スカパー!生中継 Ch182 14:50〜(解説:桑原隆、実況:桑原学、リポーター:日々野真理)
勝敗予想ゲーム | 皆の投稿で作るスタジアム情報
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■リーグ戦上位クラブ 直近3節の試合結果と次節対戦相手
第28節 | 第29節 | 第30節 | 第31節 | 第32節 | |
F東京 | ○2-1 名古屋 | ○4-0 柏 | ○2-1 清水 | 浦和 | 千葉 |
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F東京は3日、5年ぶり2度目のヤマザキナビスコカップ制覇を成し遂げた。そして、今節はあの04年ヤマザキナビスコカップ決勝以来、勝利がない浦和と対戦する。試合は明日15時、味の素スタジアムでキックオフする。
F東京と浦和は今季リーグ第2節で対戦し、浦和が3−1で完勝した。「スコア以上の完敗だった」と城福浩監督は振り返る。この試合は、今季リーグ序盤のF東京を象徴するゲームだった。両サイドバックが高い位置を取り続け、守備に大きな穴を空けたところを浦和に突かれた。「終盤はいいようにボールを回されてしまった」(梶山陽平)。F東京の今季は、ここからスタートした。この敗戦を教訓にし、チームを立て直した現在がある。
「リーグ序盤苦しんだところから這い上がってきた。我々がどう学び、何を身につけたかを証明する試合にしたい」(城福監督)
逆に浦和は今季、フォルカー・フィンケ監督の下、ドラスティックな世代交代を進めてきた。多くの若手選手が、実戦経験を積んで成長を続けている。これから迎える第二期黄金期に向けての礎を築いている段階といえるだろう。だが、安定的な勝点の積み上げには我慢も必要だ。育てながら勝つというのはチームづくりにおいては最も難しい作業だ。浮き沈みはあったものの、ここからは来季に繋がる戦いが求められている。強い浦和の復活には、今季取り組み続けてきたパスワークに、手数を掛けずにゴール前まで攻め入る伝統のダイレクトプレーをいかに融合させるかだろう。
F東京は、ヤマザキナビスコカップ決勝で指揮官のいう「100%を出し切った」。持ち駒をフル活用しての優勝だった。米本拓司のゴールで先制し、守備組織を崩さずにカウンターから2点目を奪って逃げ切った。やることがハッキリした中でそれを忠実に実践した。思い描いたゲームプランを完ぺきに遂行した選手たちは頼もしいかぎりだ。
ただ、自分たちの土俵に相手を引きずりこめなかったときが、今のチームの課題でもある。ここ数試合は先行して試合を優位に進められているが、逆転したゲームは少ない。今季の逆転勝利は、リーグ戦第27節磐田戦を含めて数える程度しかない。リーグ戦残り4試合でのチームの課題を挙げるとすれば、先制されたとき、いかに対応するかにあるはずだ。
浦和には経験豊富な選手が多く、セットプレーやダイレクトプレーも変わらぬ迫力がある。先制を許せば、厳しいゲームになるのは間違いない。
「先制されても自分たちのことができればいい。今は落ち着いて構えていられるようになったと思う。だから心配はしていない。もし先制されてもスペースを突いていくことが必要。大きなスペースも、狭いスペースも、自分たちが意図的に作り出すことをやり続ける。だから、狭いところでもチャレンジして欲しい。逆にそれをやり続ければ、必ず外が空いてくる。その両方を追求したい」(城福監督)
先制を許して守りに入られた場合、当たり前だがポイントとなるのはサイドからの崩しだ。赤嶺真吾、平山相太は、ともにワンタッチで勝負を決めることができる。その2人に良質のクロスを送るためにはサイドの高い位置までボールを運ばなければいけない。リードを許しても、焦らずボールを回して相手の守備に穴を作ることができるかがこのゲームの焦点となるだろう。
F東京は5年ぶりのカップウィナーとなった今、今度は5年ぶりに浦和から勝利を挙げたいところだ。F東京が浦和の呪縛を払拭できるか。それが今節最大の焦点なのかもしれない。
以上
2009.11.07 Reported by 馬場康平