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【J1:第32節 山形 vs 大宮】レポート:残留争いは続く。両チーム決め手を欠くスコアレスドロー(09.11.22)

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11月21日(土) 2009 J1リーグ戦 第32節
山形 0 - 0 大宮 (14:05/NDスタ/10,347人)
スカパー!再放送 Ch183 11/24(火)21:30〜(解説:金田喜稔、実況:土井敏之、リポーター:新井麻希)
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前線に起点ができるチームと、そうではないチームの差が如実に表れた前半だった。

雨でスリッピーなピッチ。リスクを少しでも減らそうと、ホーム山形は長谷川悠へのロングフィードを多用するが、これがことごとくマトに跳ね返され、サポートの薄さからセカンドボールもほぼ大宮の中盤に収まっていた。対照的だったのが大宮。キックオフ直後の相手パスミスを受けた橋本早十がすかさず左スペースへボールを入れ、6試合ぶりの先発となる藤田祥史が飛び込み起点をつくったのを皮切りに、片岡洋介を中心に入れてくる縦のフィードを藤田がうまく引き出していた。そこに絡むのは、2トップでコンビを組む石原直樹と2列目の内田智也、土岐田洸平までと人数は多くないが、確実に起点がつくれることで前半の多くの時間で押し込むことに成功していた。

シュートシーンが出始めたのは、そこからさらに右サイドバックの波戸康広がオーバーラップで敵陣深くまで顔を出し始めた20分過ぎ。25分には藤田がさばいて波戸がクロスを上げ、中央に入った内田が藤田の足元にくさびを打ち込み、落としたところへ左から回り込んだ石原がミドルシュートを放った。その後も「当てて、落として、ダイレクトで裏へ」を忠実に実践しながら攻める大宮は39分、右サイドで波戸がヒールで落とすと土岐田がクロス。ゴール正面ではマークをかわした石原がヘディングで下に叩きつけるが、シュートはGK清水健太の正面を突き得点はならなかった。

両チームのディフェンスライン間を行き来する状況に、山形はサイドチェンジやスペースを突く展開力を発揮できず、サイドに付けるボールはたちまち大宮の数人に囲まれるなど、コンパクトに設定された大宮の守備ブロックに、山形の中盤とFWの距離は見た目以上に遠かった。思うようにならない状況に、焦れたようなミスも起きる。7分、右奥の古橋を狙い、ペナルティーエリアからGK清水が早いタイミングで蹴り出したフリーキックはタッチラインを割り、その8分後にも西河翔吾のバックパスを清水がトラップする間に藤田に詰められ、蹴ったボールを飛び込んだ藤田に至近距離でブロックされるヒヤリとするプレーが起きている。さらに、ビルドアップで右に開いた西河の何でもないフィードがタッチを割るなど、どのミスが失点につながるかわからない、綱渡りの時間が続いた。

その山形にも前半、ブロックの間で受けることでチャンスは何度か訪れている。12分には裏のスペースへ縦に飛び出した宮崎光平がシュート。これは枠を外れたが、フリーでドリブルを図った古橋が得た18分の直接フリーキックでは、石川竜也の狙いすました左足の軌道がほぼ完璧にゴール右隅をとらえていた。しかし、GK江角浩司の攻守に阻まれた。宮崎が右サイドで挟み込まれた21分には、タッチライン沿いにうまくボールを這い出させると、引き取った長谷川がドリブルからシュートまで持ち込んだ。「全体にプレスがかかっているわけじゃないんですけど、周りが見えてないと言えばそうでしょう」(小林伸二監督)。
大宮は両サイドで厳しくアプローチしてきたが、そこを外せばサイドバックの裏や逆サイドが空いていた。しかし、多くのケースで、囲まれると抜け出せずに失っている。

ともにゴールネットを揺らせないまま折り返した後半、相変わらず大宮の守備ブロックは整っていたが、長谷川が右サイドへ流れて中央の古橋めがけてクロスを上げたり、宮沢が中央へ入り込むことで、遠かった中盤と前線の距離がしだいに埋められていく。2トップに少しずつボールが届くようになり、大宮のラインがやや深みを増すにつれ、山形はボランチの自由度が高くなる。67分には石川から佐藤健太郎を経由して宮本へ、左から右へとサイドチェンジしたあと、今度は宮本が古橋に当てて飛び出す縦の突破も見られるようになり、パスがつながるエリアは少しずつ相手陣内に浸食していった。

流れを変えたい大宮は70分、収まる機会が減ってきた藤田からラファエルへとスイッチ。するとその3分後には橋本の左クロスから早速ヘディングを放ったが、これはGK清水が難なくキャッチ。大宮はさらに土岐田を藤本主税に代え、攻撃のテコ入れをはかったが、直後には山形が大宮陣内でボールをつなぎ、宮本のクロスから長谷川がヘディングで合わせた。
ペースを握った山形がここからチャンスを増やしていくかに見えたが、パスはつながるものの途中のコントロールミスやクロスの精度不足でフィニッシュまでたどり着けず、もたつく間に逆に大宮のカウンターが勢いを増していく。86分には右に開いたラファエルからグラウンダーのクロスが入る。足を伸ばした石原が近くに止めることができれば決定機だったが、ボールはそのままファーヘと流れた。さらにロスタイム直前にも、波戸の右クロスに石原がヘディングシュートを放ったが、ボールは左ポストをかすめてゴールラインを割った。
結果は0−0のドロー。隣県・新潟では柏が連勝したことで、両チームの残留争いはさらに続くことになった。

左サイドをかき回し、自らシュート2本を記録した内田は「守備に関してはよくなっていると思うので、奪ったボールをいかにシュートにつなげるかというのが課題。最近の試合でなかなか得点ができていないので、シュートを決めきることが一番大事」と話し、山形の2トップを抑え込んだ片岡は「試合を通してうちのペースでできたかなと思う。そういう気持ちがあるからこそ、絶対勝ちたかった」と、勝点2を逃した悔しさを表現した。次節、ホーム最終戦となる柏との直接対決(11/28@NACK)で、残留争いに決着をつけたい。

勝点1を加え、京都をかわして12位に順位を上げた山形にとっても、柏との勝点差が7から5に減ったことは看過できなくなっている。めざすはあくまでも、勝って自力で残留を決めること。しかし、この試合でもシュート数は前節の0本から5本に増えたものの、決定的なシーンは石川の直接フリーキックのみと、攻撃面は低空飛行を続けている。残留か否か、重苦しいプレッシャーがさらに強まるなかで目的を遂げるには、どんなメンタリティが必要とされるのか。
手探りしながら、それは身につけていくしかない。

以上


2009.11.22 Reported by 佐藤円
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