スカパー！生中継 Ch182 12:20〜（解説：菅野将晃/野々村芳和、実況：田中雄介、リポーター：佐藤愛美/児玉美保）
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★スカパー！×ELGOLAZO×J's GOAL J2シーズン表彰2009★
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■リーグ戦上位クラブ 直近4節の試合結果
| 第47節 | 第48節 | 第49節 | 第50節 | 第51節 | |
| 湘南 | ●0-1 熊本 | △2-2 東京Ｖ | ○3-2 甲府 | △0-0 草津 | 水戸 |
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☆湘南側プレビューはこちら
もはやこの試合の重要性を説明する必要はないだろう。端的に言うと、湘南が勝てば文句なしでJ1昇格内定するが、勝利を逃せば、甲府にもチャンスが出てくる。つまり、J1昇格へのキャスティングボートは水戸が握っているのである。水戸の出来が湘南と甲府の運命を左右することとなると言っても過言ではない。
そんな大一番に向け、木山隆之監督の表情はいたって晴れやかなものであった。「最後に強いチームとこういうシチュエーションでしびれる試合ができるのは本当にうれしい」と笑みを見せる。ホーム最終戦、多くのサポーターと報道陣がKsスタに訪れることが予想される。たとえ多くの人が湘南目当てであっても、注目を浴びる試合をできることはチームにとって幸せなことに変わりない。ただ、それだけに結果によって試合後の水戸の評価は大きく分かれることとなる。番狂わせを起こしたリーグの主役になるか、それとも湘南の引き立て役に甘んじるか。どちらに転ぶこととなるかは、自分たち次第であると言えるだろう。
選手たちの思いはひとつだ。「二度も目の前で胴上げをされるわけにはいかない」（中村英之）。第48節仙台戦、Ksスタでの初戦で、0対4という大敗を喫し、目の前で胴上げを許してしまったあの屈辱を胸に、水戸はこの一戦に臨むこととなる。「絶対に胴上げは阻止したい」中村は引き締まった表情でそう口にした。
そのためにも守備の改善が求められる。前節福岡戦は今季最低とも言える内容であった。試合開始から集中を欠き、わずか45秒で失点を許し、その後も連動した守備ができないまま防戦一方の展開を強いられ、1対3の敗戦を喫した。「全体的に本当によくなかった」と木山監督は怒りをかみ殺しながら語った。前節のままでは、湘南相手に苦戦を強いられるのは明白だ。だからこそ、今週に入り、守備面の立て直しに着手することとなった。「DFだけでなく、全体でプレッシャーをかける意識を確認した。たとえ前でボールを取れなくても連動して動くことが大事。その意識を統一した」（木山監督）
「ホームの試合だけど、まずは守備を徹底してやりたい」と木山監督は語る。というのも、湘南はこの試合で勝たなければ、自力でJ1昇格を決めることができない。ゆえに、膠着したまま試合が進めば進むほど、焦りが生じることとなるはず。そこが水戸にとって狙い目となるのだ。「まずは前半に失点しないこと。拮抗した展開で後半に持ち込めば、ウチにチャンスが出てくる」と木山監督は見ている。いかに徹底した守備意識を持って試合に臨むことができるかが今節の最大のポイントとなるだろう。その中で大和田真史が2試合の出場停止から復帰、さらに鈴木和裕も怪我から復帰して先発濃厚。2人の守備のリーダーが戻ってくることで守備力は改善されるに違いない。強力な湘南の攻撃に対して耐え抜くことで勝機は見えてくるはずだ。
とはいえ、水戸は守備に専念する気はさらさらない。「相手が昇格のかかったチームだろうと関係ない。自分たちのサッカーができるかどうかだと思います」と鈴木が言うように、シーズン最終戦で今季の集大成を見せなければならないという使命がある。水戸が今季目指したもの、それは攻守にアグレッシブなサッカーだ。最後の試合でそれを見せることが求められているのである。守備に関してもゴール前を固めるわけではなく、前線から連動したプレスをかけるのが水戸のサッカー。できるだけ高い位置でボールを奪って、手数をかけずに荒田智之、高崎寛之の2トップにボールを送りたい。積極的な守備で湘南の攻め手をつぶし、そして、すばやく攻める。攻撃のための守備をすること。その意識を忘れてはいけない。それを成し遂げるためにも1人1人の高い守備意識と運動量が求められることとなる。「湘南は死ぬ気で来ると思う。そのテンションに負けないぐらいの気持ちで戦わないといけない」と吉原宏太は諭すように語った。
湘南にはJ1昇格というモチベーションがあるが、水戸にも過去最高順位タイの7位を目指すというモチベーションがある。今季の水戸は間違いなく過去最高のメンバーがそろった。そして、第2クール終了時点で5位につけるという快進撃も見せた。それだけに今季が過去最高のシーズンだったということを証明するためにも結果として残さなければならないのだ。「今季の水戸は成功したとは言い切れない」と吉原が唇を噛むように、第2クールまでの好調ぶりから一転、第3クールは最低の日々が続いたことで今季の評価は難しいものとなってしまった。しかし、最後の最後で昇格を目指すチームを倒すことで今季のチームが強かったことを再確認できることとなる。「09年のチームは本当に強かった」という残像を歴史に残すためにも絶対に負けられない一戦である。今季培ってきたものすべてをこの90分に詰め込めれば、必ず結果はついてくるはずだ。
自分たちのすべてを出し切るだけ。あとは、湘南が歓喜しようと、甲府が笑おうと、水戸は知らない。
以上
2009.12.04 Reported by 佐藤拓也
