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【J1:第31節 川崎F vs 千葉】プレビュー:ナビスコカップを逃した川崎Fが、リーグタイトルに向けて態勢を立て直せるのか。降格圏の16位以下確定が現実のものとなりつつある千葉と共に、気持ちの入った戦いが予想される。(09.11.07)

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11月8日(日)J1 第31節 川崎F vs 千葉(15:00KICK OFF/等々力
スカパー!生中継 Ch181 14:50〜(解説:川本治、実況:八塚浩、プレーヤー解説:野々村芳和、リポーター:高木聖佳)
勝敗予想ゲーム | 皆の投稿で作るスタジアム情報
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リーグ戦上位クラブ 直近3節の試合結果と次節対戦相手
第28節第29節第30節第31節第32節
川崎F○2-0 横浜FM○3-2 大宮○7-0 広島千葉大分
※J1リーグ戦は賞金が授与される上位7位以内に位置するクラブの試合結果および次節対戦相手を掲載しています。
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ヤマザキナビスコカップを手にすれば、一気に三冠もありうると、そんな風に思っていた時期もあった。リーグ戦は残り4試合。川崎Fはこの4試合で4連勝できれば文句なくリーグタイトルを手中にできるという位置につけており、勢いこそが大事な要素だと思われていた。だからこそ、ナビスコカップを手中に収め、リーグ戦に向けて弾みをつけたいと考えていたのである。そして今にして思うと、ナビスコカップ決勝を前に、その敗戦の可能性。つまり準優勝に終わった場合のシミュレーションや心の準備がほとんどなされていなかったのである。そうしたチーム状況から、「油断」というキーワードを導き出すとして、それが選手の心理を描写する言葉としては、おそらくは大きくは外していないのだろうと思っている。彼我の戦力差を考えれば、ほぼベストメンバーで臨めた川崎Fに対し、F東京は移籍やケガにより大幅な戦力ダウンが確定的な状況にあったからである。だからこそ、想像だにしなかった敗戦に選手たちは打ちひしがれ、潔い敗者として立ち振舞うことができなかった。

その事自体は終わったことである。今何をどう言い繕ったとしても、事実を曲げる事はできない。受けた多くの批判に対し、選手たちはただひたすらに反省を口にしするしかないと思っている。たとえば中村憲剛は「スポーツマンとしてよくなかった。それは反省するしかない。重大さは選手も受け止めています」とうつむき加減で心境を話していた。そして、その口調は心なしか弱弱しく、かなりの精神的ダメージを受けているように思えた。
サッカーは時として精神的な要素が試合展開を大きく変える事がある。川崎F自身の例を挙げるとすれば、F東京とのナビスコカップ決勝で先制されたあとの試合運びなどがいい例であろう。普通にサッカーをしていれば、違った結果になっていた可能性は十分にあった。しかし1失点に心をかき乱され、そして追加点を奪われ、沈んだ。

勢いをつけるどころか敗戦し、その後、見苦しい振る舞いをしてしまった川崎Fはその反響の大きさを前に精神的に最悪な状態にあるといっていい。4連勝どころか、その最初の1試合目ですらどちらに転ぶかわからないという状況にまで悪化していると考えて良い。川崎Fにしてみれば、危機的な状態だという事が言えるだろう。

そんな中、出場を見合わせる事となった森勇介に代わり、先発が予想される井川祐輔は「ぼくらが取り返せるのは、ピッチでフェアプレーで勝つ事だけ。一つ一つ信頼を取り返していくしかない。次は勝たないとダメ」と語気を強めていた。また中村も「そういう(批判を受けた)中で、プレーする場を与えられていますから、そこで120%の力を出したいと思います」と意気込みを口にしていた。

残念な振る舞いではあったが、それはそれ。試合とは本来切り離すべき性質ものもである。だからこそ、この試合の意味は大きい。ここでズルズルと(ナビスコカップ決勝とリーグ戦とで)連敗するようでは、川崎Fのサポーターにも申し訳がないと、選手たちは口をそろえていた。

川崎Fが感じている危機感は、手が届きそうな初タイトルを失う可能性についてだが、千葉が隣り合わせている危機は全く異質のものである。クラブ史上初となるJ2降格が現実のものとなりつつあるのである。

J1・J2入れ替え戦が廃止された今季は、リーグ戦の下位3チームがJ2へと自動降格。J2の上位3チームと入れ替わる事になる。つまりJ1に残留するには、シーズン終了時点で15位の位置にいなければならないという事になる。ところが千葉は現在17位。残留圏となる15位の大宮とは、4試合を残した状況で、勝点12点の差をつけられてしまっているのである。つまり千葉が残留するには残り4試合で4連勝し、なおかつ大宮が4連敗する必要があるのである。非常に厳しい状況にあるが、だからこそわずかに残ったその可能性に向け、この川崎F戦が持つ意味は大きい。千葉といえば昨季の最終節で見せた驚異的な粘りが印象に残っている。追い込まれた状況で力を発揮してきた実績がある。そういう意味では、まだ残留に可能性を残す中でのこの試合は、奮起の理由としては十分なものであるといえるだろう。また大宮の試合が、この川崎F戦の試合後にキックオフされる事もモチベーションを維持させるのに十分な条件だと言える。

勝利のためには得点が必要になる。だからこそ、がむしゃらなプレースタイルでチームを引っ張ってきた巻誠一郎の活躍が試合を分けるポイントとなるだろう。川崎Fを最終ラインで支える菊地光将はその巻について「相手には巻さんがいますし、ボスナーから良いボールが出てくる。そこは気をつけたいです」と言及し、警戒していた。

川崎Fはナビスコカップ敗戦とそれに付随して引き起こされたもろもろの出来事に対する精神的なダメージを払拭できるのか。注目される一戦となっている。対する千葉は、引き分け以下の試合結果に終わった瞬間にJ2への降格圏である16位以下が確定するという状況にある。大宮の結果を待たねばならないという意味で、自力残留の可能性は潰えているが、それでも彼らができる最高の結果を求めて試合に臨む事だろう。そういう意味で、気持ちと気持ちとがぶつかり合う激しい試合が予想される。試合の行方に注目したいと思う。

以上

2009.11.07 Reported by 江藤高志
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