11月21日（土）J1 第32節 神戸 vs 横浜FM（17:00KICK OFF/ホムスタ）
スカパー！生中継 Ch182 16:50〜（解説：山野孝義、実況：寺西裕一、リポーター：林智美）
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今季のJ1開幕から間もない、4月11日の第5節。敵地、ニッパツ三ツ沢球技場での対戦はまさかの大敗だった。開始からわずか2分で、横浜FMのFW渡邉千真に先制点を許すと、18分にFW山瀬功治、21分に再び渡邉にゴールを許し、前半だけで3失点。後半も建て直しが効かず、48分にMF山瀬、とどめには68分にMF狩野健太にFKを決められるなど、今季最多失点となる5点を奪われ、しかも無得点で敗れた。

だが、あれから約7ヶ月の月日の中で神戸は変化を遂げた。指揮官も三浦俊也監督に交代し、まずは守備の建て直しを敢行。現時点での結果、順位を見れば、特に9月以降の戦いでは勝ち切れていないし、残り3試合となった現時点で『残留』を確実に出来ていない状況は、決していいとは言えないが、チームとしての規律、スタイルという部分では確実に共通理解を持って戦えているのは間違いない。それは選手たちも手応えとして感じているところで、だからこそ、『結果』が欲しいと口をそろえる。特に今節はホームでの一戦。日頃から独特な雰囲気を作り上げ、試合を盛り上げ、支えてくれる神戸サポーターのためにも、「ホームでしっかり勝って、J1残留を決めたい」（MFボッティ）と思うのは当然だろう。だからこそ、その気持ちが、ピッチから伝わってくるような試合を期待したい。

そのために求められるのは、まずは『堅守』だ。前回の対戦時でも2ゴールを決められ、また前節の大分戦ではJ1リーグ戦におけるルーキーのゴール記録（城彰二／12ゴール）に並ぶゴールを決めたFW渡邉をはじめ、MF狩野、MF山瀬、MF長谷川アーリアジャスールら前線を預かる横浜FMの攻撃陣の顔ぶれを見ても、また、高い位置を取り攻撃にも積極的に顔を出す両サイドバックや、セットプレー時の『高さ』の迫力を考えても、まずは横浜FMの持ち味を出させない守備力の徹底が求められる。中でもセットプレーでの強さ、高さはJ1屈指とも言える強さを誇る横浜FMだけに、ほんのわずかなマークのずれ、ミスが失点に繋がることも十分に考えられる。直近の天皇杯・鹿島戦では試合終了間際に、セットプレーからの追加点を奪われ、敗れた反省を活かし、同じ轍を踏むことのないよう注意したい。

「横浜FMは前線の組み合わせも試合によって変わってくると聞いているし、山瀬あたりも調子に乗らせるとどんどんいいプレーが出てくるという印象も強い。前回対戦では早い時間帯で失点を許し、相手に『今日はうちのサッカーが出来る』と思わせてしまったことが、相手の勢いを増長させたが、今回はそうならないように、早めに攻撃の芽を摘み取り、相手のリズムで試合を進めさせないようにしたい。特にセットプレーはいつも以上に意識をする必要がある。練習でも確認し合ったが全員で徹底したい」（DF宮本恒靖）

ただ、そうした守備を徹底する中で点を獲らなければ勝てないからこそ、いかに相手の堅守をこじあけられるか、も神戸に求められる部分。横浜FMのセンターバックコンビ、DF中澤佑二、DF栗原勇蔵をはじめ、ここのところボランチを定位置としているDF松田直樹ら、『センター』の強さには定評のある横浜FMだが、そこにいかに揺さぶりをかけられるか。ここ最近の試合を見る限り、今ひとつ攻撃時の迫力、工夫に欠ける神戸だが、その課題を克服するためにも「単純なクロスを放り込むだけでは弾き返される。攻撃に工夫が求められるし、意外性のあるプレーを出せたらいい」（DF宮本）「横浜FMはペナルティエリアの中や最後のところでの守備の強さはあるが、そこにいくまではある程度エリア内にまで進入できる。しっかり揺さぶりをかけながらエリア内に持ち込み、そのままの勢いでゴールをこじ開けたい」（FW吉田孝行）など、チームとして、個人としてのアイデアを活かしながら、横浜FMゴールに襲い掛かりたい。

余談だがこの試合で神戸のGK榎本達也が、出場となればJ1通算200試合出場を達成する。その記念すべき一戦で、しかも97年から06年まで10年間にわたって在籍した古巣を相手に、どんなパフォーマンスを魅せてくれるのかにも、密かに注目している。

以上

2009.11.20 Reported by 高村美砂