スカパー！生中継 Ch183 12:20〜（解説：外池大亮、実況：前田真宏、プレーヤー解説：堀井岳也、リポーター：横内洋樹）
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★スカパー！×ELGOLAZO×J's GOAL J2シーズン表彰2009★
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■リーグ戦上位クラブ 直近4節の試合結果
| 第47節 | 第48節 | 第49節 | 第50節 | 第51節 | |
| 甲府 | ○2-1 鳥栖 | ●1-2 福岡 | ●2-3 湘南 | ○1-0 岡山 | 熊本 |
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勝って笑い、勝って泣き、負けて泣いて、負けて呑んで過ごした50試合。
1/51の歓喜と悲哀の積み重ね。3位・湘南と勝点差1ポイントの4位で甲府は最終戦を迎える。昇格に向けて主導権のない最後の1/51が全てにならないことは悔しいが、それを埋めるのが小瀬のサポーターの想い。
第48節、アウェイで福岡に敗れた時、ゴール裏で泣いたサポーター。
第49節、ホーム小瀬で湘南に敗れて勝点差3をつけられた。悔しくて、悔しくて、直ぐに50節のアウェイ岡山戦の応援バスツアーに申し込んだサポーター。
第50節岡山戦。ダニエルのロングパスを松橋優がゴールに蹴り込んで薄氷の勝利を掴んだことで、終盤でのJ2リーグ戦2連敗の沼から這い上がった。しかし、第49節の悔しさは残っている。その思いを全開でぶつける場は第51節の小瀬。
第51節でなければ熊本の選手にインフルエンザが蔓延しているというニュースを聞けば、「有利になった」と思っただろうが、今は全くそんなことは思わないし、熊本の力が落ちたと楽観的にもなれない。散々苦労してきただけに、サッカーの怖さと難しさを忘れることは無い。でも、昇格するのは甲府だという想いは日毎に強くなっていく。甲府が入れ替え戦の権利を掴んで昇格を果たした2005年の最終節に状況が似ているからなのか、湘南に水戸が3戦して3勝できる確率が高いとは思えないからなのかは分からない。しかし、悲観的にはならない。
12月4日の前日練習を見ていると、清々しさを感じた。チームを去る選手が次々と発表されて行く中でセンチメンタルになり過ぎることもなく、大一番に肩に力が入り過ぎることもない。心に屈託がある選手もいるだろうが、いつも通り先発・ベンチ入りのチャンスを掴もうと練習に臨み、掴めた選手と掴めなかった選手に分かれただけ。安間貴義監督は「メンバーに入った選手も入れなかった選手もいつも通り練習して、いつも通り居残り練習をした。明日も普段着でできればいい。今年のチームは課題が出ると修正して次のゲームにはよくなっている。適応能力は高くなっている。このメンタリティで次の試合に持って行ければいい。僕らは勝たないと始まらないから特別なことはない。ただ単純に、熊本に勝ちたいだけ」と、迷いのない表情で話した。
ここ6試合を5勝1分で、現在3連勝中の熊本はインフルエンザが大きな痛手になったが、チームを去る北野誠監督や選手、引退するハード系プリンス・山口武士らのために勝ってシーズンを終わろうという気持ちが強いだろう。12月2日の練習はピッチにいる選手が9人という非常事態だったようで、マスクをして練習していた選手もいたと聞く。しかし、徐々に回復しており、市村篤司、原田拓は練習に合流しているようで、レギュラークラスの半数がインフルエンザによって壊滅という状況ではない。甲府にとっては誰が出てくるのか分からないという状況の方が嫌な感じがするし、お互いに自分たちのやりたいサッカーをぶつけ合って勝敗を決めたい。
明日の小瀬は携帯の速報サイトが大人気になりそうだが、熊本に勝たなければ成田空港に着いてパスポートを忘れたことに気が付くのと同じ状況になる。チームとサポーターが一丸となって熊本に勝つことだけに集中するしかない。天命を待つというのは嫌なものだが、人事を尽くさなければ、待つ資格はない。出場停止で試合に出られない秋本倫孝は「一生懸命応援するだけ。試合に出る選手を信じている」と話した。もどかしい思いがあっただろうが、「チャンスはあると思っている。（湘南が水戸に勝つことは）そんなに簡単なことじゃない」という確信が、チームを信じる気持ちを後押ししている。3試合ぶりの出場となるキャプテンの山本英臣は、「今年はチームとしてJ1昇格を目標に戦ってきた。いろいろな要素が重なって気持ちが高ぶることもあるが、1年間の目標を達成することを第一に考えて戦う。しっかりとゲームに入っていけると思う」と、ピッチに立つ選手も冷静。
前節の岡山戦は「負けられない」という緊張がチームを硬くしたが、今節はそうはならないと思うし、そう信じたい。実際に始まってみないと分からないことだが、これは湘南の選手も同じだろう。前日幾らリラックスしていても、そう振舞っていても始まった瞬間にどんな緊張感が襲ってくるのかは分からない。しかし、追う立場の甲府は勝点などの数字では不利だが、「勝つしかない」のだから気持ちの面ではアドバンテージを持てるはず。チームを去ることになった御厨貴文は「明日はガチコーンって行きますよ」と言った。彼にとっては次の活躍の場所を見つけるためのアピールの場でもある。そして、大きな決意を持ってピッチに立つ選手もいる。彼らの気持ちを想像することや理解することは難し過ぎる。その大きなゲームが昇格の懸かったシーズンラストマッチ。想像するにはあまりにも重過ぎる。だからこそ願いは一つ。甲府らしくいつも通りの戦いを見せて欲しい。待つことには慣れていないけれど、気持ちを込めて応援することはできる。最高に集中した応援で、それぞれのシーズンラストマッチを後押ししたい。
以上
2009.12.04 Reported by 松尾潤
