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【J1:第33節 F東京 vs 神戸】レポート:こう着状態を打ち破った攻撃オプション。F東京がDF平松の移籍後初ゴールで神戸を破る。(09.11.29)

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11月28日(土) 2009 J1リーグ戦 第33節
F東京 1 - 0 神戸 (17:00/味スタ/28,664人)
得点者:87' 平松大志(F東京)
スカパー!再放送 Ch183 11/30(月)19:00〜(解説:田中孝司、実況:西岡明彦、リポーター:日々野真理)
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F東京が、味の素スタジアムで神戸と今季ホーム最終戦を戦い、1-0で勝利した。F東京は87分、DF平松大志の移籍後初ゴールで先制して競り勝ち、勝点を52に伸ばした。神戸は勝利を逃したが、他会場で柏が大宮に引き分けたため、残留が決まった。

試合開始からボールが互いの陣地を行き交う落ち着かないゲームだった。神戸は、奪ったボールを素早く前線の茂木、大久保の2トップに繋いで少ない手数でゴールを狙った。だが、F東京は今野、平松を中心にこれを阻んだ。F東京も奪ったボールが繋ぐものの、アタッキングサードで神戸の堅い守備を崩しきれず。得点は生まれないまま、ゲームはこう着した。
このこう着状態が生まれたのは、両チームがまず守備のブロックを崩さないことを優先したからだろう。
「相手もしっかり守っていたし、カウンターを狙っていたのでうちも強引にバランスを崩していくよりもしっかりカウンターのリスクを除きながらやっていた。あまり俺も佑都も前にいくことが少なかったけど、そこは一番気をつけていました」(DF徳永悠平/F東京)
「時間が経つにつれて勝ちたい気持ちが強くなってバランスを崩して失点してしまうことが一番怖かった。サイドバックやボランチにはあまりバランスを崩さないようにして欲しいと伝えていた」(DF平松大志/F東京)
両サイドバックが厚みを加えることで攻撃に迫力が生まれる。両チームのサイドバックは時折、攻め上がることはあっても、高いポジションを維持することはほとんどなかった。リスク管理を優先させたことで、必然とこう着状態が生まれた。両チームともにゴールは遠く、試合は0-0のまま、後半へと折り返す。

後半、先に動いたのは神戸だった。後半開始から宮本恒靖に代えて吉田孝行を入れて、ボッティをボランチに配置してボールキープする時間を作ろうとした。
「ある程度、ゲームに安定感が出て中盤で(金)南一やボッティが触る場面が増えたが、相手のDF4枚のところと、我々の前の4枚のマッチアップでは効果的なプレーができなかった」(三浦俊也監督/神戸)
パスの出所は増えたものの、後半も前線の2人にボールを合わせる攻撃に大きな変化は生まれなかった。逆にF東京も拮抗した試合展開の中では動きづらく、我慢の時間が続いた。

ゲームが動いたのは残り時間10分を切ったところからだった。80分、F東京はMF中村北斗に代えてDF椋原健太をピッチに送り出す。ここで長友佑都を前線に上げて攻撃に変化を加えた。すると、87分、長友がMF米本拓司のスルーパスに抜け出してシュートを放つ。これは神戸GK榎本達也に防がれるもCKを獲得する。
そして得点が生まれる。鈴木達也が右CKからニアサイドにボールを送ると、平松が頭で合わせて待望の先制点を挙げた。このゴールを守りきり、F東京は勝利を挙げた。
F東京が今季ホーム最終戦を白星で飾り、試合後に行われた今季限りでチームを去る浅利、藤山のセレモニーに華を添えた。互いにけが人や出場停止選手が多く、限られた攻撃カードの中でのゲームマネジメントを強いられた。どちらに転んでもおかしくなかった。
「攻撃の部分では、特にターゲットマンがいません。いつも空中戦で競り負けて、セットプレーでは失点してということになります。これでは厳しい」(三浦監督)
ほんの僅かだが、両チームのオプションには差があった。有効打となったのはF東京の長友の配置換えだったが、神戸にターゲットマンがいれば別の結果が生まれたかもしれない。それだけ、F東京にとっては綱渡りのゲームだった。

以上

2009.11.29 Reported by 馬場康平
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