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【J1:第1節 磐田 vs 仙台】レポート:開始直後の1点をしぶとく守りきった仙台が7年ぶりのJ1勝利。開幕戦4連敗となった磐田だが、内容には手応えも。(10.03.07)

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3月6日(土) 2010 J1リーグ戦 第1節
磐田 0 - 1 仙台 (13:03/ヤマハ/10,440人)
得点者:1' 梁勇基(仙台)
スカパー!再放送 Ch183 3/8(月)08:00〜(解説:桑原隆、実況:岡村久則、リポーター:荒木麻里子)
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キックオフ直後の仙台の右スローイン。ライン際を縦に狙ったボールは、雨で濡れたピッチで滑り、新加入センターバック、イ・ガンジンのミスを誘う。それによって裏にこぼれたボールからFW中島裕希が抜け出し、深く切り込んで冷静にマイナスの折り返しを入れると、後方から勢いよく飛び込んだ梁勇基がダイレクトでシュート。これがGK八田直樹の股間を抜けて、わずか開始26秒で今季のJ1初ゴール、仙台にとっては7年ぶりのJ1でのゴールが決まった。

逆に磐田にとっては、立ち上がり早々あってはいけないミスからの失点を食らい、昨年の悪夢も一瞬頭をよぎったが、その後のプレーでは昨年よりも落ち着いたところを見せた。先制したことで堅守速攻の姿勢がより強調された仙台に対し、初めは少し慌てた面も見えたが、徐々に冷静さを取り戻して確実にボールをつなぎ、相手のカウンターに対しても、速い切り換えで対応できるようになった。いったん気持ちをリセットして、今季やろうとしているサッカーを忠実に実行することによって、磐田は徐々にペースを作っていった。
こうなると、あとはがっちりと固められた仙台の守りをいかに攻め崩すか。サイドを基点に崩していくというのはチームとしてのコンセプトだが、単純なクロスに対しては、仙台のゴール前は非常に強い。それに対して、前田遼一の復帰が間に合わず、イ・グノと荒田智之のコンビとなった2トップは高さ不足。また、イ・グノが韓国代表で離れている時間が長かったため、荒田とのコンビネーションも熟成不足。イギリス遠征から戻ったばかりでコンディション的に難しい状況だったイ・グノは、気持ちは非常に入っていたものの、やや独り善がりのプレーが目立ち、周りを生かすことはできていなかった。
そうした不利な材料がある中で、チームとしての狙いは「単純にクロスを上げてもそう簡単には入らないが、それをやり続ければ、また中央が空いてきて、細かいパスから崩せると考えていた」(柳下監督)というところ。サイドからは、球質をさまざまに変えながらしつこくクロスを入れ続け、ときおり中央からの突破を仕掛ける。22分には、ボランチの成岡翔がうまくスペースをついてドリブルで中央に切れ込みシュート。こぼれ球に詰めた荒田のシュートはわずかに右に外れたが、チームとしての狙いが徐々に形になっていった。また成岡は、高いポジションで積極的に前を向いて仕掛ける姿勢を見せ、ボランチの1枚が積極的に攻めに絡んでいくという今季の狙いを体現して見せた。

後半に入ると、磐田が押しこむ時間がより長くなる。仙台も、後半の序盤はカウンターでチャンスを何度か作ったが、時間が経つごとに低い位置でブロックを作って守る時間が長くなり、カウンターにも出られなくなっていった。そんな流れの中で、磐田は26分に08年入れ替え戦のヒーロー、松浦拓弥を投入し、さらに攻勢を強める。クロスの入れ方もさらに工夫し、26分と31分に荒田が惜しいシュートを放つが、どちらもわずかに右に外れて、なかなか決めきれない状況が続く。
また、「サイドで人数をかけすぎているので、(クロスを入れても)中に人が少なかった」(西紀寛)という課題も見えた。たとえば、中央の密集を越えるクロスを入れ、逆サイドから折り返してゴールを狙うというパターンを入れたいと思っても、ファーサイドに入っていく選手は確保できていなかった。
 逆に仙台のほうは、「攻め込まれた時間が長くなるほど守り慣れてきた」(手倉森監督)という面も見られ、ゴール前で身体を張って守り抜く粘り強さは最後まで衰えない。選手たちも「今日は外を捨てて中を固めようと話していた。本来ならもっと守備のブロックを高い位置に保ちたかったけど、今日の試合では引いて守るというのが良い選択だったと思う」(関口訓充)と割り切り、攻撃陣も含めて全員が守備に徹したことが、最初の1点を守りきる勝利につながった。
「今日みたいにしぶとくやっていれば、簡単には(J2に)落ちないと思う。そのうえで、自分たちのサッカーをもっともっとレベルアップさせていきたい」(中原貴之)というのがチーム全体に浸透する仙台の考え方。もちろん、今以上に攻撃力・得点力を上げていかなければ、長いリーグ戦では苦しくなるということも承知しているはず。次のホーム開幕戦では、そのあたりにも注目したい。

一方、開幕戦4連敗という結果に終わった磐田だが、そのダメージは昨年ほど大きなものではない。前田を欠く中で攻めあぐねる時間も多かったが、しつこいサイド攻撃で決定機も何度か作った。「チャンスまでは作れているので、大きく修正するということではなく、このまま繰り返し繰り返し続けていきたい。もちろん、最後にゴールに押し込む技術とか、(ゴール前への)入り方とか、そのあたりは課題として年間を通してやっていかなければいけない」(柳下監督)。今は、やろうとしていることを愚直なまでにやり続けるしかない。試合後のコメントでも、指揮官のそうした覚悟が感じとれた。あとは選手たちが、攻守両面で試合を決める大きな仕事をしてくれることを期待したい。

以上
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