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【J1:第32節 京都 vs 鹿島】プレビュー:タイトルへの執念か、残留への強い意志か。勢いを取り戻した鹿島を相手に京都は我慢と集中力で『勝紐』を掴む!(09.11.20)

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11月21日(土)J1 第32節 京都 vs 鹿島(14:00KICK OFF/西京極
スカパー!生中継 Ch182 13:50〜(解説:柱谷幸一、実況:下田恒幸、リポーター:和田りつ子)
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リーグ戦上位クラブ 直近3節の試合結果と次節対戦相手
第29節第30節第31節第32節第33節
鹿島△0-0 磐田○3-0 千葉○2-0 山形京都G大阪
※J1リーグ戦は賞金が授与される上位7位以内に位置するクラブの試合結果および次節対戦相手を掲載しています。
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第32節、西京極に鹿島を迎える。
勝点差わずか1で、首位・川崎Fを追いかける2位の鹿島。今節、引き分けでも許されない。タイトルへの執念、鹿島はこれから全ての試合でそれを見せつけなければならないだろう。
対して京都。勝点38。降格ライン16位・柏の勝点が30、その差は8。残り3試合、柏が一度でも引き分け以下を出せば、又は、京都が勝点2以上を積み上げれば残留が決まる。「残留はまだ決まっていない。柏との勝点差を考えれば今節の鹿島戦がどれだけ大事か、それをチーム全員が自覚することが必要だと思うし、それをみんなにしっかりと伝えることが必要だと思う」佐藤勇人は力強く語った。鹿島のタイトルへの執念を跳ね返すだけの残留への強い意志、京都がこの強い意志をもってこの一戦に臨めるか。それが今節の一番の見どころだ。

鹿島はチームの柱の岩政大樹、マルキーニョスが今節、出場停止。だが、誰が出場しても遜色ないチーム力を備えているだけにこれが試合のポイントになるとは考えにくい。
京都は左サイドバックの中谷勇介が前節受けた怪我の影響でディフェンスラインには修正が入る。中谷の積極果敢なドリブルが失われるのは京都にとって大きいが、そのポジションには染谷悠太、森下俊など勢いに乗れば中谷以上の輝きを放つ可能性を持った選手もおり、彼らにとってはチャンスとなる。タイトル争い真っただ中の相手と試合ができる、自身のこれからを考えれば貴重なチャンスでもある、若い選手の奮起に期待したい。

「京都の13番」柳沢敦が前節のG大阪戦で得点を決め、J1通算100ゴールへ、98点と迫った。今季ここまで4点で、昨年と合わせれば京都では18ゴールを決めている。強く印象に残るゴールに、昨季17節、西京極での鹿島戦の先制点が挙げられる。
開始11分に渡邉大剛のクロスから柳沢が頭で合わせたもので「古巣に決めたゴール、ちょっと違った味がある」と柳沢自身が後に話した。渡邉の足元に鹿島の左サイドバック新井場徹がタックルに入る、それをかわす渡邉の柔らかい山なりのクロス。そして中央にはセンターバックの岩政。彼の頭上を超えると、そこにいたのは柳沢。「完璧なボール。目の前に岩政という大きなDFがいて、それを超えて小さい僕に合わせてくれた」とは柳沢。後に渡邉は「あそこ(岩政)を超えれば何とかなると思った」と明かした。岩政を超えればと、イメージした渡邉と岩政の後ろでボールが来ると信じていた柳沢。二人のイメージが重なったからこそ生まれたゴールだ。
京都の攻撃で今最も重要なのはこの攻撃陣のイメージの重なりだろう。クロスを上げる者と中でシュートを狙う者との意識がピタリと合えば、得点の可能性は飛躍的に高くなるのは明らか。日本代表FW、清水・岡崎慎司のヘディングシュートも、岡崎のイメージするスペースにボールが来るからこそ。そこしかない、というイメージ通りのボールが上がるから彼は爆発的なヘディングシュートを決めることができるはずだ。
クロスだけに限らず、カウンターでも同様に、2人、3人のイメージが重なりつつも、動きが重ならず一気にゴールを目指すことができれば、ゴールの匂いが一層強くなるはず。ディエゴは「味方を助けたいという気持ちは常にある。柳沢のため、それだけでなくチームの勝利のため、貢献したい」と話す。今節、数は少ないだろうがチャンスは必ずあるはずだ。その時に攻撃陣がどれだけ感じあえるか、勝負のポイントはそこにあるだろう。

昨季17節の鹿島戦、決勝点は84分の佐藤のミドルシュートから生まれた。1-1で鹿島の猛攻を受けた京都、だが、共に足が止まり始め中盤にスペースが出来始めた試合終盤に生まれたゴールだった。
この一戦には京都の戦いの全てが詰まっていると言っていい。渡邉と柳沢のイメージを重ね合って生まれた先制点。鹿島の圧倒的な攻撃の前に防戦一方になりながらも耐え抜いた守備陣。そして、中盤に空いたスペース、鹿島の隙を見逃さなかった佐藤のミドルシュート。試合の流れ、決定機と、勝利の要因のほとんどは鹿島にあった、にも関わらず京都が勝利した。そこには相手の猛攻に耐える「我慢」と一瞬の隙を見逃さない「集中力」があったのだ。今節も同様に、総合力、チーム力は鹿島が圧倒的に上。だが、勝負を決定付けるのは試合前ではなく、試合の状況の中にある。
逆境にも動じないメンタルと攻撃へ切り替わった時の爆発力。京都には京都らしい戦い方で勝利を掴む道筋はあるのだ。佐藤は「失点しても冷静に戦っていけるかは重要になる。一つのプレーで流れはがらりと変わるから。今の京都に足りないのは自信だと思う」と話した。90分をどう戦うか。チャンスは、少ないかも知れないが、必ずあるはずだ。
勝機をものにする、加藤久監督はそれを「勝紐を掴む」と表現した。「勝紐きちっと掴むことができるかどうか。後から考えれば勝った試合にはその瞬間が必ずあった」

京都が不利な状況に変わりはない。だが、ほんの数回でも、勝機は必ずあるのだ。そのほんの数回を迎えるまでどれだけ我慢できるか、そして攻撃陣がほんの数回の勝紐を逃さないかどうか。京都の我慢と集中力に期待したい。

以上



2009.11.20 Reported by 武田賢宗
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