11月22日（日）J2 第49節 横浜FC vs 栃木（13:00KICK OFF/駒沢）
スカパー！生中継 Ch182 12:50〜（解説：都並敏史、実況：中村義昭、リポーター：高木聖佳）
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今年のJ2も残り3試合となり、来季に向けた動きも見え始める時期となっている。しかしチームの成長を考えた時、目の前の試合こそが来季に繋がる道しるべとなる。16位の横浜FCと17位の栃木の対決となるゲームだが、1つでも上の順位を目指すべく目の前の勝利をもぎ取ることで、来季への成長に繋げる姿勢が重要な試合となる。

横浜FCは、善戦しながらも天皇杯・新潟戦に敗退したため、2週間の準備期間を得た。過密日程のJ2では得がたい、このまとまった2週間を、樋口靖洋監督は基本コンセプトの再確認と更なる積み上げに費やした。

「（シーズン前の）キャンプでやったようなトレーニングを思い出しながら取り組んだ。キャンプの時と比べると、全体的にプレーのタイミングが合ってきている。プレーの理解の高さ自体はキャンプの時も高くて、そこは同じだが、精度としてのタイミングが良くなってきた」（樋口監督）というように、積み上げてきたものへの手応えを感じているようだ。さらに、この2週間のインターバルのおかげで、怪我などで欠けているメンバーがほとんどいないことも好材料であり、残り3試合に向けてのラストスパートへの意欲は高まっている。一方で、「勝てるメンバーを選んで、勝てるゲーム運びをすることが将来に繋がる」とも述べており、勝利に向けた取り組みこそがチームの成長に資するという信念からか、経験を積ませるだけの起用は考えていないようだ。この2週間の練習では、メンバーをシャッフルしながら横一線での練習を行っており、あくまで勝利をめざし、全ての選手が高いモチベーションを持ってゲームに臨む。

その横浜FCにとって、今年の栃木との対戦は若干因縁めいた経緯をたどり2回とも負けているだけに、是が非でも勝たないといけない相手だ。第1クールの対戦（5月10日 第14節）では、試合こそ完全に支配したが、公式記録ではシュート2本の栃木に苦杯をなめた。第2クールの対戦は8月9日に一度はキックオフするものの雷雨で中止となり、9月10日に再び行われた試合では、横浜FCはペースを握ることなく栃木に20試合ぶりの勝利を献上し、栃木は水戸、岐阜、岡山に勝利するなど息を吹き返すきっかけとなった。だからこそ、今度は狙い通りのサッカーをして勝利に結びつけたい。

栃木のストロングポイントは、何と言ってもバランスの良い守備とハードワークだ。「凄く綺麗な4-4-2のユニットを作り、松田（浩）監督らしい組織的なサッカーをするので、なかなかスペースを与えてもらえない。その組織的な守備にハマらないことが重要」と樋口監督は分析する。栃木の前節・熊本戦も、前半は4-4-2の守備のユニットが、熊本の攻撃を寸断していた。横浜FCとして攻略のヒントとなるのは、熊本の先制点のシーンだろう。右サイドからの組み立てから、栃木のディフェンス組織に穴を作り、藤田俊哉が冷静に押し込んだ。ユニットを作った組織のバランスを崩すためには、相手ディフェンスの距離を広げるための仕掛けを続けることが重要であり、横浜FCが目指すイニシアチブを取るサッカーの表現が大きなポイントなる。

栃木としては、先制されてしまうとストロングポイントであるバランスを崩さざるを得なくなり、前節の後半のように守勢に回る機会が増えてしまう。先制されないようにしながら、第1クールの対戦のように横浜FCの隙を突いていきたい。逆に、横浜FCは、イニシアチブを取るサッカーで栃木の守備組織に穴を開け、早い時間に先制できるか。立ち上がりから栃木のバランスを巡る攻防が大きな見所となる。

横浜FCとしては、この試合に勝てば16位以上をほぼ手中にする大事な試合。さらに3連勝して、愛媛が2敗すれば15位までが可能だ。もちろん、栃木もまだ15位の可能性を残している。1つでも順位を上げ、来年に繋げるための熱い勝負を期待したい。

以上

2009.11.20 Reported by 松尾真一郎