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【J2:第50節 徳島 vs 仙台】仙台側レポート:C大阪の追撃も、メンバー変更も、今の仙台を止めるには至らなかった。「J2最後のアウェイ戦」でも4得点の完封勝ち。いざ、自力優勝を賭けたホーム戦へ。(09.11.30)

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11月29日(日) 2009 J2リーグ戦 第50節
徳島 0 - 4 仙台 (16:04/鳴門大塚/6,172人)
得点者:24' マルセロソアレス(仙台)、63' 千葉直樹(仙台)、69' 関口訓充(仙台)、72' マルセロソアレス(仙台)
スカパー!再放送 Ch180 11/30(月)19:30〜(解説:田渕龍二、実況:寺西裕一、リポーター:藤原美佳)
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☆徳島側レポートはこちら

前日、C大阪は岐阜に2−1で勝利し、仙台に食らいついてきた。これにより仙台は徳島相手に、引き分けでも首位の座を明け渡すことに。こういう時、競っているチームの後の日程で試合をするのは、心理的にどうにも難しい。

実際に試合が始まってみると、開始1分も経たないうちにCKから決定機を作られるなど、いきなりひやひやの場面を迎えてしまう。かつて首位に立った直後の試合、もしくは「自分たちが勝ちさえすれば…」という状況の試合において、幾度も勝負弱さを見せてしまっていた仙台ゆえに、一瞬漂う嫌な空気。
だが、今のチームは、こうした過去の不安を乗り越えたからこそ今の順位にいて、悲願だったJ1の座もつかんだのだ。それを証明するかのように、序盤の混乱から守備はすぐに立て直され、いつもの堅守が戻ってくる。徳島はこの日、今季限りでの引退を表明した「ミスター・ヴォルティス」片岡功二をスタメン起用、片岡は左サイドでまだまだ健在なところを見せていたが、ここも菅井直樹の体調不良によって右サイドバックに入った田村直也が、身体を張った激しい守りでドリブルのコースに立ち塞がったことで、徳島の攻めの突破口とはさせなかった。 
さらにこの日の仙台は、前線からの守備が効いた。しっかりと最終ラインやボランチの部分でゲームを組み立てようとしていた徳島に対し、仙台の前線はいつにも増して執拗にボール保持者へ食い下がり、リズムを作らせない。インフルエンザで欠場となった中島裕希に代わりスタメンに入っていたマルセロ ソアレスはこれまで、得点力は誰もが認めるところながら、守備での連携に欠けるということでスタメンから遠ざかった選手。しかしそのマルセロ ソアレスが身を粉にしてボールを追い、パスのコースを巧みに切っていく。
このマルセロ ソアレスの例を含め、仙台はシーズンがクライマックスに迫った今の時期においても、まだ成長を続けていた。これまでのスタメンが欠場したことも、C大阪の勝利によってプレッシャーがかかる状況となったことも、全ては今のチームの成熟と成長を浮き彫りにさせる「舞台装置」だった。何の問題もなく、仙台はいつものサッカーに徳島を引き込んでいく。
24分、朴柱成から長いボールが平瀬智行へ入る。一旦は徳島の選手が掻き出したかに見えたのだが、そこに後方から食らいついたマルセロ ソアレスが再びボールを奪うと、一目散に中央へドリブル開始。そしてペナルティーアーク付近から放ったループ気味のミドルは、決して飛び出していたとは言えない位置のGK上野秀章の伸ばした手をかすめ、枠の上部へ吸い込まれていった。決めたマルセロ ソアレスは何かを叫びながら、手倉森誠監督の下へ歩み寄る。「監督から言われた守備も今日はこなした」というソアレスにとっては、会心のゴールだったに違いない。

後半、徳島は4−4−2から3−4−3にシステムを変更、中盤の両翼に入った挽地祐哉と片岡、さらには3バックの左右であるペ スンジンと登尾顕徳からのロングボールが多いサッカーへと切り替えてきた。だがこういう攻めになれば、むしろ仙台の守備は対応が容易になる。エリゼウと渡辺広大、さらにボランチの一角、千葉直樹も最終ラインへと下がり、長いボールを良く跳ね返して、徳島の意図を封じた。
後方が安定した上に、仙台はセットプレーから追加点を得る。63分、マルセロ ソアレスが得た右サイドでのFK、梁勇基が蹴った完璧なボールに、これまた完璧な動きでゴール正面でフリーとなった千葉が頭で合わせた。守備も安定、そして2点差以上のリードとなれば、あとは前がかりとなった相手からカウンターで冷静にだめ押し弾を決めるだけ。69分、徳島ゴール前で倉貫一毅からボールを奪った梁のスルーパスから、マルセロ ソアレスが抜け出しシュート、GKがセーブしたもののゴール前にこぼれたボールに関口訓充が詰めて3点目をもたらすと、72分にはまたマルセロ ソアレスが、中原貴之のシュートのこぼれ球を拾って流し込んだ。

終わってみれば0−4の圧勝。今季最後のアウェイ戦でも、様々な揺さぶりをかけてきた徳島に対して全く動じず、いつものサッカーでいつも以上の結果を出しての勝利だった。仙台は首位をキープして、最終節のユアスタへと戻ることになった。

いざ決戦。
仙台は過去のシーズン、「決戦」と呼べるような戦いが全てアウェイだった。2001年の昇格はアウェイ西京極。翌年のJ1残留こそ、残り2節でのホーム戦で決めたが、2003シーズンの降格決定は大分の地。2004年は早々と昇格戦線から脱落、2005年は最終節の博多の森(現・レベルファイブスタジアム)で引き分けを喫し、入れ替え戦進出の3位の座を甲府にさらわれた。2006年は熱狂の日立台で、ボルジェスのPK失敗と共に散った。望月達也監督の下、今のチームの礎となる戦い方が出来た2007年は、引分けでも最終節のホーム戦に3位の座を賭けた戦いが持ち越しとなったところ、ロスタイムの失点で京都に敗れ、西京極でシーズンを終えた。そして今でも鮮烈に覚えている、昨年のヤマハでの入れ替え戦第2戦…
今季も3位以内が決まったのはアウェイ(ケーズデンキスタジアム水戸)。しかし今季のチームは私たちに、最後に愛すべき我が家での歓喜、その権利をもたらしてくれた。
12月5日、ユアテックスタジアム仙台は、間違いなく黄金色に染まる。それまでまだ一週間あるが、今はその美しい光景を夢想しながら、一日一日を過ごしたい。

以上
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