J2第49節の札幌戦。FC岐阜というクラブに、新たなる記録が刻まれた。
FC岐阜、J参入後通算100ゴール。
1-4の3点ビハインドの67分、中央のMF嶋田正吾からパスを受けたFW西川優大が強烈なシュートを放つ。これは札幌GK高原寿康のファインセーブに阻まれるが、こぼれたボールがFW佐藤洸一の前に転がり、佐藤が豪快に蹴りこんだ。
「優大のシュートが良かったので、入った!と思って、『あいつ(いいところを)持っていったな』と思ったんです。そしたらGKがセーブして、いいパスになって僕のところにこぼれてきた」と歴史に名を刻んだ男は、思わぬ形に笑顔をこぼした。
あの時、彼のところにボールが転がってきたのは、「ずっと記者の皆さんからもうすぐ100ゴールと言われていて、1点取ったあとに、『次のゴールは大事なゴールになる』と思っていた」という100ゴールに対する想いがあったからこそ。
この試合、負けはしたが、今まで着実に積み上げてきたことが節目を迎えたことはクラブとして大いに意義がある。昨年、J2に昇格を果たしたが、1年目はホームで勝てない、ゴールが奪えないと苦しんだ。しかし、今年はメンバーが大幅に若返ったにも関わらず、第2クール以降は質の高いサッカーで、J2に旋風を巻き起こした。第3クールはいいサッカーを展開しても結果が出ない時期もあったが、『継続』をテーマに自らの信念を曲げずにここまで戦ってきた。その成果が100ゴールという形になって現れた。
この記録は、今後もどんどん数字が伸びていくだろう。200ゴール、300ゴール…。こうした記録が出るということは、それだけクラブがJの舞台で戦い、成長し、そして継続し続けている証拠だけに、伸ばしていかなければならない記録である。
J参入後100ゴールという記録は、どのクラブも達成する記録だが、今クラブ存続のために選手、スタッフ、関係者、そしてサポーターが必死になっているからこそ、こうした段階を踏めた。それだけでも意義がある。
これからも段階を踏んで、クラブが成長していくために。意義ある記録をかみ締めながら、次なる数字へとクラブを挙げて取り組んでいかなければならない。
すべては明るい未来のために―。
以上
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2009.11.25 Reported by 安藤隆人
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