12月12日(土) 第89回天皇杯準々決勝
清水 3 - 2 新潟 (13:00/アウスタ/7,905人)
得点者:11' 岡崎 慎司(清水)、15' 松下 年宏(新潟)、86' ヨンセン(清水)、88' 矢野貴章(新潟)、104' 児玉新(清水)
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清水にとっては、じつに2カ月半ぶりのJ1チームから勝利。アウスタでもほぼ1カ月半ぶりとなる勝利は、ひとつ勝つことの難しさをあらためて実感させられる1勝だった。だが、だからこそ得たものも、けっして小さくはなかった。
何としても次のラウンドに進みたいという意欲を見せる両チームは、立ち上がりから気持ちの入ったプレーを見せる。リーグ戦では調子を落としていた清水も、調子を落としていた選手のコンディションが少しずつ戻り、攻守に少しミスは多かったが、チームとしては清水らしさを取り戻しつつある姿を見せた。だが新潟のほうも、リーグ戦の最後で3試合勝てなかったが内容は悪くなく、柱であるマルシオ・リシャルデスが不在でも、新潟らしく運動量があって一体感のあるサッカーを展開。
そのうえで、両チームとも狙っているところは同じ。すなわち、まずはしっかりと守備の形を整え、できるだけ高い位置でボールを奪って、縦に速い攻撃でチャンスを作ること。そのため、相手のミスをついてカウンターを仕掛け合う場面が、必然的に前半から多くなった。
そんな中で先手をとったのは清水。11分の兵働昭弘の右CKからニアの岡崎慎司が頭できれいに決めて、清水が先制点をゲット。これは岡崎自身にとっても2カ月半ぶりのゴールとなった。しかし、その3分後には新潟が押しこんでPKを獲得。15分に松下年宏がこれをきっちり決めて、同点に追いついた。
その後も試合展開に大きな変化はなく、互角の展開のまま前半を終了。後半に入ると、徐々にホームの利が出てきた清水が優勢になり、序盤からチャンスを作った中で、9分にエヴェルトン・サントスに2枚目のイエローカードが出て退場処分。そこからは1人多い清水がボールを支配し、新潟が耐えてワンチャンスを狙う展開となった。
ここで新潟は、前からプレッシャーをかけていくという狙いではなく、ある程度下がって守備のブロックを作り、清水にスペースを与えない守り方にシフト。これにより清水は攻めあぐねる時間帯がしばらく続いたが、27分に中盤の兵働昭弘に代えて、長身FW長沢駿を投入。岡崎を中盤の左に下げて、「足下へのボールが多くなって、なかなかブロックを崩せなかったので、もっと背後を狙えと指示した」という長谷川監督の指示の下で裏への飛び出しを増やし、新潟のブロックを押し下げていった。
そして41分、枝村匠馬の右クロスからファーサイドのヨンセンが絶妙なコントロールのヘディングシュートを決めて、ついに勝ち越し。これで清水が俄然優位に立ったが、新潟もけっしてあきらめずに、疲労が蓄積してきた10人で攻めに出る。
その2分後には、ジウトンの左からのロングスローを千代反田充が頭でつなぎ、矢野貴章が気迫のダイビングヘッドで押しこんで、再び同点に追いついた。両チームとも、決めるべき選手が決めて2-2という中身の濃い好勝負。アディショナルタイムにはロングボール一発で矢野が裏に飛び出す新潟のビッグチャンスがあったが、ここはGK西部洋平が意地でストップし、決着は延長戦に持ち越された。
延長でも展開そのものは、1人多い清水が有利。だが、新潟の選手たちも疲労困憊の身体にムチ打って食い下がる。しかし、延長前半のアディショナルタイムのFKから枝村が頭でつないだボールを、DF児玉新がボレーシュートで決めて、ついに清水が決勝ゴールを奪った。前日、今年を表わす一文字として「新」の字が選ばれ、「何かあるかも」と思っていた児玉。前半はPKを与えてしまったが、それを取り戻すプロ2点目となった。
延長後半は、新潟が死力を振り絞って反撃に出たが、清水も必死に守りきって、そのまま120分の激闘が終了。清水が4年ぶりのベスト4進出を決めた。
試合後には、今季限りでの現役引退を決めた清水のGK・掛川誠のセレモニーが行なわれ、その後で掛川は「エスパルスでの4年間は、僕を人間的にすごく成長させてくれた」と語った。同様のことを他の選手も感じているならば、元旦の決勝戦まで、この試合のような勝利への強い気持ちを維持して戦い抜けるはずだ。
以上
2009.12.13 Reported by 前島芳雄
J’s GOALニュース
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