11月8日(日)J1 第31節 名古屋 vs 神戸(13:00KICK OFF/瑞穂陸)
スカパー!生中継 Ch183 12:50〜(解説:藤川久孝、実況:吉田太一、リポーター:水谷陽介)
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前節でリーグ戦連敗を止めた名古屋だが、この終盤にきて調子はやや下がり気味と言わざるを得ない。10月の公式戦では6戦で1勝4敗1分と大きく負け越し、唯一の勝利も天皇杯で地域リーグ相手に奪ったものにすぎない。11月最初のゲームも勝利したが、やはり天皇杯でJFL相手のもの。残り4試合となったリーグ戦へ向け、勢いとなるまでには至っていない。聖地・名古屋市瑞穂陸上競技場での今季リーグ戦最終ゲームとなる今節でJ1相手に勝利し、シーズンのラストスパートへとつなげていきたいところだ。
対する神戸は残留争いの最中だが、それも今節の結果次第では終結する。勝てば一気に残留が決定するため、アウェイながらも勝点3へのモチベーションは高いはずだ。シーズン途中で就任した三浦俊也監督が整備したカウンターサッカーは、名古屋のようなチームにこそ最大の効果を発揮するものでもある。勝って残留決定という明確な目的は、その鋭さをさらに研ぎ澄まさせる追い風となるに違いない。
苦手としているカウンタースタイルのチームを迎え撃つ名古屋だが、まず注目したいのは選手のコンディションだ。10月後半からの2週間でサウジアラビア遠征を含む5試合をこなした選手たちの疲労はピークに達していた。前節の磐田戦で立て続けに3失点を喰らったのも、疲労からくる集中力の低下が大きな原因だ。それを考慮してか、名古屋は前週の天皇杯後に2日間の完全オフをとって休養に務めた。リフレッシュした選手たちが本来の運動量を取り戻せるか否かは、試合展開を決定づける大きな要因となる。取り戻せなければ終始劣勢の展開に、取り戻せればポゼッションvsカウンターの典型的な試合となるだろう。
そこでやはりポイントとなってくるのは、神戸のカウンターに対する名古屋の守備だ。大久保嘉人を出場停止で欠くものの、神戸の前線にはスピードを武器とするストライカー、茂木弘人がいる。茂木にはアウェイでもゴールを奪われており、名古屋にとっては嫌なイメージもあるだろう。吉田麻也、増川隆洋の両センターバックは高さと対人能力はリーグトップクラスだが、スピードへの対応が泣き所の選手でもある。前がかる展開の中ではどうしても自陣に広大なスペースは作られてしまうもの。彼らがAFCチャンピオンズリーグでアジア最高クラスのカウンターに対峙した経験を活かし、冷静な判断を下せるかは見ものである。
一方で名古屋の攻撃面、特にポゼッションに変化をつけるサイドの攻防では“適正人数”を保てるかが肝要だ。基本的にサイドハーフ、サイドバック、ボランチの3人が絡む名古屋のサイド攻撃だが、人数をかければかけるほどマーカーも増える。最近よく見られるのがそこにケネディや玉田圭司が絡むことで、中央のフィニッシャーまで不在になるという悪循環だ。ワンサイドに4人が絡む攻撃は、相手が引いていれば明らかに人数過多。ポジションバランスを適正に保ち、少ないスペースを有効活用する効率的なサイドアタックを構築したいところだ。
上位争いが遠ざかり、リーグ戦のテーマを定めにくくなった名古屋にとって、J1残留という強固な目的意識を持つ神戸は厄介極まりない相手だ。この戦いはその温度差をいかに埋めるかも重要になってくる。名古屋が掲げるは1ヵ月ぶりのリーグ戦勝利と、ホーム瑞穂最終戦での有終の美。勝利の凱歌をあげるのは、試合に対するモチベーションが上回った方になりそうだ。
以上
2009.11.06 Reported by 今井雄一朗
J’s GOALニュース
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