本文へ移動

今日の試合速報

ブルーロックLP
ブルーロックLP

J’s GOALニュース

一覧へ

【J2:第1節 横浜FC vs 北九州】プレビュー:期待と不安が入り交じる開幕戦。新加入の北九州を迎え、横浜FCは「全て出し切る岸野流」の狼煙を上げたい。(10.03.07)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
3月7日(日)J2 第1節 横浜FC vs 北九州(16:00KICK OFF/ニッパ球
スカパー!生中継 Ch183 15:50〜(解説:戸塚哲也、実況:中村義昭、リポーター:三須亜希子)
勝敗予想ゲーム | 皆の投稿で作るスタジアム情報
----------

いよいよ2010年シーズンが始まる。失意の昨シーズンから大幅に改造を施し一気にジャンプアップを狙う横浜FCにとっても、念願のJリーグの初陣を飾る北九州にとっても、開幕戦に対する期待は非常に高いと言ってよいだろう。冷静に考えれば単なる36分の1の試合かもしれないが、それ以上の重みを持つのが開幕戦でもある。期待の一方で不安を抱えながらぶつかり合うこのゲームの結果は、そのままシーズン全体へ大きく影響することになる。

 今シーズンの横浜FCへの期待感、注目度はかつてなく高まっていると言ってよいだろう。様々なメディアの順位予想において昇格予備軍に位置づけられている状況である。その理由は、岸野靖之監督の招聘に始まり、大黒将志の加入に至るまでの積極的な編成によるところが大きい。その上、キャンプから植え付けてきた「全て出し切る岸野流」もチームに浸透し始めている。キャンプ当初は、旧鳥栖組と旧横浜組の適応度の差が歴然と存在していた。しかし、2月28日に行われた東京Vとの練習試合では、昨シーズンのエース難波宏明がゴールを決め、根占真伍が点に繋がるミドルシュートを放つなど、その差も開幕戦に近づくにつれ埋まりつつある。「選手がチーム内で話し合いが増えたし、共通のものを少しづつ積み上げつつある」と岸野監督が語るように、開幕に向けた準備はある程度整ったと言える。

 大きな不安は、整ったと言われる戦力がチームとして機能するかどうか。大きくはこの1点に集約される。おそらく、開幕戦のメンバーは、旧横浜組、鳥栖にゆかりのある選手、J2では上位ランクになる補強選手の3グループが、同じぐらいの割合で含まれるような構成になることが予想される。チーム始動から6週間では、完成度を高めるのは難しい。さらに、開幕戦のような状況では、うまく行かない場面が多く現れても不思議ではない。この不安を解消する方法は、6週間で培ったチームのやり方を出し切って、なおかつ勝利という結果をもぎとることしかない。シーズン中にも完成度を高め続けないといけない宿命を負った今年の横浜FCにとっては、開幕戦の勝利は至上命題と言って良い。

 北九州にとっては、Jリーグで戦うことができる喜びにあふれているに違いないが、それ以上にカテゴリが上がることによる不安が先に立つかもしれない。しかし、昨シーズンの富山の例に倣うまでもなく、まずは自らの全力をJ2にぶつけることが重要となる。北九州には、J2昇格を決めた昨シーズンの戦い方を継続できる強みがある。「コンパクトなサッカーができている」と与那城ジョージ監督が述べるように、自らのスタイルに磨きを掛けている段階にある。そして、ストロングポイントである前からのプレッシャーを効果的に繰り出して、自らがペースを握る時間を増やしていきたい。ワンボランチに控える桑原裕義が豊富な経験で守備でチームを落ち着かせながら、横浜FCの隙を窺うことができれば勝機が見えてくる。得点源となるのは今シーズンキャプテンに指名された佐野裕哉のセットプレー。長身の中嶋雄大を生かす展開に持ち込みたいところだ。

 ゲーム展開は、早い時間に先制点がもたらされるかどうかで大きく異なってくるだろう。「北九州もしっかりしたチームだと思うし、最初から(積極的に)行かないと、相手にペースを握られたらやりづらい」と高地系治が語るように、キックオフの最初のプレーから勝負どころがやって来ることは間違いがない。横浜FCがボールを持つ時間が長い展開が予想されるが、横浜FCとしては、とにかく早い時間に先制点を挙げてプレッシャーから解放される展開に持ち込みたい。後半の遅い時間までゴールを挙げられない状況が続けば、焦りからミスを誘発する可能性が出てくるからだ。裏返せば、北九州としてはそのような展開に持ち込むことが勝点3を得る大きな条件となる。

 ただ、開幕戦だけに様々なプレッシャーが掛かることは、岸野監督も想定済み。「その時には、僕らがベンチワークで試合を変えられればいいと思いますし、しつこく続けることが大事。終盤に入って北九州より先に(動きを)緩めてはいけないし、ねちっこく勝ちたい」(岸野監督)と二枚腰を見せることができれば、横浜FCにとって岸野流を身に付けるという意味でも大きな試合となるだろう。

 開幕戦の緊張感を乗り越えて勝利をすることができれば、「全て出し切る岸野流」の狼煙を上げることができる。その意味で、横浜FCにとって、この試合の勝利の持つ意味はとてつもなく大きい。北九州にとっても、J2で戦う自信を得るためには、持てる力を出しきって勝利を目指すことが大事。単なる36分の1ではない、今シーズンを占う試合が今始まる。

以上

2010.03.06 Reported by 松尾真一郎
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2024/09/09(月) 00:00 ハイライト:札幌vs横浜FM【ルヴァンカップ 準々決勝 第2戦】