本文へ移動

今日の試合速報

国立競技場に10,000名様無料ご招待 9/14 19:00KO 国立競技場 FC東京vs名古屋
国立競技場に10,000名様無料ご招待 9/14 19:00KO 国立競技場 FC東京vs名古屋

J’s GOALニュース

一覧へ

【J2:第50節 熊本 vs 富山】プレビュー:今季未勝利の富山を迎えるホーム最終戦。09年の熊本スタイルの集大成として勝利で飾る事が、11・27ショックを和らげる最高の処方箋(09.11.29)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
11月29日(日)J2 第50節 熊本 vs 富山(13:00KICK OFF/熊本
スカパー!生中継 Ch183 12:50〜(解説:池ノ上俊一、実況:山崎雄樹、リポーター:吉田明央)
勝敗予想ゲーム | 皆の投稿で作るスタジアム情報
★スカパー!×ELGOLAZO×J's GOAL J2シーズン表彰2009★
----------

 1つ前のホームゲームから1ヶ月空いている間に、いろんな動きがありすぎて、正直なところついていけていない。北野誠監督の退任に続いて、クラブ発足時からプレーしてきたMF山口武士、そしてJFLの戦いからゴールを守ってきたGK小林弘記の引退、さらに昨日は、現時点でチームトップの10ゴールを挙げているFW木島良輔やキャプテンのDF河端和哉、今季から加入して怪我で離脱するまでフル出場を続けていたMF石井俊也ら8人の契約満了と、いずれもJリーグ入りに貢献した、あるいはJリーグに加入してからも中心としてチームを引っ張ってきてくれた選手たちが今シーズン限りでチームを去るという衝撃的なニュースが発表された。
 こうした一連の流れの背景にある、3年先を見据えたというクラブの判断が正しいかどうかは、新たに加入する選手と、次期監督の人事も含めた新体制発表時に明らかになるであろう強化方針と来シーズンの目標設定、そしてその戦いぶりと結果を見なければ、今のところは何とも言いがたい。ただ、何をどうやっても変わらないのは、今のメンバーで積み重ねてきた2009年のロアッソ熊本のサッカーを見る事ができるのは、あと2試合だけということ。明日の試合は、ホームでのラストとなる貴重な1試合。富山からの初勝利やチーム初の3連勝がかかっているということ以上に、その1点において是が非でも目に焼き付けておきたい一戦だ。

 80失点はいまだリーグでワースト2位という位置にいる熊本だが、40節の徳島戦で屈辱的な6失点を喫して以降、複数失点した試合はなく、ここ5試合はわずか1失点で4勝1分。終盤にきて上り調子にある大きな要因が、失点の少なさにも表れている守備面の改善だ。シーズン中頃まで組み合せが固まらなかったCBで福王忠世と矢野大輔のコンビが安定し、左右のスライドやラインの上げ下げがスムーズになってきたことと、前節の東京V戦のように、思うようにボールを支配する時間が作れない中でも、前線と中盤でプレッシャーをかけながらコースを限定し、外に追い出していく守備が浸透して、危ない場面を作らせる事そのものが少なくなっている。

 迎える富山は、42節の横浜FC戦で勝って以降7試合勝ちがないが、ここ2試合のドローも含めリーグ最多の16引分が物語る粘り強さは、大幅な補強をせずにJFL時代から培ってきたチームとしてのまとまりが熟している証だろう。13試合続いていた失点も、48節から改めて意識したというブロックを作った守備が奏功して前節は無失点。GK中川雄二を中心とした堅い守備からの早い攻撃は、ここ数試合は得点にこそつながっていないもののチャンスを作り出している。勝点差は3と今節の結果次第で並ぶ状況にあるが、悪い流れを断ち切ってホームでの最終節を迎えたい富山は、過去2度の対戦で勝っている熊本に悪い印象は抱いていないと思われるだけに、熊本としては先制点を許して勢いに乗せないようなゲーム運びをしなくてはならない。
 その上でポイントになるのが、いかにリズムを掴むかだが、「富山は奪ってから早く攻めるというのが統一されている。クリアボールからゴール近くまで運ばれる形が怖いので、リスクマネジメントをしっかりやっておきたい」と北野監督が話している通り、前節受けた警告で出場停止となる矢野の代わりに出場が濃厚なチョ・ソンジンも含めたDFラインの連携と中盤との連動した守備を継続することが、最後のホームゲームを勝利で飾る上でのカギ。ゲームを想定した紅白戦では、自分たちのリズムを崩さないためにも、今まで継続して来たことに加えて奪ってからのファーストパスでミスしない事を繰り返し指示。逆に守備から攻撃に切り替わる『相手のファーストパス』を寸断してリズムを作らせず、そこから薄いスペースへ展開して優位性を作る形に持ち込む回数を増やす上でも、ボールホルダーへのアプローチで後手を踏まないことが試合の流れを左右しそうだ。

 現実的には厳しい状況だが、数字上は今季の目標であった10位以内を達成する可能性はまだ残されている。就任直後に北野監督が話していた、見ても、プレーしても楽しいサッカーは、道半ばではあるが熊本のスタイルと言える段階まで来たし、最後のホームだからこそ貫徹して、今シーズンの集大成としたい。「シーズン終盤でいろんな事があるけど、俺らはピッチの上でサッカーをやろう」と、27日のミーティングでは話したという。ゴールシーンはもちろんだが、そこに至るまでのプロセスでも、彼らがきっと魅せてくれるはず。サッカーを楽しんで、勝って泣けば、愛すべき選手たちがチームを去る悲しい思いも救われると思う。

以上


2009.11.28 Reported by 井芹貴志
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2024/08/04(日) 00:00 ハイライト:横浜FCvs千葉【明治安田J2 第25節】