本文へ移動

今日の試合速報

国立競技場に10,000名様無料ご招待 9/14 19:00KO 国立競技場 FC東京vs名古屋
国立競技場に10,000名様無料ご招待 9/14 19:00KO 国立競技場 FC東京vs名古屋

J’s GOALニュース

一覧へ

【J1:第33節 磐田 vs 広島】レポート:アウェイで勝負強く戦い抜いた広島が暫定4位に浮上。磐田は勝負所を逃し、中山雅史の花道を飾れず。(09.11.29)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
11月28日(土) 2009 J1リーグ戦 第33節
磐田 0 - 1 広島 (14:05/ヤマハ/14,486人)
得点者:22' 佐藤寿人(広島)
スカパー!再放送 Ch183 12/1(火)20:30〜(解説:金田喜稔、実況:佐藤文康、リポーター:石川葉子)
勝敗予想ゲーム | 皆の投稿で作るスタジアム情報
----------
中山雅史、鈴木秀人、茶野隆行、村井慎二。チームを去ることが決まっている4人が、1人1人自分の言葉でサポーターにジュビロ愛を伝えた試合後のセレモニーは、感動的なものだった。ゆっくりとピッチを1周しながらサポーターとの別れを惜しむ彼らの姿には、とりわけ多くのサポーターと熱く抱き合った中山雅史の姿には、誰もがこみ上げるものを隠しきれなかった。しかし、試合の結末に関しては、それとは別の意味の寂しさがあった。

中山、鈴木、村井の3人はベンチスタートで、茶野は出場停止。ただ、中盤4人のうち3人をユース出身者で構成した磐田イレブンは、立ち上がりから気持ちの入ったプレーを見せた。広島の攻撃に対しては、センターバックの那須大亮が1トップの佐藤寿人をしっかりと見張り、もう1人のセンターバック・大井健太郎が積極的に前にチャレンジして、2シャドーに入るボールをつぶしに行くという役割分担で対応。ボランチの2人もDFラインと距離が開かないように気を配り、ボールに対する出足という面でも、チーム全体として広島を上回る反応を見せた。
また、中盤にボールを落ち着かせられる選手が揃ったことで、ミスは多少あるものの、ボールをしっかりつないでサイドから攻略していくという狙いは十分に表現できていた。そのため、前半20分あたりまでは磐田が主導権を握る時間が続く。だが、守るときは中盤や両アウトサイドもしっかりと引いてスペースを与えない広島の守備の前に、最後のところはなかなか崩しきれない。
そんな中でなかなかチャンスを作れなかった広島だが、22分に最初のチャンスを生かす。後方でじっくりポゼッションする中で、この日はボランチに入った柏木陽介がバイタルエリアのスペースにスルスルと入りこみ、DFの縦パスから前に振り向きながらワンタッチでスルーパス。これが完全にDFの予測を出し抜き、抜け目なく反応した佐藤寿人が裏に抜け出して、チップキックでGKの上を抜いてゴールネットを揺らした。
磐田としては「注意していた形で失点してしまった」(柳下監督)というシーン。那須がバイタルエリアのマークが甘くなっていることをコーチングした瞬間、一瞬佐藤から目を離したところを突かれてしまった。

ただ、そこで冷静さを失って一気にリズムを崩してしまうということがなかったのは、磐田にとってひとつ良かった部分。34分と35分には、続けざまにサイドから崩して西が惜しいチャンスを迎えた。だが、そこでは決めきれず、1-0のまま後半に突入。
広島のほうは、守るべきところはしっかりと人数をかけて守り、高い位置でボールを奪おうとしてくる磐田のプレスに対しては、得意のパスワークで余裕を持っていなし、カウンターのチャンスを与えない。逆に、自分たちはカウンターから何度か磐田のゴールを脅かした。
しかし、磐田のほうも我慢強く攻め続け、後半7分には西の縦パスでイ・グノが裏に抜け出し、GKも左にかわしてあとは無人のゴールに流し込むだけというビッグチャンスを迎える。だが、その流し込もうとしたボールが左サイドネットに外れてしまう。イ・グノらしからぬ痛恨のミスで、磐田は最大の決定機を逃してしまった。
その後も、左サイドバックの金沢浄の攻撃参加も増えて、磐田はサイドからの攻撃をさらに強化。27分には駒野の右クロスからファーサイドの前田遼一が決定機を迎えた場面で、DFが手でボールを止めたように見えたが、主審の笛は吹かれない。
そんなジリジリする展開の中で、磐田ベンチが動き、まず34分に船谷圭祐に代えて、村井を投入。そして37分には、イ・グノに代わってついに中山雅史がピッチに入った。これでスタジアムの雰囲気は一変し、その後の10分ちょっとはずっと中山コールが続く。「ゴンさんが入って、正直恐さを感じた」(佐藤)と広島の選手たちも圧倒的な雰囲気に飲まれそうになる中で、磐田の選手たちはクロスへの飛び込みを指示されていた中山にボールを集めていく。
そして40分には、金沢の左クロスからゴール前の中山がヘディングシュート。ここは「あと5cm、10cm高くジャンプできていれば……」と中山本人も振り返ったように、十分に届ききらず、ボールを押さえこむことができなかった。
その後も磐田は何とか中山にゴールを決めさせたいと攻め続けたが、広島にしっかりと守られて決定機を作れないままタイムアップ。磐田は中山の花道を飾ることができず、勝負強く戦い抜いた広島は、暫定4位に浮上した。

磐田としては、広島のシュートを90分間で5本に抑えた守備はけっして悪くなかったし、攻撃でも2、3点は十分に取れるだけの決定機を作った。しかし、結果は0-1。中山らのことを抜きにしても、4戦勝利なしで迎えたホーム最終戦は、勝負所をものにしなければいけないゲームだった。しかし、そこはメンタル面も含めて、今シーズンを通じての大きな課題。もちろん、黄金時代の勝負強さを今すぐ取り戻すことは難しい。サポーターとしても、未来に向けてじっくりと見守っていかなければいけない部分だろう。
ただ、試合後のセレモニーで鈴木秀人と中山雅史の活躍をつづった映像が大型ビジョンで流される中、古くからの磐田ファンは、ひとつの美しい時代が完全に幕を閉じたことを、実感せざるを得なかった。

以上
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2024/08/04(日) 00:00 ハイライト:横浜FCvs千葉【明治安田J2 第25節】