12月5日（土）J2 第51節 東京Ｖ vs 札幌（12:30KICK OFF/味スタ）
スカパー！生中継 Ch177 12:20〜（解説：都並敏史、実況：田中毅、リポーター：右松健太/藤田大介）
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長い、長いと言われた今季J２リーグ戦も、いよいよ最終節・第51節を迎える。
東京V、札幌とも、今季中のJ１昇格が最大目標だったが、すでに可能性は途絶えてしまった。「今年中に上がれずに悔しい。信じて応援し続けてくれたサポーターに申し訳ない」という東京Ｖ・永里源気のことばは、両チーム監督・選手たちみなの思いだろう。「きっちりと内容のあるゲームをして、サポーターにせめて最後ぐらいは喜んでもらいたい」（永里）

松田岳夫監督になって7試合目となる東京Vは、前々節・熊本戦で初黒星を喫したが、『両サイドバックが高い位置をとりすぎてしまった』『ＦＷの守備』など、敗因となった部分をしっかりと修正し、前節の栃木戦を勝利した。「今は、全員が自分たちのどこが悪くて攻められるのかの原因がハッキリとわかるから、修正もしやすい」と飯尾一慶が話すように、チーム全体が同じベクトルを向き、きっちりと連敗を阻止できたことは、チームが大きく改善されたことの証明といえるだろう。

とはいえ、課題はまだまだ多いと松田監督は話す。現時点で大きく問題視しているのが、栃木戦でもみられた「カウンターからの失点」である。
特に札幌は、前節の横浜ＦＣ戦でもハファエル、キリノが素早いカウンターからそれぞれ得点を決めるなど、速攻の決定力が高いチームだけに、課題を修正できているのかが顕著に現れる対戦相手かもしれない。東京Ｖはビルドアップの途中でボールを奪われるなど、自分たちのミスからバランスを崩すことだけは避けたい。前節からの成長を見せられるか、最大の注目点といっても良さそうだ。

攻撃面では、核ともいえる河野広貴をU-20日本代表で、平本一樹を出場停止で欠くというマイナス要素もあるが、一方でレアンドロの復帰が見込まれるのは大きい。
タメの作れるレアンドロが入ることで、「攻撃にタメがないから、ボールは動いても相手を動かすことができない。相手にとっては怖くない」（松田監督）という課題も克服されるだろう。「リターンパスなどを使い、相手をいなしたり引き寄せたりできれば、もっと得点をとれるようになる」と、松田監督の期待は非常に高い。日頃の練習から、人一倍守備にも意欲的に走るようになったレアンドロの奮闘は楽しみである。

対する札幌を、東京Ｖ・松田監督は「しっかりした、攻撃的なチーム。前線からのプレスが激しく、前のスピードある選手を上手く活かしている。ボールが動かすのが上手いので、後手に回ると危険」だと警戒する。
今節の札幌は、ボランチのダニルソン、上里一将が出場停止となったことで、その位置に誰を起用するかが１つのポイントとなりそうだ。石崎信弘監督は２日に行われた戦術練習で、これまで一貫してサイドで使い続けてきた古田寛幸を大抜擢。若く、才能溢れる18歳の対応能力、そして新たなチャレンジでの成長を期待している証拠と言えるだろう。特に札幌は、石崎監督の来季続投が発表されているだけに、仮に古田のボランチがフィットすれば、来季の大きなオプションとなることは間違いない。新境地発見となるか、ぜひ注目してみたい。

今季を振り返る選手たちの口からは、「とにかくいろいろあった」の声が必ず聞かれるほど、東京Ｖにとってはピッチ内外含めて多くのことがうずまいたシーズンとなっている。その濃い一年間を共に過ごしてきたメンバーが揃って闘うのも、これがラストである。
「観に来てくれる多くのサポーターのためにも、今いる選手でできる、『最大限』を表現したいと思います」（松田監督）
試合に出るメンバーだけではなく、スタンドで見守る選手、スタッフ、サポーター・・・それぞれの胸に期す思いを一つに合わせ、全員の力で『最大限』＝今季最高のゲームを創り上げたい。

以上


2009.12.04 Reported by 上岡真里江