スカパー!生中継 Ch308 13:55〜(解説:福西崇史、実況:八塚浩)
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■リーグ戦上位クラブ 直近3節の試合結果と次節対戦相手
第30節 | 第31節 | 第32節 | 第33節 | 第34節 | |
浦和 | ●0-3 大宮 | ○1-0 F東京 | ○3-2 磐田 | 京都 | 鹿島 |
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今季の西京極最終戦、赤の軍勢を迎えての大一番となる。残り2節、リーグ戦終盤独特のプレッシャーが両チームにのしかかる。
浦和、勝点52の4位。天皇杯を早々に敗れ去ったため、J1リーグ戦残り2節でACL出場権を何としても奪い取らなくてはならない状況。3位G大阪は勝点57、浦和が残り2試合を全勝し、G大阪が勝点積み上げを失敗すればACL出場権を得られる。G大阪に得失点差(18点差)で大きく水をあけられたため勝点で逆転するしかないだろう。
京都、残留争いに巻き込まれた。16位柏が連勝し、勝点を33まで伸ばし、15位大宮(勝点37)、そして、14位京都(勝点38)に肉薄。残り2節、柏が全勝し、京都が勝点積み上げを果たせなければ、大宮次第ではあるが、降格の危機に晒される。得失点差では、大宮が-7、柏が-15、そして、京都が-10。柏が勝利し得点を上げ、京都が敗戦し、失点を重ねれば、得失点差の5点差は何が起こっても不思議ではない差だろう。ホーム最終戦、京都は背水の陣となる。
前節、浦和はシンプルなサッカーが奏功し、エジミウソンが得点を重ね勝利した。原口元気が出場停止から戻ってくるため左サイドの先発が、原口か、前節アシストを決めた高原直泰かは注目点となるだろう。京都にしてみれば個人で突破できる選手が揃うだけに誰が先発しようと警戒度は変わらない。
今節の勝負どころは、エジミウソンと水本裕貴の攻防。「勢い」ではエジミウソンと見られがちだが、ここ数試合の水本のパフォーマンスも今季の最高レベルと言って良い。前節の鹿島戦でも代表FWの興梠慎三を抑え込んだ。今節、見応えのある勝負が見られるだろう。
ここ最近、日本代表に目を向けると海外での試合が重なり、代表選手が「経験を重ねて」クラブチームに戻ってきている。代表に入れなかった選手にとってはこの経験の差は少なくないだろう。だからこそ、Jリーグで浦和のエジミウソンや高さのある名古屋のケネディ、懐深くボールキープする大宮のラファエルといった外国人FWとの対戦は、開けられた「経験」を埋める少ない機会ともなる。スピードとテクニック、そして「勢い」のあるエジミウソンを抑え込む。水本にとってこれ以上ないチャレンジの場のはず。この勝負は注目だ。
戦い方は互いに似たようなスタイルになるだろう。堅守速攻。堅い守備を敷いて、相手のボールを奪ってシンプルに攻める。パスサッカーを標榜している浦和だが、崩して攻めるよりも、前線に対し、足元、または裏にシンプルに送って勝負させる戦いの方が現実的ではないだろうか。京都としても前線から守備ブロックを形成し、奪って早く攻める形に持ち込みたいところだろう。
ボランチの安藤淳は「エジミウソンに通さないようにポンテのパス、中盤からのパスコースをしっかり消して、バイタルエリアのスペースを消せるように」と試合のポイントを話す。
安藤はこの試合の鍵になる選手だろう。浦和の心臓とも言えるボランチの阿部勇樹と鈴木啓太。攻守にわたり二人のバランス、そして、チームでのバランサーとしての役割は見事の一言である。今節、この二人のバランスをいかに崩させるか、が京都にとってはチャレンジのポイントとなるはずだ。安藤が浦和の心臓二人の守備網をかわし、逆に、左右にボールを散らして相手のバランスを崩させる役割が担われる。「攻撃時にサイドバック、ハーフを低い位置にさせないように、特に同サイドの李正秀を高い位置でプレーさせたい」と安藤。李だけでなく、右サイドの増嶋竜也の攻撃参加を誘発できればチャンスは広がると断言をしておく。浦和の左サイドで数的優位を作れるかは、増嶋の攻撃参加にかかっていると言っても過言ではない。彼のプレーにも期待したい。
阿部、鈴木が前にプレスをかけ安藤へのプレッシャーがきつくなれば、水本、森下俊に、その裏の、中盤の空いたスペースへの配給が求められるようになるだろう。
まずは守備でしっかりと耐えたい。早い攻撃でゴールに迫り、遅攻になれば安藤を中心に左右にボールを散らしたい。簡単なバックパスは浦和FWも狙っているだろう。前へボールを運びたいと思うなら、状況の判断は今以上の早さが絶対に求められる。前半45分、後半45分という時間を有効に使い、しっかり耐えながら浦和をどれだけ揺さぶれるか。背水の陣での京都の粘りに期待したい。
以上
2009.11.27 Reported by 武田賢宗