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【J2:第1節 福岡 vs 甲府】レポート:これが新生・福岡。若い力で甲府を圧倒。幕戦を最高の形で飾る。(10.03.07)

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3月6日(土) 2010 J2リーグ戦 第1節
福岡 3 - 1 甲府 (13:04/レベスタ/7,653人)
得点者:52' 田中佑昌(福岡)、68' 田中佑昌(福岡)、85' 永里源気(福岡)、90'+4 パウリーニョ(甲府)
スカパー!再放送 Ch184 3/7(日)20:00〜(解説:サカクラゲン、実況:南鉄平、リポーター:森田みき、プレーヤー解説:中払大介)
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福岡にとってレベルファイブスタジアムで迎える開幕戦は勝たなければいけない特別な試合だった。「変わらなくてはいけない」(篠田善之監督)。そう言ってスタートさせた2010年シーズン。ここ数年、自分たちの力を発揮することなく、ただ、ただ、不完全燃焼の試合を繰り返してきた福岡にとっては待ったなしのシーズンの初戦。もう過去の過ちは繰り返さない。その気持ちをサポーターに伝えるためには、この試合に勝つしかなかった。

サポーターも待ったなしのシーズンであることは分かっていた。ピッチの上に選手が姿を見せると、大きな歓声が上がり、選手たちを鼓舞する歌声がスタジアム中にこだまする。いつもと変わらぬ熱い思い。いや、その声には、いつも以上の気持ちがこもる。
「グラウンドに出る前は緊張もあったが、サポーターの声を聞いたら、やらなければいけないという気持ちが強くなった」(末吉隼也)
「湘南にいた時はレベスタはアウェイを強く感じさせるスタジアムだと思っていたが、味方に付くと、こんなにも力強いものなのかと感じた」(中町公祐)
そして、ありったけの思いを乗せた声援を受けて力に変えて戦う福岡の選手たちは、最高の形でシーズンをスタートさせた。

試合は静かに立ちあがる。開幕戦ということもあってか、福岡にも、甲府にもやや硬さが見える。ファーストシュートは11分の甲府のパウリーニョ。やや遠い位置からった放ったシュートは、重苦しい雰囲気を変えようとするものだった。
そして程なく試合のリズムを福岡が掴んだ。その中心になったのは、今シーズンから福岡の一員になった若い力だった。中盤で積極的にボールに触ってゲームを作るのは中町公祐。その中町をサポートするのは末吉隼也。守備的能力の高さを発揮して、中盤で相手のチャンスの芽を摘んでいく。そして攻撃を活性化させたのは永里源気。スペースへ飛び出し、ドリブルで縦に仕掛け、福岡のリズムを作り出していく。

そんな福岡に対し、甲府はエンジンがかからない。昨年に見せたボールホルダーに対する激しいプレッシャーも、狭いエリアを小気味よく突破していくパスワークも影をひそめ、ボールを奪っても攻撃へのスイッチが入らない。J2屈指といわれるハーフナー・マイク、パウリーニョ、マラニョンの3人の力を生かそうとロングボール送っても、いずれも福岡の守備に阻まれて前に届かない。甲府の選手たちは何か迷っているかのようにさえ見えた。

そして0−0で迎えた後半。福岡が一気にたたみかけた。46分、50分と立て続けにチャンスを作り出した後の52分、待ち望んだ2010年の初ゴールが生まれる。中央から鋭いミドルシュートを放ったのは高橋泰。このシュートはGK萩晃太にブロックされたが、ゴール前に飛び込んだ田中佑昌が左足で蹴りこむ。その瞬間、スタジアムは大きな歓声に包まれた。
事実上の勝負を決めたのは68分に生まれたスーパーゴールだった。それは、先制点を喫したことで目が本来のリズムを刻みだし始めた時間帯に生まれた。自陣ゴール前から素早く攻撃へ切り替えた福岡は一気にピッチを駆け上がる。そして高橋から中島祟典へとボールが渡ると、中島の左足から繰り出されたアーリークロスが鮮やかな弧を描いて、中央へ走りこんだ田中の足元へぴたりと届く。そのボールをワンタッチでコントロールする田中佑昌。思いを込めて振りぬいた右足がゴールネットをとらえた。

駄目押しの3点目は85分、決めたのは永里源気。左からのCKのチャンスにファーへサイドへ回り込んでマークを外すと、最後はショートバウンドの難しいボールにスライディングで合わせた。最後はロスタイムに失点するという守備面での課題も見えたが、それでも、新生福岡を感じさせるに十分な完勝だった。
しかし、選手たちは喜びを表しながらも誰も気を緩めるものはいない。
「チームとしてプラスになる勝点3。けれど、おごらず、課題を修正して、次も同じようにチーム全員で戦いたい。喜ぶのは今日だけ。明日からまた次の試合に向けて準備したい」。そう話す丹羽大輝の言葉は、チーム全員の気持ちを代弁するものだった。

そして、福岡の完勝以上に気になったのが甲府の元気のなさだ。誰もが認めるJ1昇格争いの中心にいるチーム。しかし、この日の戦いからは、その面影を感じることさえできなかった。個々の力の高さが窺えるシーンもあったが、それがチームとしつながらない。どこに向かって、何をしようとしているのか、それぞれに迷いがあるかのように見えた。
「我々としても勝ちたかったが、この事実はきちんと受け止めなければいけない。今日を含めて、3月中の残り2試合をどう戦うかということで、36試合をデザインしたい」(内田一夫監督)
次節はホームで迎える水戸戦。後押しするサポーターの前で、本来の甲府らしい戦いを見せることが求められている。

以上

2010.03.07 Reported by 中倉一志
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