11月22日（日） 2009 J2リーグ戦 第49節
草津 1 - 2 福岡　（16:04／正田スタ／4,267人）
得点者：2' 都倉賢（草津）、17' 丹羽大輝（福岡）、66' 大久保哲哉（福岡）
スカパー！再放送 Ch185 11/24（火）08:00〜（解説：佐藤正美、実況：吉田学、リポーター：円戸由香）
勝敗予想ゲーム | 皆の投稿で作るスタジアム情報
★スカパー！×ELGOLAZO×J's GOAL J2シーズン表彰2009★
----------

第３クール終盤の「勢い」がそのまま結果に表れた。10位草津を逆転で下した12位福岡は、勝点（61点）で草津と並んで11位へとランクアップ、最近８試合で５勝目を挙げて底力を見せつけた。敗れた草津は、キーマンの退場が響いて本来の力を発揮できぬまま試合終了を迎えた。

草津は最高のスタートを切った。開始２分、ゴール正面約20メートルの位置から都倉賢が蹴ったFKが福岡の壁を抜けてゴールネットへ突き刺さる。雄叫びを上げてベンチ付近まで戻ってきた都倉はチームメイトが揃ったのを確認すると、15日に生まれた崔成勇の二男に捧げる「揺りかごダンス」を披露。スタジアムのムードはいきなり最高潮へと達した。

ホームの声援を受けて流れをつかんだ草津は８分、左サイドバック小池純輝がドリブルで切り込み右足で強烈なミドル。ゲームは一気に草津へ傾くかと思われたが、時間の経過とともに福岡が中盤の主導権を奪い返していく。中盤の要・松下裕樹を出場停止で欠く草津は、中盤で圧力がかからず相手に自由を許すシーンが増えていく。

そして17分、警戒していた福岡のセットプレーから失点を喫してしまう。鈴木惇がファーサイドへ蹴ったCKへの対応を誤り、丹羽大輝に豪快なヘディングシュートを叩き込まれる。草津は、福岡の対策を練っていたはずだがチーム全体で反応が遅れてファーへ飛び込んだ丹羽をフリーにしてしまった。丹羽は「自分はブロック役だったがボールがゴール前を抜けてきたのでヘッドで合わせた」と今季初ゴールを喜んだ。

丹羽の同点ゴールによってゲームの主導権は福岡へと移っていく。久藤清一、鈴木の両ボランチが激しいプレスを仕掛けて中盤を制覇、草津はしだいに押し込まれていく。31分には松下に変わってボランチに入った熊林親吾が２枚目のイエローカードを受けて退場。中盤の底でパスを展開した熊林だが守備での負担が大きく、それが２枚のイエローにつながってしまった。草津にとっては松下の存在の大きさがあらためて浮き彫りになった。

数的不利を強いられた草津は都倉を前線に残す布陣で福岡の攻撃を受け止めていく。チーム全体による粘り強い守備で耐え続けた草津だが66分に落とし穴が待っていた。途中交代でDFラインに入った有薗真吾が高橋泰に裏を取られてゴールエリアへの進入を許すと、その後ろに走り込んだ大久保哲哉が逆転ゴール。草津は高田保則、氏原良二を投入しパワープレーに出るが数的不利を跳ね返すことができずに１対２で敗れた。

草津を逆転で下した福岡は最近８試合で５勝２分１敗と好調をキープ、続投が決まった篠田善之監督も来季への手応えをつかんでいることだろう。サポーターは試合前に、檄文が書かれた横断幕をゴール裏に掲げて「喝」を入れていたが、今季失った信頼は勝つことでしか取り戻せない。残り２戦は、来季へ向かう意味で重要な意味を持つことになる。

先制しながらも勝利を手放した草津は、自分たちのサッカーができずに消化不良でゲームを終えた。都倉は「今年積み重ねてきたサッカーを見せることが自分たちのプライドだ」と話した。次節の敵地湘南戦（11/29（日）@平塚）、最終節のホーム栃木戦（12/5（土）@正田スタ）での１８０分間は草津にとって「誇り」を懸けた戦いとなる。

以上


2009.11.23 Reported by 伊藤寿学