スカパー！生中継 Ch363 14:00〜（解説：金田喜稔、実況：清原正博、リポーター：石川葉子）
勝敗予想ゲーム | 皆の投稿で作るスタジアム情報
----------
実に11年ぶりとなる横浜Ｆ・マリノスvs湘南ベルマーレの『神奈川ダービー』を迎える。このゲームの最大の目玉は、出場が予想される横浜FMの中村俊輔だ。開幕戦は選手登録の関係でスタンドから見守ったが、今節から出場が可能に。８年ぶりに復帰したＪリーグでどんなプレーを披露するのか、一挙手一投足に熱視線が注がれるに違いない。
中村は３月９日の練習で、初めて主力組と合流。３対３のミニゲーム形式のトレーニングでは、中村から渡邉千真へ絶妙なミドルパスが入り、渡邉がゴールを決めるという場面があった。合流して間もないが、経験値の高い中村なら問題なさそう。湘南戦でも、渡邉とのホットラインが見られるかもしれない。
横浜FMは開幕のＦ東京戦で、「攻撃の仕掛けが早すぎる。そこのところでミスが出た」(木村和司監督)。しかし中村が出場すれば、それも改善されるはず。田中裕介は練習中の中村を見て「攻撃の時に、流れをうまくスローダウンさせてくれる。それが俊輔さんの『経験』なんだと思う」とコメント。攻撃をオーガナイズする役割も、中村には期待される。
「中村選手のためにお膳立てをするつもりはありません。おそらくたくさんの人が集まってくれるなかで、『湘南、やるじゃねえか』と思わせるような湘南らしいサッカーをしたいと思っています」
湘南の反町康治監督は、前節のモンテディオ山形戦の記者会見で、横浜FM戦に向けてそう意気込みを語った。
その山形戦では『らしさ』の一端を見せる。湘南の攻撃は、ショートカウンターからの速攻が特徴。１トップの田原豊を起点に、２列目、３列目が前線へ飛び出し、ゴールを襲う。そんなシーンが山形戦で何度も見られた。また、新加入の両ウイング、右の馬場賢治と左の新居辰基も「それぞれ持ち味を出していた」（田原）。不運なオウンゴールで失点しただけに、どちらかと言えば「勝点２を逃した」という印象を残すドローだったと言えよう。
だが当然ながら、その実力がＪ１で通用するとはまだ言い切れない。今節は個の能力の高い横浜FMが相手。押し込まれる時間帯も増えるはず。それをどう凌ぐのかが、まず問われる。そして中澤佑二がそびえ立つ相手DFの壁を、どのように崩してゴールに迫るのか。湘南が勝つために乗り越えなければいけないハードルは低くなさそうだ。
ただ、そこは反町監督の手腕の見せどころ。北京五輪代表候補だった横浜FMの田中は、反町監督のことを「緻密に研究してくるタイプ」だと警戒していた。知将の采配が、勝敗の鍵になる可能性も十分ありえる。
横浜FMで忘れていけないのは、今季新加入した右DF藤田優人の存在。昨年はＪ２東京ヴェルディに所属し、湘南との対戦経験がある。
「湘南の特徴は、自分が（横浜FMで）一番よく分かっている。どういうサッカーをしてくるかを知っているので、みんなに伝えたい」
彼が肌で感じた湘南のデータが、チームに生かされるに違いない。また、藤田にとって湘南戦は「個人的に相性がいい。結構、攻めにも行けた」とのこと。中村の凱旋ムードで沸く一戦で、藤田が大きな仕事をやってのけるかもしれない。
以上
2010.03.12 Reported by 小林智明（インサイド）
