く解決してもらって一緒に戦いたい」とエールを送っていた。草津vs愛媛の開幕2節は、廣山vs福田という見どころが加わったことで一気にヒートアップすることになる。
草津の選手たちは、開幕戦の試合前、ゴール裏を陣取るサポーターに挨拶をするとその場で円陣を組んだ。ホームを圧倒するほどのチームコールが響く中、選手、スタッフ全員が手をつないで「気合」を入れた。選手、コーチングスタッフが作る大きな円陣は今季のチームの特徴の一つ。「今年は一つでも多くの勝利をホームのサポーターに届けたい」(松下)。サポーターは円陣に直接加わることはできないが、選手とともに戦う覚悟はできている。選手たちがやるべきことはただ一つ、迷うことなく草津のサッカーを貫くだけだ。
以上
2010.03.12 Reported by 伊藤寿学