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【J2:第48節 水戸 vs 仙台】プレビュー:新スタジアム開幕戦で胴上げはさせない!水戸はプロの意地とプライドを持って、この一戦に挑む。(09.11.07)

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11月8日(日)J2 第48節 水戸 vs 仙台(12:30KICK OFF/Ksスタ
スカパー!生中継 Ch181 12:20〜(解説:都並敏史、実況:野村明弘、リポーター:佐藤愛美)
勝敗予想ゲーム | 皆の投稿で作るスタジアム情報
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リーグ戦上位クラブ 直近3節の試合結果と次節対戦相手
第45節第46節第47節第48節第49節
仙台△1-1 鳥栖○2-0 草津○1-0 札幌水戸C大阪
※J2リーグ戦は上位5位以内に位置するクラブの試合結果および次節対戦相手を掲載しています。
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言うまでもなく、大一番だ。仙台は7年ぶりのJ1昇格内定が懸かった一戦であり、水戸はついに完成したケーズデンキスタジアム水戸でのファーストゲーム。両チームのこの一戦にかける思いの強さは説明する必要はないだろう。闘志をむき出しにした激しい攻防が繰り広げられるに違いない。

そんな一戦を前に、水戸の選手たちの表情に冴えはなかった。試合2日前の練習での紅白戦、レギュラー組は集中力を欠いたミスを連発。ボールを奪われても相手を追わない選手がおり、組織は崩壊。サブ組に簡単に失点を許すなど仙台戦に向けて不安ばかりが募る内容であった。練習後、木山隆之監督は選手を集めて、厳しく叱責。ロッカールームでは吉原宏太が選手たちに「このままでは絶対に負ける」と諭し、「絶対にこのモチベーションのまま仙台戦に入りたくない」と険しい表情で語った。

前節、富山に3−2で勝利し、連敗を8で止めた。「一時期よりアグレッシブさが出てきた」と富山戦で先制ゴールを決めた荒田智之が言うように、前々節・熊本戦から常に前に向かってプレーできるようになっており、春先の好調時を彷彿させる攻撃的なサッカーを取り戻している。特に左サイドの堀健人の好調ぶりが目を引いている。鋭いドリブル突破と正確なクロスを武器に左サイドで躍動。さらにゴール前に積極的に入り込み、前節は決勝ゴールを叩き込んでみせるなど堀の復調がチームの攻撃性を蘇らせることとなっている。けがで戦列を離れていた高崎寛之も練習に合流しており、ベンチ入りは確実。今の水戸は、リーグ最少失点の仙台ゴールをこじ開けるだけの破壊力を秘めていると言っていいだろう。

それだけにいかにモチベーションを高めてこの一戦に臨めるかが問題だ。試合2日前の「まだ火がついていない」(吉原)状態からいかに気持ちを高めることができるか。それが水戸の選手たちに求められている。「自分の人生を左右するぐらいの試合だと思わないといけない」と吉原は言う。この一戦はリーグ全体から見ても注目を浴びる一戦になることは間違いない。試合会場には多くの関係者が来ることが予想され、さらに、多くの観客がスタジアムに詰め掛けることだろう。「そういった重要な試合で何ができるかでプロとして資質が問われる」と吉原は自らの人生を振り返りながら語った。

吉原自身もそうした大舞台で活躍して、這い上がってきた選手である。高校時代、まだ進路が決まってない中で臨んだ第74回全国高校サッカー選手権で見事得点王を獲得して、札幌に加入。プロの世界に進んでからも重要な試合で活躍を重ね、10年以上もプロとして生きてきた。自らの力で道を切り開いてきた自負があるからこそ、「水戸の選手たちにも同じ思いをさせたい」と切実な表情で口にした。「この試合はただの1試合ではない。本当にスペシャルな試合。この試合に来た人たちに『水戸にはこんないい選手がいるんだ』と思わせたい」と吉原が言うように、水戸というクラブの存在をアピールする最大の場でもあるのだ。

さらに新スタジアムのファーストゲームということで、チケットの売り上げも好調でほぼ満席となることが予想されている。これまで観客動員に悩み続けていた水戸だけに、そんな中で試合できることに監督、選手、スタッフは感慨深い思いがあるだろう。木山監督は「この試合を盛り上げようといろんな人が努力してくれた。その思いに応えたい」と力を込めて語った。水戸市民にアピールするためにも、この試合での勝利は必須だ。試合前日、水戸はケーズデンキスタジアム水戸で調整を行ったが、大半の選手がそのときはじめてスタジアムを目にすることとなる。生まれ変わった優美なスタジアムを見て、何を思うか。その瞬間が、この一戦の水戸の命運を決めることとなるだろう。新スタジアムのファーストゲームで相手に胴上げをさせるわけにはいかない。試合当日、水戸がプロの意地とプライドに満ちた集団として新スタジアムのピッチに飛び出してきてくれることに期待したい。

仙台はこの試合で勝ち、甲府と湘南が引き分け以下の結果で7年ぶりのJ1昇格が内定する。今の仙台に死角は見当たらない。リーグ戦8試合負けなし。その間に喫した失点がわずか4と守備の強さが際立っている。さらに天皇杯3回戦ではJ1大宮を撃破。延長戦でゴールを決めた梁勇基をはじめ、関口訓充や中島裕希といった攻撃陣も好調を維持しており、攻守のバランスが非常にいい。これまでのアウェイでの戦い同様、水戸の攻撃をうまくしのぎながら、虎視眈々と速攻からゴールを狙う戦いを仕掛けてくることだろう。

昇格がかかった試合で平常心を保てるか。この一戦はそこに尽きる。これまで昇格したどのチームも、昇格を決める前に『足踏み』をしている。大一番での緊張、そして、胴上げをさせまいと挑んでくる相手の強い気持ちなど、いつもの試合とは異なった要因がリズムを狂わせる。そうした多くのプレッシャーを跳ね除ける力強さこそが、J1へ飛び立つためには求められるのだ。

ただ、仙台にとっては1年前のJ1・J2入れ替え戦の経験がモノを言いそうだ。あの極度の緊張感に比べれば、この試合に挑む気持ちはいかに楽なものか。多くの選手がそう思っているに違いない。そして、例年と比べて、1年通して好不調の波が少なかったことが、仙台がこの順位にいる最大の要因でもある。精神的なたくましさこそが今季の仙台の強さの源と言えよう。心身ともに充実を見せる仙台。確固たる自信を胸に、歓喜の瞬間を掴み取りに来ることだろう。

以上

2009.11.07 Reported by 佐藤拓也
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