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【J2:第50節 福岡 vs 水戸】レポート:様々な思いを力に変えて戦ったホーム最終戦。福岡が今シーズンベストゲームで水戸を下す。(09.11.30)

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11月29日(日) 2009 J2リーグ戦 第50節
福岡 3 - 1 水戸 (16:03/レベスタ/11,286人)
得点者:0' 高橋泰(福岡)、30' 大久保哲哉(福岡)、50' 荒田智之(水戸)、76' 田中佑昌(福岡)
スカパー!再放送 Ch180 11/30(月)16:00〜(解説:布部陽功、実況:南鉄平、リポーター:森田みき)
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ホーム最終戦は様々な思いが交錯する。悔しさに涙した試合。喜びを爆発させた試合。選手たちがピッチの上で表現したひとつ、ひとつのプレー。チームを支え続けたサポーターの声援。いい思い出も、そうでない思い出も、あらゆる思いが記憶の中から蘇り、胸の中に広がっていく。加えて、ともに戦い、ともに喜び、ともに悔しがった仲間と戦える最後の試合という現実が特別な感情を呼ぶ。その入り混じった思いをぶつけるように、複雑な気持ちを振り切るように、サポーターはありったけの声を張り上げ、選手たちは自分の思いの全てをピッチの上で表現する。スタジアムにいる1人、1人にとって特別な試合。それは単なる51試合分の1試合ではない。

その特別な試合は福岡にとって最高の形で幕を開ける。ホイッスルと同時に前へ出る福岡は、流れるようにボールを回して水戸陣内へ。そして、久藤清一、岡本英也とつないだボールがゴール前中央で待つ高橋泰の足元に届く。寄せてくるDFのタイミングを狂わせるように、ワンテンポ貯めてから右足を振り抜く高橋。次の瞬間、水戸のゴールネットが揺れた。手元の時計は50秒。福岡にとっての今シーズン最速のゴールに、ピッチの上で選手たちが喜びを爆発させ、スタンドは割れんばかりの歓声で包まれた。

1点のビハインドを負った水戸も前への意識を強くして福岡ゴールを目指す。10分、後方からのフィードを胸トラップした荒田智之が素早くターンしてシュート。福岡のゴールポストをかすめる。荒田の怖さを改めて示すプレー。そして、前へでることでリズムを作る水戸のサッカーの特長が出たシーンだった。
それでも、福岡はひるまない。高い位置からのプレッシャーで水戸のロングボールを起点を潰し、中盤では鈴木惇が守備意識を高めてボールを拾い、久藤清一がタクトを振る攻撃陣は、ポジションを入れ替え、スペースへ飛び出し、前の選手を追い越して、流れるようにボールを運んでいく。

そして30分、福岡の2点目が生まれる。高橋を起点にしたボールが岡本を経由して左サイドへ流れていた久藤へ。その左足から繰り出された鮮やかな曲線を描くボールが、絶妙なスピードを伴ってゴール前のスペースへ向かう。そこへ走りこんできたのは大久保哲哉。頭で捉えたボールがゴールネットに突き刺さった。GK本間幸司にはノーチャンス。非の打ちどころがない素晴らしいゴールだった。

水戸が意地を見せたのは、後半立ち上がりの50分に奪った荒田のゴール。「仕掛けるときは思い切っていけ」(木山隆之監督)という檄を受けて後半のピッチに立った水戸イレブンは、そのまま一気に攻撃を仕掛けると、吉原宏太のラストパスを受けた荒田がドリブルで持ち込んで左足を振り抜いた。水戸が挙げた反撃の狼煙は、残り時間を考えれば福岡にとっては危険な香りを伴うものだった。

けれど、福岡は動じるそぶりさえ見せない。前半から続くハードワークと、素早い攻守の切り替えから水戸の中盤にできるスペースを使って攻める姿勢は少しも変わらず。ほぼ一方的に水戸を攻め立てる。そして76分、福岡は圧巻とも言えるゴールでゲームを締めくくった。起点となった岡本のサイドチェンジにスタジアムがどよめき、鮮やかなトラップから素早くラストパスを出した高橋のプレーに歓声が上がり、トップスピードでボールをコントロールしながら、柔らかなシュートを左足で送り込んだ田中佑昌のプレーにスタジアムのボルテージは頂点に達した。トップレベルのプレーを3つ続けて奪ったゴール。それは間違いなく福岡にとっての今シーズンベストゴールだった。

さて、この日、福岡は来シーズンの契約を更新しないことをクラブから告げられた選手3人がピッチに立った。「いつものように目の前のFWとボールを追いかけることだけに集中した」と話すのは90分間ピッチの上で戦った長野聡。「ピッチに立ちたくても立てなかった選手の分まで、どんな時間でも頑張って、走りぬいて、チームのために貢献しようと思っていた」とは、83分にピッチに登場した中払大介。2人とも、自分を育ててくれた福岡の町とサポーターへの感謝の気持ちを口にした。
また、中払とともに83分にピッチに立った黒部光昭の鬼気迫る空中戦の競り合いは、彼らしいやり方で、彼の気持ちを伝えるものだった。

そして12月5日、この日敗れた水戸はホームで、そして今シーズンのベストゲームを演じた福岡はアウェイで、リーグ最終戦を迎える。それは、スタジアムに足を運ぶ人たちのために、仲間のために、自分のために戦う最後の試合。その試合で全てを発揮するべく、また1週間のトレーニングが始まる。最後のホイッスルが鳴るまで戦いは終わらない。

以上

2009.11.30 Reported by 中倉一志
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