11月22日（日）J2 第49節 草津 vs 福岡（16:00KICK OFF/正田スタ）
スカパー！生中継 Ch181 15:50〜（解説：佐藤正美、実況：吉田学、リポーター：円戸由香）
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　シーズン終盤で激しい中位争いを繰り広げる10位草津と12位福岡が正田スタで対戦する。両クラブは奇しくも同じ18日に、来季の監督人事を発表。草津は「変革」、福岡は「継続」を選択した。今ゲームは、来季の方向性に結論を出した両チームが、残り3試合で一つでも上の順位につけるべく勝点3を狙う。

　福岡は、篠田善之監督の続投を決めた。篠田監督は2008年7月にリトバルスキー前監督の辞任を受けてトップチームコーチから昇格。初年度をシーズン8位で終えて、引き続き2009年も指揮を任された。J1昇格を狙って今シーズンを迎えたが第1クール終了時は4勝5分8敗で13位、第2クール終了時は9勝9分16敗で13位。だが同クール終盤からは勝点を重ねるようになり、最近7試合は4勝2分1敗。第3クールは昇格を決めた仙台から勝利、Ｃ大阪と引き分けるなど上位陣相手にもパワーをみせている。

　前節の甲府戦では前半早々に先制されながらも冷静なゲーム運びを披露。高橋泰の強烈なヘッド、大久保哲哉のバックヘッドによるゴールで逆転に成功した。DF陣も最後まで高い集中を保ち、失点を最少にとどめた。福岡は38節以降の10試合で4失点。2失点以上を奪われたゲームはなく守備の安定が結果につながっている。今季の草津2戦は、計5失点し痛恨の2連敗となっている。福岡は草津戦3連敗を阻止するため気合を入れて乗り込んでくることが予想される。

　草津は、佐野達監督が今季限りで退任することを発表した。草津がJ2昇格を果たした05年にチャレンジャーズチームの監督として招かれ07年からトップコーチとなり、植木繁晴前監督（現GM）の後を受けて今季の監督に就任した。昨季までチームが築き上げてきたポゼッションサッカーのベースを活かして開幕3連勝を果たしたが、その後は下降線を辿り上位から大きく離された。優勝が至上命令だった「北関東ダービー」では5戦にわずか1勝と、2位以下が確定。シーズン終盤になってチーム力は上がったものの、最終的にクラブは「変革」の道を選択した。

　草津は10月25日の岡山戦以来、約1カ月ぶりのホーム戦となる。草津はこの間にJ2・48節でＣ大阪、天皇杯3回戦でＦ東京と対戦した。Ｃ大阪戦はチームの存在を示す格好のゲームだったが、0対5で完敗し目の前でJ1昇格を決められた。腕試しとなったＦ東京戦では、主力数選手を欠いた相手に健闘はしたものの2対3で敗れた。CB田中淳は「FC東京戦では自分たちのサッカーが通用する部分もあったが、J2との違いも感じた。課題を意識しながら残り3戦を戦いたい」と話す。草津は、Ｆ東京戦のゲーム終盤で見せたゴールへの迫力、勝利への執念をリーグ戦に繋げられるかがポイントとなる。

　チームの継続が決まった福岡は、来季への基盤を固めるためのゲームとなる。篠田監督にとっては勝利に徹しながらも来季を見据えた戦いが求められる。一方の草津は、監督の退任が決まっただけに非常に難しいゲームになる。草津の指揮官は、残り3戦でも自身の信念を貫くことを選手に告げたという。福岡戦では「ブレないサッカー」の終大成を見せてくれることだろう。両チームともに監督人事の結論を出したが、今後は選手の去就も関わってくる時期。ここからは、チームの「結束力」が問われることになる。

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2009.11.20 Reported by 伊藤寿学