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【J1:第33節 川崎F vs 新潟】レポート:サポーターの思いを受け止めた川崎Fが新潟の堅守をこじ開けて勝利。優勝の行方は最終戦へと持ち越される。(09.11.29)

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11月28日(土) 2009 J1リーグ戦 第33節
川崎F 1 - 0 新潟 (14:02/等々力/22,274人)
得点者:70' 鄭大世(川崎F)
スカパー!再放送 Ch183 11/30(月)08:30〜(解説:桑原隆、実況:倉敷保雄、リポーター:高木聖佳)
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もしかしたら、暑苦しさを感じる人もいるのかもしれない。重すぎると、敬遠する人がいるのかもしれない。ただ、選手たちはその「気持ち」を真正面から受け止め、そして自らをモチベートする材料へと昇華させていた。首位鹿島を勝点2差で追いかける川崎Fがホームに新潟を迎えた大事な一戦は、サポーター有志による選手バスの盛大な出迎えによってスタートする。それまでもサポーターは、ここぞというタイミングで、競技場横にある広場に集まり声援と共に選手バスを迎え入れてきた。ただ、この日のサポーターは全く新しい形で選手バスを出迎えていた。スタジアム正面の公園内道路の歩道にサポーターが立ち並び、後援会作成の応援フラッグによる人壁を作ったのである。

試合後大勢の記者に囲まれた中村憲剛は「今までも何度かああいう事(出迎え)がありました」と前置きしつつ「今回も、みんなテンションが上がりました。ぼくらを後押ししてくれました」と感謝の気持ちを口にしていた。またレナチーニョも「すごい出迎えだったと思います。チームとしても彼らサポーターのためにやろうと思えました」と語っていた。サポーターからのまっすぐな気持ちを斜に構えて受け流すことなく、正面から受け止めた川崎Fはまとまりを見せる。

川崎Fのこの試合最初のビッグチャンスは前半開始直後の3分に訪れる。この日、リーグ戦では3試合ぶりに先発のピッチを踏んだ森勇介が、新潟のスペースに飛び込んでミドルシュート。枠内に飛んだこのシュートはGK北野貴之にはじき出されるが、幸先のよい立ち上がりとなる。

しかしここから新潟は持ち味である粘り強い守備でゴールを固めはじめる。川崎Fのカウンターを警戒しつつ、豊富な運動量をベースとした帰陣によってブロックを作り、川崎Fに付け入る隙を与えなかったのである。川崎Fが攻めあぐねる一方で、新潟は2列目からの飛び出しによって川崎Fゴールを脅かす。前半9分には中盤の高い位置でボールをカットすると、右サイドに展開しクロス。ファーサイドに飛び込んだ三門雄大がフリーの状態からヘディングシュートを試みる。

この三門のシュートに始まる2列目からの飛び出しに関しては川崎Fも認識しており、ボランチで先発した田坂祐介などは「相手の14番(三門)と7番(松下年宏)とが出てくるので、そこについていく。もしくは受け渡すことを意識していました」と守備時のポイントだったと振り返っている。ただ、そうした川崎Fの警戒の中にありながら、こと松下はラインの裏を狙い続け、守勢の中で新潟に可能性をもたらす存在となっていた。

川崎Fが持つ大きな課題の一つとして、ブロックを作る相手に対し、中へ中へと攻め急ぐ傾向の多さが上げられる。ただ、この試合に関しては焦りに基づく拙攻が影を潜め、サイドからの攻撃がその回数を増やしていた。そしてその攻撃の源泉が森であった事に異議を唱える方は少ないと思われる。森の戦線復帰が川崎Fの攻撃を活性化させていたのは紛れもない事実だった。

前半を0-0で折り返した試合は、後半70分に大きく動き始める。関塚監督は68分にレナチーニョから黒津勝へと交代。この采配から2分後。右サイドに張り出した黒津に対し、森がタテパスを付けてフォロー。ディフェンダーの注意をひきつける中、黒津は左に持ち出してのファークロスを選択する。

ターゲットとなったジュニーニョはこれを村上和弘に。パスを受けた村上は「ジュニーニョの形でしたし、そこにうまくパスを出せたと思います」と振り返るパスをジュニーニョへ。ジュニーニョはこれを、彼のスピードを警戒してか間合いを詰められないディフェンダーを前にダイレクトでクロス。ニアに走り込んだ鄭大世が軽く左足をあわせ、ゴールネットを揺らした。

「ジュニーニョからのあの形はいつも意識しています。ニアに飛び込んでこいとずっと言われていました」と鄭大世。均衡していた試合はこのゴールで動き出すと共に、川崎Fの肩の荷を降ろす先制点となる。

「チャンスは作っていましたし、ネガティブな意味でのガマンではなかった」と話す中村は、このゴールによって「重心を置きつつカウンターを狙う形になった」と明かす。川崎Fは、先制した事で得意のカウンタースタイルに持ち込んだのである。

同点に追いつきたい新潟は、ここから勝負の交代采配に出る。72分には?永哲に代え木暮郁哉を。さらに80分には三門に代えて酒井高徳を投入し猛攻を仕掛ける。新潟にとっての誤算は前半の34分に腰痛の大島秀夫からエヴェルトン・サントスへのやむをえない交代によって、カードを1枚切らざるを得なかった点であろう。ただ、もし3枚の交代枠を全て戦略的に切れていたとしても、この日の川崎Fの守備陣を切り裂くのは簡単な事ではなかった。

1点をリードする川崎Fはピッチを走り回り、時に体を張って新潟の攻撃をしのぐ。87分には鋭いカウンターから黒津があわやというシュートを放つなど、前に出てきた新潟の裏をかく攻撃を繰り返していた。結果的にダメ押し点を奪えなかったのは課題ではあるが、それにしても川崎Fは最後まで集中を切らすことなくプレーを続け、新潟を完封。勝点3と共にACLへの出場権を確保する事となった。

同時刻開催の鹿島が大勝した事で勝点差は縮まる事はなかった。悲願の初タイトルは、勝点2差のまま最終節へと持ち越される事となった。

以上

2009.11.29 Reported by 江藤高志
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