3月6日(土) 2010 J1リーグ戦 第1節
G大阪 1 - 2 名古屋 (19:04/万博/18,105人)
得点者:14' 玉田圭司(名古屋)、21' 二川孝広(G大阪)、68' ケネディ(名古屋)
スカパー!再放送 Ch180 3/8(月)08:00〜(解説:本並健治、実況:中邨雄二、リポーター:高野純一)
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『開幕戦』への期待の高さを感じられる、18105人を集めた万博記念競技場。選手入場に合わせて、スタンドを彩ったのはホーム、ガンバ大阪のチームカラーを示す『青と黒』のパネルだった。19時キックオフということもあり寒さ厳しい中での試合となったが、それを上回る熱気がスタンドのあちこちから伝わってくる。そんなサポーターに後押しされて、前半のペースを握ったのはG大阪だった。序盤から、名古屋の1ボランチMF吉村圭司の両脇にできたスペースを効果的に使いながら、MF遠藤保仁やMF二川孝広が起点となって名古屋ゴールを襲い掛かる。14分には一瞬のスキを突かれ、『MF金崎夢生の左サイドからのクロスをファーサイドでFWケネディが頭で落とし、中央につめたFW玉田圭司が決める』といった、警戒していたはずの形でゴールをこじ開けられ、先制を許したが、それ以外の時間はほとんど、ワンサイドゲームだったと言っていい。中でも圧巻だったのは、21分に決めたスーパーミドルシュートなどキレのある動きで前線を駆け回ったMF二川孝広。時には絶妙なパスさばきで、時には自ら進入して相手のスペースを突き、再三にわたって積極的にゴールを狙う。残念ながらゴールにおさまったのは同点弾の1点だけだったが、それでも運動量を発揮しながらのハイレベルなパフォーマンスは観ている人たちを完全に惹き付け、後半への期待をより大きくさせたはずだ。
だが、更にペースを上げて追加点を奪いたいはずの後半は、逆に名古屋にペースを握られてしまう。いいように中盤を使われた前半の反省からだろう。名古屋は中盤に生まれていたスペースに対するケアを徹底し、G大阪の攻撃を徐々に手詰まりにさせていく。ストイコビッチ監督の采配も光り、64分に疲れの見え始めたMF吉村に代えてMFダニルソンが投入されると、更に中盤が安定。G大阪の攻撃の起点を徹底して弾き返し、前線にボールを入れさせない。一方で安定し守備からのカウンター攻撃では、シャドーストライカーであるMF玉田、MF金崎の2人がサイドを広く使いながら、G大阪ゴールに襲い掛かる。そんな中、68分にFWケネディに許した得点も、MF金崎に右サイドを振り切られ、カバーに入っ たG大阪のMF遠藤保仁も追いつけずに突破を許して放ったシュートが、相手DFに当たったこぼれ球をFWケネディがゴールに収めたもの。もちろん、こうした名古屋の加速はG大阪が後半に入り、個々の運動量の低下が目立ったこと。またミスが増えたことなども影響しているが、それでも後半にみせた『修正力』は、ストイコビッチ監督のもとで継続してチームを作っている名古屋選手の戦術理解度の高さを伺わせるものだった。
1-2と再度リードを許してからは、「攻撃の部分を増やしていかなければいけない(西野朗監督)」という考えからDF安田理大に代えてFW平井将生を投入。MF明神を左サイドバックに下げ、中盤をMF遠藤保仁を1ボランチにしたダイヤモンド型にするなど、『攻撃』への姿勢を強めたG大阪だったが、DF田中マルクス闘莉王とDF増川隆洋を中心にした名古屋守備陣も落ち着いて対応し、ゴールに寄せ付けない。更に残り時間が少なくなった88分にはFWチョジェジンに代えてFWドドを起用するなど、最後まで『ゴール』への姿勢を示したものの、堅く敷かれた名古屋の守備を打ち破ることはできずに1-2で試合終了。G大阪は、またしてもリーグ戦における名古屋の『壁』を乗り越えられず、05年以来の開幕黒星となった。
以上
2010.03.07 Reported by 高村美砂
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