11月15日(日) 第89回天皇杯4回戦
横浜FM 1 - 2 川崎F (15:04/日産ス/10,120人)
得点者:32' ジュニーニョ(川崎F)、57' 山瀬 功治(横浜FM)、85' 矢島 卓郎(川崎F)
☆天皇杯特集
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今季5度目の『神奈川ダービー』は川崎フロンターレが制し、通算3勝1敗1分けとした。ただ、その結果ほど両チームの力の差はなく、今回も「横浜F・マリノスとはいつも紙一重」(鄭大世)という激しいゲームだった。
とはいえ、これが現実。リーグ戦で現在首位のチームと、中位を争うチームの差が出たとも言えるだろう。横浜FMの選手たちもそれを認めている。渡邉千真は「決定力の違いが出たと思う。相手はチャンスが少ない中、点を決めてきた。毎回、それが課題」と、うなだれた。決定力の差が、この日も明暗を分けたのだ。
横浜FMは日本代表・中澤佑二の代わりに、金根煥を起用。本来ボランチの小椋祥平が右MFに入る。対する川崎Fは、天皇杯3回戦で先発を外れたジュニーニョと谷口博之、菊地光将の主力3人が復帰した。
序盤は川崎Fが攻勢に出たが、徐々に横浜FMペースに。小椋が高い位置で守備力を発揮した影響もあり、渡邉が20分までに3本のシュートを放つ。また、小椋と松田直樹は時折ポジションチェンジし、松田が効果的な攻めを生む。だが川崎FのDF陣はフィニッシュの場面で必ずケアし、要所を締める。
すると32分。左CKを田坂祐介が蹴ったボールはニアで競った選手を越え、ファーで待ち構えていたジュニーニョの足元へ。それをきっちり沈めて先制。横浜FMのDFは一瞬ボールウォッチャーになったのか、「マークがズレた」(飯倉大樹)隙を突かれた。
39分、横浜FMの坂田大輔が負傷し、山瀬功治と交代。しかし、その山瀬が魅せてくれた。57分にDFと1対1の局面を迎えると、巧みなステップからの鋭い切り返しで抜き、左足シュート。パンチの効いた一発がネットを揺らし、同点とする。
その後、横浜FMは山瀬、川崎Fはジュニーニョが個人技で打開を図ろうとするも、ともに敵DFとボランチの懸命な守備に阻まれる。
時間が経過し、横浜FMは長谷川アーリアジャスール、川崎Fは木村祐志、矢島卓郎という攻撃のカードを切り、お互い90分間内での決着を狙う。そして矢島が期待に応えた。レナチーニョが小宮山尊信のドリブルをカットしてパス。ボールを受けた矢島は敵DFに囲まれ、倒れ込みながらミドルを放つ。それがゴールに吸い込まれ、勝ち越し弾をゲット。
試合時間は残り約5分。横浜FMは栗原勇蔵、金を前線に上げてパワープレーを敢行する。2人とも惜しいシュートを打ったが、枠を捉えきれず。そのまま熱戦に幕が下ろされた。
川崎Fは中3日の試合だったこともあり、途中から運動量が低下し、後半だけで11本のシュートを浴びた。ただ、大黒柱・中村憲剛が不在のなか、劣勢でも勝てるのが強さの要因のはず。ヤマザキナビスコカップ決勝の悪夢を払拭するような公式戦3連勝を飾り、2冠の現実味が帯びてきた。
横浜FMの選手の数人から試合後、「ショックが大きい」という旨の言葉を聞いた。天皇杯に賭けていた分、敗戦の傷跡は深いに違いない。だが、リーグ戦残り3戦を残している。そこでどう奮起して戦うか。それが来シーズンを占う上での大事な第一歩となる。
以上
2009.11.16 Reported by 小林智明(インサイド)
J’s GOALニュース
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